赤ヘル1975

著者 :
  • 講談社
4.03
  • (100)
  • (147)
  • (58)
  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 742
感想 : 119
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187046

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長い 初めは良かったけど 原爆の話とカープの話がいまいち絡んでない

  • さすが重松、やるなぁ、脱帽の1冊でした。

    カープ初優勝が原爆投下から丁度30周年だったことは、この小説読むまで全くつながってなかった。親父が出張で広島に行ってカープの帽子を買ってきてくれて、野球の事なんてよく分かってなかった俺はその帽子をかぶって遊びに出たら、色んなヤツに「赤ヘルやって」とイジられたのを覚えている。

    その翌年、図書館カウンター奥にあった「はだしのゲン」を偶然読んでしまいド衝撃を受けて、人が溶ける悪夢や死の灰が降る悪夢をみまくる。

    左翼がかったうちの小学校の修学旅行は岡山広島で、原爆資料館を見てまたしても衝撃を受ける。帰りの新幹線で電車内に口裂け女が出没したと同級生らが騒いでいたが「そんなん原爆に比べたらちっとも怖ないわ」と会話にも加われなかった。

    ヨソモンの俺ら、どんなに衝撃を受けても所詮はヨソモンである。広島の人にとってヨソモンに入ってきて欲しくない部分は大いにあったんだろうし、カープへの偏愛も関西の野球ファンとは全く違う何か特別なものがあったんだろうと思う。

    なんというか、ウチワとヨソモンとか、仲間の良さと馴れ合いの悪さとか、正義の怪しさとか、そういう機微がほんま上手い事描いてあって、こういう微妙な間合いでむず痒くさせるのは、実に重松的だなぁと読み終わった後に思うのだった。

    得てして「ヨソモン」であることを忘れがちの俺、でも「ヨソモン」であることを自覚し、触れたらアカンとこはできるだけさわらないようにするので、エラい人たちや神様や仏様、どうか1日も早く東北を福島をなんとかしてあげて下さい。

  • いや、良かった。今年読んだ小説で1番良かった。とにかく広島が好きな人、そしてカープファン、いやカープファンに限らずプロ野球ファンは今すぐ手に取るべき1冊。
    1975年広島カープ初優勝までの半年を、東京から夜逃げ同然で広島に来た少年と、広島で生まれ育った少年2人の友情と原爆投下からちょうど30年の広島の街ともに描く物語。シーズンの最初から優勝まで、とにかく事細かくセリーグやカープの戦いの様子が描かれていて、途中までノンフィクションの作品なのかと錯覚してしまった。かれこれ10年弱千葉ロッテマリーンズを応援しているぼくでも、現在首位なのも重なって、なんかカープも応援してしまいそうになった。

  • 1975年カープ優勝の軌跡を描いた物語であり、少年たちの友情の物語であり、戦争や原爆について描いた物語でもあり。わたしは虎のお膝元に住みながらも根っからのカープファンなので、すごく楽しめた。そして泣いた。
    カープはまさに広島と共に歩んできた球団なんだなぁ。当時の広島の「カープファンでなければ人にあらず」的な風潮とフリーダム過ぎるファンのおっさんたちが予想以上で笑ってしまった。暴徒と化したファンが巨人の選手にサイダー瓶投げ込んでリーグ脱退の危機に瀕したとき真犯人の身代わりになって警察に出頭したという2人にノーベル平和賞をあげたい。
    あのラストは次にカープが優勝した年、大人になったヤス、ユキオ、マナブが再会する「赤ヘル20××」への布石だと信じて疑いません!
    カープファンと広島を愛する人にぜひオススメしたい。

  • 最高でした

  • メジャーな作家がカープ(と原爆)をしっかり題材にとりあげてくれたことに。

  • いつもの重松さんらしい、少年たちの友情物語と思いきや、少年半分×カープ半分というくらい、カープ記事も満載。戦争の話もからみ、テーマが多すぎるという気もするけれど。野球に詳しくない私には、カープの快進撃は読みやすいとは言えず、流し読みしちゃったところもあったけど。そんな私のために、ぜひともドラマ化を希望。絶対、泣けちゃうなぁ。

  • 個人的に野球には全く興味ないんですが、そんな俺にも全く不都合はありませんでした。戦争を知らない世代ではありますが、だからこそ読んでおくべき1冊だと思いました。

  • 【選んだ理由】
    カープの初優勝関連の本で読み物として面白そうだったから。

    【読んだ感想】
    量はあるが面白かった!転校を何回かしたことある人ならもっと感情移入できたと思う。
    イーグルスの初優勝もこんな感じで、物語になる日がくると思った。伊坂幸太郎とか書いて欲しい。

  • 【赤ヘル 1975】 重松清さん

    ヤマっ気のある父の事業が失敗する度に、夜逃げ同然に住んでいた町を後にするマナブ。もう転校は慣れている。今度来た町、広島にもいつまでいるか分からない。
    マナブが転校して来た年は1975年。広島カープのヘルメットのデザインが赤に変わり、赤ヘル軍団と呼ばれ怒濤の快進撃を続ける事になった年だ。戦争(原爆)の傷跡を色濃く残すその地でマナブはヤス、ユキオと出会った。転校生のマナブは今までの経験から友だちや友情というものに期待していなかった。しかし、カープの進撃とともに二人との友情を深めて行く。カープの優勝が現実味を帯びてきた頃、マナブの父の事業がマルチ商法として問題となる。



    先の「ファミレス」はあまり期待に応えてくれませんでしたが、この本は良かったです。。マナブの父勝征に連れられてきた広島。ヤス、ユキオとの友情を感じるも、転校生のマナブにはどうしても越えられない壁がある。それは広島で生まれ育った者しかわからない、原爆と、それに苦しむ人々の気持ちだ。そして、勝征はヤスの母をもマルチ商法の被害に巻き込んでしまう。。マナブの孤独感や淋しさ、哀しさがヒシヒシと伝わってきます。。「去る者は日日に疎し」という言葉は何も亡くなった人にだけ当てはまる言葉ではありません。遠く離れ縁遠くなった人にも使います。。この本を読んでこの言葉を思い出しました。

全119件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
百田 尚樹
三浦 しをん
池井戸 潤
重松 清
池井戸 潤
落合博満
冲方 丁
池井戸 潤
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×