恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 241
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193320

作品紹介・あらすじ

「静かな夜には口笛を吹きたくなる奴がいるものです。口笛が聴こえる夜は、もうすでにいつもの夜とは違いますからね」

 四国と淡路島の境目にある〈恋路ヶ島サービスエリア〉。このサービスエリアの売り子になると、一年以内に恋人からプロポーズされるという伝説がある。そんな伝説を信じるでもなく信じている恋路ヶ島出身の理代子は、自宅アパートとバイト先のサービスエリアを往復する平凡な日常を送っていた。ある夜、謎の新入り清掃士マキノの「静かな夜です。気をつけて」という一言から、理代子は事件に巻き込まれていく。 死体を運ぶ兄弟、有名司会者と愛人、人類嫌悪団体〈ノア〉……。人生の小休止=サービスエリアに、その夜集まった“獣”たちが繰り広げるポップでちょっとシリアスな、長編ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • たった一夜に起こる壮大なストーリー。
    夜間のサービスエリアで働く主人公と清掃員、主人公の同僚、死体を埋めるためにやってきた兄弟、芸能人とその愛人の訳ありカップル、そして動物を運ぶ最中の男。絡み合う人間関係と展開に流石と唸ったが、若干強引に思えたのが残念。最後は主人公と清掃員の立場だけ見たら結構ロマンチックで、雰囲気はとても良かった。現実(観覧車の下で起こっている事)見たらカオスだけど(笑)

  • 架空のサービスエリア・恋路ヶ島で起きる一夜の出来事を描いた作品。サービスエリアに集まってくる人間模様を描いたのは、今まで読んだことがないと思って、手に取った1冊だったが…次々に人が死んだり、移動動物園の動物が逃げ出して、歩き回ったり、あまりにも非現実過ぎて、完全に理解不能…この作家自体、まだ読み始めと言うこともあり、私の理解力が足りなかっただけかもしれないけど、2016年最後の1冊かと思うと、完全に選択ミス。

  • そのサービスエリアの売り子のバイトを始めると、1年以内にプロポーズされる。
    そんな伝説がまことしやかにささやかれる、恋路ヶ島サービスエリアを舞台にした長い長い一夜の物語。
    結婚を目前に相手の男の浮気現場を目にした傷心のヒロインは、日常からかけ離れた夜に怒涛のように巻き込まれていくのです…。

    森晶麿さんの作品は好きなのですが、今回はいまいちぴんとこないまま読了したので☆2つ。
    現実離れした様々な出来事がどんな風に収束していくのか、ドキドキしながらページをめくり、クライマックスで「やられた!」とも思ったのです。
    でも、起承転結の「転」の部分が次々と襲い来る勢いについていくには私の体力がもたなかったようです…。

  • 小休止するサービスエリア。とある一夜、色々な人の決意と偶然が重なり、騒動が騒動を呼び、摩訶不思議な世界にでも紛れ込んでしまったような感覚でした。読み進めるうちに、何だかバタバタしてきて、どうなってしまうんだろうと思いましたが、最後は絡まりあった人間関係や騒動も、すべて解決されて、とてもきれにでした。
    マキノの視点に、読んでいてちぐはぐするなあと思っていましたが、まんまとだまされていました。
    マキノと理代子の関係も、どうなるのかはわかりませんが、良い方向に向かうといいなと思う。
    それにしても、この作家さんは、理屈っぽい男性を書くのがうまいなと思う。

  • 何となく取り止めの無い感じ
    ラスト数ページでかなり頑張っているけど
    連想し易いキャストやもって回ったストーリー

    星 新一さんのショートショートをただダラダラと長くして、面白くもシャレもキレも無い物語にしたみたい。

    この作家さんの中では、1番面白くない

  • 前半はなんか、感覚的になんか読みにくいなーって思った。なんとなく没頭出来ない感じ。後半になり登場人物が繋がり始めた辺りからは、結末が気になり、一気にスピードアップした感じ。ファンタジーなのかミステリーなのかよくわからないけれど、不思議な世界観の本だった。聞いたことも無い音楽を想像でBGMにして、どこかにありそうなサービスエリアの光景をイメージして、少し濃いめな設定の登場人物たちのやけに詩的な台詞が時々ポンポンって出てくる、少しわざとらしいその台詞の繰り替えしが途中から気になってみたり。

  •  恋路ヶ島サービスエリアの売り子として働いている理代子。恋人が浮気をしている現場に遭遇してしまった理代子が出勤した日、サービスエリアで騒動が巻き起こる。

     途中までどう収束するのだろうかとわくわく読んでいたら、なんだこのラストはという感じに。
     断章はだまされましたが、違っていてよかったと思いました。

  • 文庫化おめでとうございます。
    サイレンはサイレントを壊すサインとなる。
    一言でいえば魔法がかけられたような展開。最後あたり素敵すぎかと悶絶しました。
    どうしてこう、森晶麿さんの小説の男の人はミステリアスな人が多いんだ!!

  • 09/20/2016 読了。

    図書館から。

  • いくつもの思惑が入り乱れて、結局うまくまとまらなかった印象。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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