- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062193238
作品紹介・あらすじ
成田鉄男は、土矢小学校に通っている小学六年生。でも、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学するはずが、瀬谷中学校に通うことになってしまった。
瀬谷中には、小学生のときから仲の悪かったやつらのいる南谷小学校をはじめ、ほかの小学校から入ってくる生徒ばかり。知っている子はだーれもいないなか、中学生になってしまった鉄男は、南谷小出身の後藤に目をつけられたり、いっしょの洋装店で制服の採寸をした杏里が気になってみたりしながら、へたれなりに自分の立ち位置を探りはじめたのだった――。
感想・レビュー・書評
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小学6年生にお勧めの本を探して出会った1冊。「なりたて中学生 中級編、上級編」の三部作の1冊目です。
6年生児童にもお勧め、親にもお勧めです。
舞台は関西(たぶん大阪)で、鉄男の一人称語りも、登場人物たちの会話も関西弁でポンポン進む、全体的に軽妙で読みやすくて楽しい。
成田は不安でもいじけてしまうことがあっても一人ボケツッコミなので、思春期の深刻な悩みであっても、まあくよくよ考えてもしょうがないというような前向きさも感じる。
隣の学区に引っ越した、というところが微妙で、全く知らない環境というわけでもない、隣だから小学校時代はお互いライバルだった別の小学校の生徒たちのなかに一人で突っ込まれてしまったという心境。
他の生徒たちもそれぞれ中学校生活を始めている。
小学校で仲良かった菱田や小谷もそれなりにスタートを切り、今後自分はどうやって立ち回っていこうかなんて考えたりする。
小学校同士で揉めていた瀬谷小学校出身の後藤は、鉄男がいるのでちょっとびっくりしつつ、まあ中学校では小学校同士の諍い引きずってもなあと適度な距離を保ったクラスメートになりそう。
たまたま知り合った女子二人組のアンリとツグミは、微妙な立ち位置にいる鉄男を丁度いいからかい相手と見定めたようす。
最初はみんな、小学校とは違う学校生活に戸惑いを覚えることもある。
生徒手帳が配られたときには自立の第一歩みたいでちょっと緊張した。
新しく始まる教科も色々ある。数学って算数とどう違うんだろう?技術・家庭科?美術?
鉄男も、小学校の行事にはもう参加できないんだなって思ったり、だから最後にランドセルを背負ってみたり、まだまだなりたて中学生でゆっくり進んでいこって思ったらなんだか楽しくなってきた。
出てくる大人である両親や先生や近所の人たちも鉄男たちのことを子供ではない、でもまだ思春期というほどでもない、ヤングアダルトとして扱ってくれる。
ボケツッコミでノリの良い母ちゃんの言葉もよい。
<中学生になったら、どんどん大きくなって、親にも腹が立つことがぎょうさん出てくる。先生や学校にも不満がでてくる。その不満は、正しい時も、間違っているときもある。けど心がざわついて、イライラしてくるのは、それでええ。
それでええ言うても、私は私が納得行かない時は、これまでどおりテツオを扱う。ただし、だんだん子供扱いをしないようになるから、今までより厳しくなるし、尊重もする。先生方もそうやろうと思う。みんな、中学時代を経験しているからな。P120>詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小学校卒業近く、引っ越しをしたせいで友だちと違う中学校に通うことになってしまった男の子の話。鉄男と同じ立場だったら心細さすごいんだろうなあ。ゆっくりペースでしたが、心理描写が丁寧でよかったと思う。新中学1年生におすすめです。おもしろかった。最初は気にしてなかったけど、何気に学校の名前もおもしろいです。
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面白かった。が、少し散逸した印象も受ける。前半は、主人公の成田哲夫が小学校を卒業していくまで。後半は、新しい中学で一から始まる生活を描く。
哲夫の独白が面白く、ちょっとボーっとしたキャラが憎めない。
仲良し三人組のひっしゃん、こったんと離れ離れになってしまう悲しさ。お互いに変わっていくこと。新しい学校での自分の立ち位置。初めて知り合いになった女の子のこと。(といって別に甘い展開ではない。)
中学生活の最初の描写は、自分の中学や高校の頃を思い出し、分かる分かると思いながらなぞった。
席順で名前を覚え、顔と名前を覚えた人に○をつけていくところなど面白い。
後藤君がとても気になっているけれど、そのうち友だちになれるのかな。
なんだかんだ、クラスでそこそこ目立っているくせに、結局初級編では友だちは一人も出来ていないところがウケた。出来んのかい! -
「成田鉄男は、土矢小学校に通っている小学六年生。でも、親が、いま住んでいるアパートから、ほんのちょっと離れたところに念願のマイホームを建てたものだから、小谷や菱田といっしょに土矢中学校に進学するはずが、瀬谷中学校に通うことになってしまった。
瀬谷中には、小学生のときから仲の悪かったやつらのいる南谷小学校をはじめ、ほかの小学校から入ってくる生徒ばかり。知っている子はだーれもいないなか、中学生になってしまった鉄男は、南谷小出身の後藤に目をつけられたり、いっしょの洋装店で制服の採寸をした杏里が気になってみたりしながら、へたれなりに自分の立ち位置を探りはじめたのだった――。」 -
中学生になった日を境に、主人公は敵の中学校に入学することになる。
敵の中学校でも、友達ができるが、小学校の頃の友達も忘れられない…そんなドタバタギャグコメディ -
中学生の頃が懐かしくなる~。
いま思えばなんともないけど、
色んな不安と戦ってたんだなあ。
関西弁でいきいきした感じ
がさらに伝わる! -
校長の式辞のあと、PTA会長や、政治家とかの祝辞が続いたけど、新しいパンツとシャツがまだ肌にちくちくして、ただただがまんして、話をスルーしていた。
ー成田
小学校卒業してから中学生になるまでのわくわくと不安な気持ちを鮮明に思い出した! -
テツオ...成田鉄男
引越しのため親友と別れ隣の学区の中学校に進学することになる
新しいクラスメイト、教師、授業、制服、先輩...
不安と戸惑いのなか中学校生活をスタートしたへたれテツオの
入学式から4日間を描く“鉄板”の少年小説、3部作の第1作 -
引っ越しの都合で、小学校からたった一人で超アウェイな感じで瀬谷中へ進学することになった成田鉄男くん。
小学生から中学生になるって、自動的なんだけど、気持ちはそうじゃないのよね。
でもみんな等身大?ないい子で読んでいてホッとする(笑)
彼らが「中学生」になってく感じが楽しみです。
やっぱり新中学1年生におすすめでしょう!
タイトルの「なりたて」がナリタテツオ=成田鉄男なのに後で気付いて笑った。
私は次も読みたい(笑) -
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