日銀はいつからスーパーマンになったのか

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著者 : 北野一
  • 講談社 (2014年2月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188166

日銀はいつからスーパーマンになったのかの感想・レビュー・書評

  • 請求記号:338.3/Kit
    資料ID:50075544
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 前著『デフレの真犯人-脱ROE[株主資本利益率]革命で甦る日本』(講談社:2013)にて、きわめておもしろい議論を展開していた株式ストラテジストによる新著です。

    本書前半は、昨年からもてはやされている"アベノミクス効果"の実態を、株式ストラテジストの視点(たとえば「曲がり屋」という切り口)から見直すという内容。後半は、日本の労働組合や「日本的経営」の長所・短所を改めて評価し、「保守」という言葉をもとに、著者の持論を展開するという流れになっています。

    わたしがまず注目したのは、著者の方法論を端的にまとめているP.30の記述でした。当たり前のことのようですが、実際に世の中で行われる議論の多くは、この方法論からは外れているように思います。

    "「今」を理解するためには、以上の縦、横、斜めから、「今」を理解する仮説を帰納的に構築し、その仮説から演繹的に議論を展開しなければならない。多様な観察から帰納的に仮説を構築することによって独りよがりではない独創性が生まれ、その仮説から演繹的に論ずることでぶれない一貫性が生まれる。そして、仮説の有効性は、再び、「今」という現実によって検証されていく"

    そして著者が本書後半で述べている主張については、わたし個人としても全面的に同意できるものです。

    "経済学者の書いた本や論文を読んでいると、こうした転職の経験がないせいであろう、スキルさえあれば、簡単に転職できるかのように、運転免許証があれば車の運転ができるかのように、あまりにもサラッと書かれているのが気になる"(P.102)

    社会を覆っているような「変えなくてはならない!」というサムスン的なスローガンには、なんだか強迫性障害的なものを感じます。著者の提案は非現実的に映る部分もありますが、実は非常にモデレイトされた、地に足のついた考えのように思います。

    ただ、立場に同意できるとはいっても、本書の内容そのものはいささか期待ハズレの感が否めません。過剰に期待していたこちらの問題でもありますが、前著のような「目からウロコ」の楽しさはありませんでした。議論の舞台がやや経済から政治に寄っているためか、議論のキレが鈍っているような感じです。

    (2014/3/24)

  • 相変わらずの切れ味。日本経済にいま何が起こっているのか、あらゆるノイズを取り払って本当の姿を見つめなおす。保守再生、労働組合強化、など示唆に富む。こわいのは「アベノミクスで景気回復」を鵜呑みにして思考停止に陥ってしまうこと。自分の頭で考え続けなければ。

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日銀はいつからスーパーマンになったのかの作品紹介

水戸黄門でもスーパーマンでも、普段は冴えない一般人が超人に変身し、悪者を退治する。「アベノミクス」というのは、まさにこれにハマった格好だ。「悪いのは日銀だ」とわかりやすく敵を見つけ出す。必殺技は「三本の矢」。
経済政策の現場でもこうした「超人バイアス」が認められる。しかし、権力者にそういう力はあるのだろうか。熟柿が勝手に落ちたのを、あたかも「自分が木をゆすったからだ」と言う人間の言葉をそのまま伝える必要はない。それを、「すごいですねー」と持ち上げてばかりいると、今度は、私たちが「落ちた柿の実を枝につけろ」と、無理を期待するようになる。 世界経済の流れを見ることなしに日本だけを見ているなら、「株高も円安もアベノミクスのおかげ」という話になってしまう。
絶望した大衆が生む「政府日銀超人伝説」の正体と、日本が真の意味で浮上するために必要なことは何か、日本を代表するトップストラテジストが説く!

日銀はいつからスーパーマンになったのかはこんな本です

日銀はいつからスーパーマンになったのかのKindle版

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