わっさんさんの感想
2014年1月13日
予想していた欧州での終戦工作は描かれなかった。シリーズとしてのストーリーは前作で終了、今作は総出演者によるカーテンコール的雰囲気。 前作からの謎・カナリス提督の生存説は、別作「バックストリート」のエピソードへとつながるサービス付き(著者あとがきによると、著者のカナリス提督に対する思い入れによる完全な創作らしい)。 「イベリアの雷鳴」から16年。よく書き続けられ、読み続けたな。
逢坂剛 一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。 「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」