おはなしして子ちゃん

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 592
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186308

感想・レビュー・書評

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  • 純文学にも関わらずホラーのような、少しの怖さがあるというのは藤野さんならではだし、その世界観が私は好きです。

    個人的には
    おはなしして子ちゃん
    アイデンティティ
    ホームパーティーはこれから
    が好きでした。

    後、装丁が可愛い。

  • 全くもって好きな分野ではない。なのに満足感たっぷりで読了。いやしい鳥はギブアップしてしまったのに懲りずに挑戦して良かった。アイデンティティーがズキュンときた。

  • 初の作家さん。
    短編集。

    「爪と目」のお人だと気付かず読み始めた。

    「なんつー天才!」と思いつつ読む。
    気持ち悪くて気持ちいい。
    「ピエタとトランジ」が好き。

  • 私何でこの本を図書館に予約したんだっけ?と自分のリサーチ能力に疑いを抱いてしまうような、シュールで不気味な内容だった。
    それぞれの短編はおとぎ話のように優しげな文体だけど、描かれた内容をビジュアル化するとホラー。
    寺山修司の童話をホラーテイストにした感じ…かな?
    読後は表紙のイラストが禍々しく見える。

  • 表題作はホルマリン漬けにされた猿が迫ってくる話なのだが、主人公が肝がすわっているせいで、単なる「きゃあきゃあ」仕様のホラーにはなっていない。他にも周囲で次々に死人が出る転校生と親交を深めていく女子高生や、生きている人間はピンボケばかりで死者ばかりがはっきり写る先天的な(?)心霊写真家、読むペースが遅いせいで本を死なせてしまう遅読症患者など、日常からねじれてはみ出た人物がぞろぞろ出てくる。
    この作者の本は『いやしい鳥』についで2冊目なのだが、相変わらずいや~な話を書く作家さんだなあと思う。しかし生理的嫌悪感をいだきそうなものばかりなのに、どこかおかしみを感じられるから不思議だ。

  • 藤野可織さん初読み。ゾワゾワっとくる軽いホラーとシュールなお話が10編。いきなりの表題作『おはなしして子ちゃん』でビックリ。おはなしして子ちゃんの迫力が強烈だったな~。他には『ピエタとトランジ』『今日の心霊』は印象的。でもうーん。。。。全体的にちょっと置いて行かれた感があったかな^^;

  • 「爪と目」芥川賞受賞後第1作、だそうだ。爪と目がまだ予約いっぱいなのに、これがすんなり借りれるなんて。一瞬目を疑ってしまった。10編の短編集。結構面白かった。意味が分からないのもあったけど。小川洋子にちょっと似てる。推理小説が好きなのはオチがちゃんとあるからだと思った。猿と鮭の干物をくっつけて、人魚にしていた話や周りの人がみんな死んじゃう女の子の話、頭のおかしい人間が彼女を襲ってしまう話、などなど。最後の『ある遅読症患者の手記』のラストはすごかった。そんな世界、私も生きられない。爪と目を読むのが楽しみだ。

  • 何ともシュールな短編集。ホラーとしても読めますが、でもどこかしら愛らしさも感じられます。それぞれの物語のタイトルも印象的で、秀逸かも。
    お気に入りは「ピエタとトランジ」。二人の少女のポップな青春物語。起こっていることはとんでもなく物騒で禍々しいのに、どこまでも爽やかで明るい雰囲気がミスマッチながらも絶妙。

  • 終わってしまうのがもったいなくて、丁寧に読んだ。
    この人のブログも覗いてみたけど、かなり変わった人で面白い。

  • これは大満足な短編集でした。芥川賞受賞された爪と目を読んで藤野さんの作品を好きになったのですが、新作の気持ち悪くへんてこなホラー短編たちもものすごく面白いの。それも全部の作品が面白いから困った。これはまた読みたくなるだろうから手元に残しておきたい一冊。
    なかでも好きだったのは表題作のおはなしして子ちゃん、不思議な魅力あるピエタとトランジ、猿と鮭をくっつけてつくる人魚の話のアイデンティティ、一日に一回嘘をつかなければ死んでしまう体になった美女のエイプリルの物語であるエイプリル・フール、かな。

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著者プロフィール

藤野可織(ふじの・かおり)
1980年京都府生まれ。2006年「いやしい鳥」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2013年「爪と目」で芥川龍之介賞、2014年『おはなしして子ちゃん』でフラウ文芸大賞を受賞。著書に『ファイナルガール』『ドレス』『ピエタとトランジ』『私は幽霊を見ない』など。

「2022年 『青木きららのちょっとした冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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