- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062186360
感想・レビュー・書評
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初読みの作家でしたけど、凄く面白かった!
こんな業の深い弁護士像をよくまあ作りましたねぇ。実際にはあり得ない設定でしかもみんな繋がっていましたか!
どんでん返しの帝王とも言われる作者、ほかの作品も是非とも読みたいものです♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
御子柴シリーズ第2弾。衝撃の前作から2か月。退院して、すぐさま夫を殺してしまった妻を弁護することにした御子柴。高額の弁護料が払われる訳でもなく、世間の注目を浴びている訳でもなく、何故、御子柴がこの事件の弁護を引き受けたのかが大きな鍵になる。法廷もので、専門用語も多いが、ストーリーの構成が上手いのか、非常に読みやすい。そして、一転、二転する展開に中毒性が出てくる。法廷を追われるようにして終わったラストから、御子柴がどうなったのか、新作が非常に楽しみ。
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面白くて一気読み。
高額報酬でしか動かない"悪辣弁護士"の御子柴は、なぜこの事件に手を出したのか?
単純に思えた事件が、二転三転していく。
ハイレベルな応酬の法廷シーンから、目が離せない。
健気な倫子が愛らしく、御子柴が珍しく振り回される姿も、おかしかった。
途中で真相が見えてくるが、それでもなお、最後までひきつけられるものがあった。
オチの驚き、というミステリとしての魅力だけでなく、人間性を描いているからだと思う。
前作を踏まえた続編なので、『贖罪の奏鳴曲』を先に読むべき。-
KOROPPYさんのレビューによると、前作以上に面白そう。『贖罪の奏鳴曲』を読み終わったばかり、『追憶・・・』もさっそく!KOROPPYさんのレビューによると、前作以上に面白そう。『贖罪の奏鳴曲』を読み終わったばかり、『追憶・・・』もさっそく!2014/03/14
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2014/03/14
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御子柴礼司シリーズ、2作目。
1作目よりもギアを何段階も入れられて、読むことを止めることが出来なかった。
読んでいる端々で突き刺さってくる展開に、圧倒された。 -
このシリーズ本当に暗いのね…ある程度予想はついたが、最後のどんでん返しにはすごく驚き納得。シリーズ通して償いがテーマなのかな
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前作「贖罪のソナタ」を上回るおもしろさだった。
法廷シーンも読みごたえたっぷり。何と検事は「ドビュッシー」「ラフマニノフ」に登場する岬洋介の父!!
御子柴礼司は、自分の犯した罪を贖うことで生きている。決して赦されないことはわかっているが、それが鬼畜から人間に戻れる唯一の道だと信じて。
りんこちゃんの存在は救いだった。いつか御子柴と再会する日が来るような気がする。 -
残虐な殺人を犯した少年犯罪の過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
凄腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する悪辣弁護士だ。
夫殺しの容疑で、懲役十六年の判決を受けた亜希子の弁護を、
前任の弁護士を引きずり降ろしてまでも引き受ける。
御子柴は何故、裕福でもない亜希子の弁護をしたいのかーー?
生活能力がない夫を殺した妻・亜希子。
本人も罪を認め、殺害後遺体を脱衣所にブルーシートの上に置き、
浴室を掃除している所を義父に発見されるという、誰の目にも
事件の真相は明白で、一審で懲役十六年の判決を受けている。
世間も注目していない事件を、高額な報酬も無しで
どうして、無理矢理引き受けたのか…?
亜希子も見るからに切れ者の御子柴を警戒しているのは何故か…?
不俱戴天の敵の岬検事との法廷での対決シーンや
駆け引きは、とても緊迫感がありドキドキしました。
二転三転し、事件は思わぬ方向に、次々と明らかになる事実。
途中から、もしかして犯人は…と、想像はしましたが、
まさか、こんな結末とは…。
どんでん返しに次ぐどんでん返し。想像を遥かに超えていました。
自分の過去を衆人観衆の前で晒し、未来を捨て弁護した
御子柴の姿は、それまで冷酷なイメージだったから、
嬉しかったし、凄いって思った。
『償い』・『贖罪』・『贖い』…深く考えさせられました。
シリーズで、前作があるのを知らなかった。
前作から読むと、もっと感情移入出来たんじゃないかと、残念です。 -
作者の作風を「露悪的社会派ミステリー」と名付けたミステリ評論家がいるそうだ。なるほど、うまいこと言うなあ。「切り裂きジャック」とか「カエル男」とか本作もその系列。こういうのが嫌いな人も結構いるだろうが、私はOK。楽しんで読んだ。
いわゆる「イヤミス」とは違うと思う。一見社会派的な題材や、「人の心の闇」的なものも、ここではエンターテインメントとして消化されていて、読後感が重くない。心の負担にならない感じだ。野次馬根性や下世話な好奇心をやたら深刻な雰囲気でくるみ、いかにも「人間」を描いたような顔をしているミステリは苦手。うまく言えないが、どこか軽さがあるのがいい。
本筋にあまり関係ない場面があったり、全体にちょっと違和感があったのだが、これは「贖罪の奏鳴曲」に続く作品だということを読後に知った。そうだったのか。しかも「贖罪~」には、お気に入りのキャラクターである古手川がでてくるとか。これは読まなくちゃ。
これまた今更だが、作者がいいトシの男性であることを知って驚いた。どういうわけか、若い女性だと思ってた。いや、別に根拠はないんだけど。だからどうだってもんでもないんだけど。 -
まずは、中山七里氏の文庫最新刊「いつまでもショパン」の帯に私のレビューを掲載してくれたブクログと宝島社に感謝。
サイン本はまだ届いておりませんが、とりあえずお礼を述べておきます。
さて、この最新作。
作品の冒頭からおどろおどろしい描写で始まるが、それは過去の記憶。
弁護士御子柴礼司が、身勝手な女の男殺しの第二審の弁護を買って出るという内容。
被告人の自白からは、一審の求刑を覆すに至る新たな事実が見つかるようには思えないのだが。
御子柴が敢えて弁護しようとしたその意図は?
弁護に勝利する可能性はあるのか?
淡々と進む裁判の中で、御子柴自身の過去をも絡めた驚くべき事実が最後に明らかになる。
なかなかに面白い作品だった。
冒頭の残虐シーンを読んだ時には、あまりの地生臭さに辟易したが、そういうシーンはその場面だけ。
タイトルからは、彼お得意の音楽ものかとも思っていたのだが、しっかりとした法廷ものだった。
私のあまり好まない中山七里氏独特の時代がかった台詞や言い回しも殆どなかったし、文章の腕をあげたなあ、と思える作品だった。
彼の今後が楽しみになって来た。