おはなしして子ちゃん

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著者 : 藤野可織
  • 講談社 (2013年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186308

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おはなしして子ちゃんの感想・レビュー・書評

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  • 表紙の可愛い雰囲気とは違い、かなり不思議な話ばかりだった。芥川賞作家・藤野可織さん…私の勝手なイメージだけど、直木賞に比べて芥川賞に選ばれる作品は変わった話も多い印象。この作品を読んで、あ~芥川賞作家だなぁと納得。偏見っぽく思えたらすみません(^_^;)
    藤野さんの頭の中には、こんな不思議な世界が渦巻いているんだろうなぁ。面白い、けど不思議。

  • 「おはなしして子ちゃん」「ピエタとトランジ」「アイデンティティ」「今日の心霊」「美人は気合」「エイプリル・フール」「逃げろ!」「ホームパーティはこれから」「ハイパーリアリズム点描画派の挑戦」「ある遅読患者の手記」計10の短編もの。

    面白かった。「爪と目」も好きだけどこれもかなり好きかも。器用な作家さんだな~と幅広く色々と描ける人だな…と思う。こわいというか不気味というか…鳥肌が立った。出てくる小物がいちいちマニアックでいい味を出している。

    「ハイパーリアリズム点描画派の挑戦」は、ちょっと難しかったけど。ホラーのようなこわさではなくって、(おはなしして子ちゃんで例えると…⇒)子猿が子供、私が母親とかに置き換えると、緊密さが増し、急に濃く現れるこわさ…みたいな。

    グロい場面もあるし、えぐい部分もあって、やっぱり母娘関係ものとなると暗黒だな…と。あと思い込みを通り越した狂想ぶりもすさまじくて、笑えてしまいました。

    「アイデンティティ」が一番好き。「美人は気合」「逃げろ!」も良かった。(「美は気合」の方が良かったのでは?と思った。)「ある遅読症患者の手記」は中二くさいけど、そこがまた良い。

    藤野さん、マニアックでディープな知識をお持ちのようで好きです。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのLovelessが出てきたので吹き出してしまった。(私も昔持って聴いていた)

  • ホラーだホラーだと言われるけれど、これはホラーではなくて、むしろ寓話なのではないだろうか。と、私は思うのです。

    得体の知れない語り手と聞き手が入れ子的に睨み合う「おはなしして子ちゃん」にはじまり、
    書き手に拒絶される読み手が同時に読み手を拒絶する書き手でもあるという「ある遅読症患者の手記」で終わる短編集。
    どれも「語り手」が意識されているというか、その「視点」に意図や企みが込められている印象を受けた。
    「語り手」と「聞き手」の関係性を浮かび上がらせるようなこの小説たちは、きっと著者にとって一つの区切りとするに相応しい作品なのだろうな、と、勝手に思ったりしてみた。

    『爪と目』も『パトロネ』も『いやしい鳥』もそうだけど、藤野さんの書く小説はどれも、さて一体、これは誰が誰に向けて語る「おはなし」なのだろう、と、現れる一人称の姿形を思い描くのが何よりの楽しみだと思う。
    「誰が何処から見ているのか」がよく分からないからこんなに気味が悪いのだろう。それは、ある意味ホラーだ。

    カバーの下まで猟奇的だった。

  • これは、独特の世界観だ。不気味で不思議。


    予想外の着地点。嫌いじゃないんだなぁ。

  • 「おはなしして子ちゃん」「逃げろ!」が怖かった。「おはなしして子ちゃん」は怪談的怖さ。「逃げろ!」は新しい解釈、というか、整合性があるようでない論理が怖い。誰にでも起こりうることではないけれど誰にでも巻き込まれる可能性はあるんだなあ。
    一番好きだったのは「美人は気合」。完全にイメージ先行的な作品に思えたんだけど、もぞもぞしている指がずーっと自分に付きまとってきそう。

  • スゴイ!!なんかとんでもない作品を読んでしまった!!この感覚なんだろう?!めちゃくちゃ怖くて不気味でグロいのにドンドン読んでいってしまう面白い作品☆藤野可織さんは芥川賞受賞、フラウ文芸大賞を受賞されていたので気になってました!10編の短編集。装丁の可愛さと内容のギャップもいいです!気持ち悪くて怖いのにオシャレで幻想的な感じもして不思議。また藤野さん作品を読みたいなと思ってしまうクセになる感じ♪どのお話もインパクトあります!とても独特のセンスで読む人を選ぶ作品だと思いますがハマる人にはハマりそう(´▽`*)私が気に入ったのは『ピエタとトランジ』『逃げろ!』『ホームパーティーはこれから』『ハイパーリアリズム点描画派の挑戦』『ある遅読症患者の手記』です!あと『おはなしして子ちゃん』『アイデンティティ』も印象に残りました!本当に苦手な人には苦手な作品だと思いますが何故か惹きつけられる作品でした★

  • 読んでよかった。
    リリカルで残酷で美しくて独特。すごい才能だと思う。
    理科室のホルマリン漬け標本とか、真面目な子いじめとか、偽物の人魚のミイラとか、新婚の新居に無遠慮に上がり込む夫の友人とか、心霊写真とか、どっかで見たり聞いたり体験したことを、ここまで昇華させられるとは。ファンタジーでありながらリアル。
    先日辻村深月の『鍵のない夢を見る』を読んだけど、あれはあくまで地に足がついた、(上手いけど)いかにもありそうな話だったが、これもネタ元は同じく普通に見聞きすることだが、描いてるものは全然違う。
    一般受けするのは辻村だと思うが、私は断然こっちが好き。
    もう一度読みたい。

  • 2014.02.小学校のホルマリン漬けの猿がお話しをねだる話,ある女子高生の回りに次々と事件が起こる話,猿と鮭をくっ付けて人魚が作られる話,ある人が写真を取ると必ず心霊写真が写る話,漂流する壊れた宇宙船の話,1日一回限定で嘘をつかないと死んでしまうエイプリルフールの話,逃げろと頭の中に声が聞こえてくる通り魔の話,ホームパーティーの準備をする神経症のような新妻の話,10年以内に死んでしまう点描画の話,本が生きている世界の遅読症患者の話からなる短編集.すべてめちゃくちゃな話で,しかも面白くもない.

  • じわコワな話から不思議な話まであり、さまざまなタイプが一冊にぎゅっと凝縮された短編集。
    じつは私、ホラーは大の苦手なのだが、この方の書くお話はさらりと読め、じわじわと来る怖さもへっちゃら。
    多分、随所にみせるおかしみのおかげなのだろう。
    藤野ワールドを充分に堪能させて頂きました。

  •  ご存知、芥川賞を獲りたての作家・藤野可織がもたらす芥川賞作家らしからぬ大衆的なホラー短編集である。

     日常生活の中から拾ってきた、ちょっと興味深いことがらを、徹底した好奇心で突き詰めてみるとこんな身近な短いお話が沢山できあがるのかな。そんな印象の物語でいっぱいの、少し怖いような、でも見ないと気がすまないようなおもちゃ箱。10本の短編小説である。

     押入れの暗がりに長くしまわれている、とても気になるけれど、見ようか見まいか、とっても迷いながら、それでもいつも気にかけている宝箱。そんな危険で緊張感のある一冊。怖いもの見たさで読んでしまうそれぞれの奇妙なお話。

     表題作の『おはなしして子ちゃん』理科室の実験室にあるホルマリン浸けになった気持ちの悪いものに対する子供の感性などは、まだわかりやすい方か。

     猿の上半身と鮭の下半身をそれぞれ干してくっつけて「人魚のミイラ」を作っていた日本の昔の仕事などもこんな風に語られると少し怖い『アイデンティティ』。

     心霊写真が取れてしまう人の日常を喜劇的に描いた『今日の心霊』。毎日ひとつだけ嘘をつかないと死んでしまうという病気の『エイプリル・フール』。他、難解さを楽しむべきなのか、『ハイパーリアリズム点描画派の挑戦』などなど、他にない個性を売りにした一冊である。

     日常生活に疲れた人に、少し脳みそだけでも脱線してみませんかとでも言いながら、お勧めしたい本である。

     実は講談社のモニターでもらった仮装丁本(プルーフ本とか呼ぶらしい)で、ぼくは一ヶ月前に読んでしまっていたのだけど。

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おはなしして子ちゃんの作品紹介

ピエタのクラスに黒髪の転校生トランジがやって来た。「私の近くにいるとみんなろくな目に遭わない」というトランジの言葉を裏付けるように、学校で次々に殺人や事故が起きて……!?(「ピエタとトランジ」)
猿と鮭の死骸をくっつけて人魚を作る工場で、なぜか助六が作る商品には人魚としての自覚が足りない。人魚になりきれぬまま、「それ」は船に積まれ異国へと旅立ったが――(「アイデンティティ」)
14歳の夏、高熱を出した少女エイプリルは、後遺症で一日に一回嘘をつかなければ死んでしまう体になってしまった。美人のエイプリルを守るため、町の人々は様々な犠牲を払うが……(「エイプリル・フール」)
ブラックで残酷、不気味で怖いけれど、ファンタジックでキュートな10篇の作品たち。新しい才能が迸るポップ&ダークな短篇集です。

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