- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062191340
作品紹介・あらすじ
僕たちは、あの夏から出られない――。
人生を賭けた少年たちの計画が、変わりゆく街と許されざる罪に鉄槌を下す。
少年たちのひと夏。青春と断罪のミステリー!
『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞。
東野圭吾氏、桐野夏生氏、今野敏氏らの絶賛を受け、華々しくデビューした
若き乱歩賞作家、感涙必至! 魂の受賞第一作!!
「レミングは自殺しない。集団で移動して、海や川を渡るんだ。必死で……新天地に向かうために」
計画の先に辿り着く。必ず、全員で――。
誰の心にもある、中学時代の甘く、苦く、切ない思い出。
80年代生まれの新鋭が綴るどこか懐かしい筆致が、あなたの心の奥をノックします。
感想・レビュー・書評
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読みはじめてからしばらく、なかなか本筋がみえてこなくてこんなに引っ張らなくてもいいのにと思いながらも彼らが何をしたいのか気になり、その時点でもうこの本に引き込まれてしまっていました。
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03月-03。3.5点。
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まぁ楽しめた。 2017.7.12
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竹吉優輔さんが,出身地である茨城県取手市をモデルに書いた,少年少女の物語。
この小説が映画化されるってんで,竹吉さんのトークショーをやったり,地元エキストラを募集したり,市が全面協力して盛り上げていこうというのを感じています。
主人公アキラは,私立の中高一貫校,城戸学園の生徒である。中学二年になった夏,小学校の頃から幼なじみのナギが,アキラ,モトオ,ヨーコ,ミトと,ある行動を起こす。
小学二年生のときのことが,この仲間たちに影を落としていて……。
小説の中に取手市内のモデルになったであろうところがたくさん出てきて,ニヤニヤしながら読みました。
この事件の起きるきっかけとなった出来事が通奏低音のように全編を通して響いていて,どっしりと何かが占めているような重みを感じながら読んでいました。重いし,悲しい。 -
2014年時点で18歳の少年少女たちを主人公としているが言葉遣いが古い。"ナツい"とか"ワンギリ"なんてこの世代は使ってないと思うんだけど……。作者が1980年生まれなので自分の感覚で台詞を書いちゃってるのかな?違和感しかない。事件そのものも徐々に明らかになっていくけれど、そこまでの犯行動機になるのかな?と思う。なんとなくノリがライトノベルっぽいと言うか、中二病というか……個人的にはあまり好みではなくてだいぶ斜め読み。最終章はまあまあよかったので★3。
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2014年の乱歩賞作家の、受賞後第一作にあたる青春ミステリ。
実行の様が描かれるのと平行して、その目的や動機が明かされていく少年たちの犯罪計画は、構成自体丁寧なものの、答えを小出しにするがゆえ、インパクトに欠ける。
また、中学生がひと夏に人生をかけた、と銘打つには疾走感も足りなかったと思う。
あらすじ自体は取っつきやすいので、今後に期待。
2+ -
高校三年生の主人公が、中学二年生の時に幼馴染み達と大きな「戦争」を起こしたという。一体何をしたのか、そしてその動機は何か、読者は過去を遡っていきます。
序盤は現在と過去が頻繁に入れ替わり苦戦しましたが、色んなことが分かり始めてからは次第に引き込まれました。
真相は刑法の在り方を考えさせられるもので意外な着地でしたが、ここまで計画を壮大にする必要はないですし、起点となった事件が小学二年生というのも若干無理があるような気がして、いまいち納得出来ませんでした。 -
第59回江戸川乱歩賞受賞後第1作。「襲名犯」が面白かったのに読み忘れていました。大切な人を奪われた少年/少女達の復讐を描いた青春ミステリで、復讐というテーマにもかかわらずさわやかなまとめ方が見事です。前作とは全く異なる切り口も、引き出しの多さを感じさせます。
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6年前の事件に端を発する、中学生たちが起こした誘拐事件。固い絆で結ばれた仲間たちの青春譚。読後感のいい作品に仕上がっている。
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終盤まで事件の背景や心情の全貌を、ヒントを出しながら焦らしていく手腕は東野圭吾並み。
中学生の誘拐事件だが、幼い感じはなく、かといって大人過ぎない。
甘く不器用ながらも、初めて訪れた自分の力ではどうしようもない出来事に立ち向かっていく、一生懸命な姿に好感が持てた。
不安定な心情を忠実に再現したからこそ、ラストまで決断が出来なかったのだと思う。
次の作品にも期待が持てる。