佐治敬三と開高健 最強のふたり

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186124

作品紹介・あらすじ

真の経営者とはなにか。真の小説家とはなにか。そしてほんとうの友情とはなにか――300万人の命が失われ、焦土と化した日本が奇跡の復興へとむかう、高度成長期、やんちゃな経営者と作家が友情で結ばれ、たぐいまれなタッグを組んで、次々とヒットを飛ばす。サントリーがまだ寿屋と呼ばれていた時代、貧困のどん底から開高健を拾い上げ、活躍の場を与えたのが、世界一のウイスキーをつくった男・佐治敬三であった。開高はコピーライターとしての才能を花開かせ、在職中に芥川賞を受賞する。開高は佐治を必要としたが、佐治もまた開高を必要とした。やがて二人は経営者と社員という枠を越えた友情で結ばれていく。佐治が身を置いていたビジネスの世界は経営者が生命をかけた戦いの場だが、なかでも昭和三十六年(一九六一)のビール事業進出、ビールの巨人三社(キリン、サッポロ、アサヒ)による寡占(かせん)に無謀な挑戦は、まさに「ビール戦争」と言っていいものであった。経営者の姿を自分に重ねあわせ、作家・開高も戦場に向かう。アメリカが正義を旗印に介入した「ベトナム戦争」の渦中に身を投じる――。

感想・レビュー・書評

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  • この #ブクログ 書評を書いている私、#文野巡 の小説『#宇宙と深海の交響曲 (#そらとうみのシンフォニー )』の登場人物である女子高生 #豆井戸美麗 と男子高校生の #内鵜仁 がなにやら会話しています。
     
     
    美麗「この #開高健 って名前はなんとなく聞いたことあるけど、 #佐治敬三 ってのはまったく聞いたことないわね。誰なのかしら?」
     
    仁「開高健は芥川賞作家、佐治敬三は #サントリー の創業者だ。日本人ならそれくらい知ってるだろ?」
     
    美麗「わあ、さすが仁、あったまいい。なんでも知ってるのね。で、2人はどんな関係なの?」
     
    仁「実は #芥川賞 作家の開高健が、当時サントリーの宣伝部にいて、PR誌『 #洋酒天国 』を作ってたんだ。後の大作家が宣伝部隊にいたんだ。そりゃあ、会社も大きくなるよな」
     
     
    そんなわけで、サントリーを巨大企業に育てた2人の偉大な人物像を追った本作品。
     
    読み物としても十分に楽しめる作品です。
     
     
    私、文野巡の小説『宇宙と深海の交響曲 (そらとうみのシンフォニー )』はこちらからぜひ読んでみてください
    (^_-)-☆
    https://estar.jp/_novel_view?w=25162792

    #本 #読書 #歴史
    #エブリスタ

  • 堪能しました。やはりこの会社の精神、世の中に向かい合う姿勢、広告クリエイティブに対する考え方など、すべてが大好きです。ある意味「マッサン」の続編としても楽しめる一冊(サントリー目線ですが)。働く活力も貰える渾身のノンフィクションだと思います。

  • 開高健のベトナム戦争取材の時の、ベトコンの話が強烈に印象に残っている。

  • ●本の概要・感想
     サントリーのウイスキーを世界に知らしめた男、佐治敬三。サントリーの勤務中、芥川賞を受賞した作家、開高健。二人の一生とその交友についてまとめた作品。偉人の二人の生涯は読み物として大変おもしろい。話の構成もも工夫されている。本の序盤は敬三がビール事業に挑戦するところから始まる。一度は会社として大敗した戦に再び挑む、激動の時期である。そのように、時系列の構築の仕方が巧みであり、作家の手腕が伺える。二人のおもろくて最強の大阪のおっさんを知ることができてよかった。

    ●本の面白かった点、学びになった点

    *今や飲料メーカー最大の企業となっているサントリーが、もとはキリンやアサヒよりも小さい企業であったこと
    ・2020年現在、飲料水の国内売上ナンバーワンのメーカーはサントリーである。そこにアサヒ、キリンと続く。昔はサントリーがアサヒとキリンを追いかける形だった
    ・戦後で全てがリセットされた影響もあるだろうが、チャレンジ精神で元々の巨匠を追い越しているのはすごい

    *日本ウイスキーをマッサンとサントリー創業者が作った。そのウイスキーを世界レベルまで広めたのが佐治敬三

    *開高健という人の生き方
    ・学生結婚。もがきながら妻のアテを頼ってサントリーに入社。自分で考えたおもろいことを続々とやる
    ・会社員として働きながら執筆活動を続けて、芥川賞を受賞するまでに
    ・生きるとはどういうことか、人とはどういう存在か、その問いを追い続けた。ベトナム戦争に取材に行き、その後も世界各地を回った
    ・常におもしろおかしくしゃべる

    *佐治敬三「やってみなはれ」の精神

    *北康利氏が佐治敬三について本を書こうとしている過程で、自然と開高健と合わせた本にしたくなったこと
    ・元から、変わったプロットの本だと思っていた。偉人の生い立ちや人生をまとめた本は少なくないが、コンビで書かれている本は少ないはずだ
    ・あとがきによると、まず作者は「佐治敬三」について書こうと思ったのだという。佐治敬三について語るには、自然と開高健について語る必要ができてきた

    *ただ売るということではなく、文化の水準を上げるという志の高さ
    ・サントリーの広告やウイスキーはただの嗜好品ではなく、日本人の志向性や行動習慣を変えるちょっとした礎のようにもなった
    ・個人的にはお酒は飲まないが「文化を変える」という志は、BtoC事業を行う企業には必要だろうな

    ●読んだきっかけ
    オーディオブックのセール 

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  • サントリー二代目社長・佐治敬三氏と、同社社員であり芥川賞作家である開高健氏との物語。

    戦後から高度経済成長期の熱気が、「浪速商人」たる二人の活き活きとした姿から、浮かび上がるかのような描写で、非常に勢いよくどんどん読み進めることが出来ました。

    史実を単純にトレースするだけでなく、要所要所に筆者の思いや考えも吐露されるのですが、私にはよく的を射ているように思え、それもまた本書を魅力的にしているように思えます。

    同様に、他文献からの引用も要所要所で素晴らしく思えました。

    他文献からの引用ですが(つまり北氏ご本人の言ではないですが)、如何にも印象的だった一節が以下。

    「佐治や開高は広告の技術で酒を売っていたのでなく、客を壁際に押し付けても金をふんだくってやるという気迫で、ウイスキーを日本全国に普及させて射たのではないか。」

    「みんなが『狂』の時代でした。何かに取り憑かれるように仕事をしていた。だが、誰かに怒られるから仕事をしようというのでなく、さりとてやれねばならないと目を釣り上げたわけでもない。周りの『狂』の気分に同化してしまっていていつの間にか働いていたんだ」

    また機を見て読み返すことになりそうです。

  • 北康利氏に触れ、氏の作品に開高健についての作品がある事を知る。
    開高健と大阪に思い入れの強い身としては、開高健の著作にまつわる謎が、克明に解明されており、興奮する内容であった。
    また、佐治敬三氏やサントリーが大阪に貢献してきた姿に大変感銘を受けた。自分が少年時代に感じていた昭和後期の大阪の活気は、高度経済成長に後押しされた自然発生ではなく、佐治氏らの熱意と行動が創ったものだったとは。
    グローバルという言葉に、日本や関西地域の活性化をなんとなく混ぜ込んで誤魔化していないか?自分とその周辺に問い直し、行動することが必要だと認識させられた。

  • サントリー社史の部分と佐治敬三と開高健の関係についての記述は興味深い内容だったが、開高健の生い立ちや女性関係の部分は正直どうでもよかった。

  • オーディオブックで聴いた。本書はサントリー二代目社長佐治敬三と作家開高健との友情の物語でもある。また、鳥井信治郎から始まるサントリーの歴史や日本におけるウイスキーやビールの歴史を書いたものとも言える。登場する人物も豪華で、小林一三、松下幸之助やSBI社長の北尾吉孝の父親なども登場してくる。書いたのは、西郷隆盛や白洲二郎などのノンフィクション作品を世に送り出してきた北康利。面白くないはずがない。

  • サントリーの歴史がわかった。

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著者プロフィール

昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。
著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』『佐治敬三と開高健 最強のふたり』(以上、講談社)、『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)、『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』(WAC)、『胆斗の人 太田垣士郎―黒四(クロヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六―若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。

「2022年 『稲盛和夫伝 利他の心を永久に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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