かわいい結婚

著者 :
  • 講談社
3.29
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本棚登録 : 745
感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194051

作品紹介・あらすじ

毎日毎日洗濯して、掃除して、ごはんを作る。それがゴールなら、わたしは誰とも恋なんかしない――。
地方在住・無気力主婦の孤独をコミカルに描く「かわいい結婚」、ある朝目覚めたら女になっていた男が遭遇する世界を描く「悪夢じゃなかった?」ほか、男と女と世界のギャップを可笑しくも痛切に描きだす、注目作家・山内マリコの新境地!
2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞、2012年、初の著書『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)で地方生まれ・在住女子の閉塞感と希望をリアルに描き、大きな共感と話題を集めた山内マリコの最新小説集。家事嫌いの専業主婦の日常や、男が女に変身するハプニングから見えてくる新たな世界をコミカルなタッチで描きながら、男女関係の「見えないルール」に対する痛烈な皮肉が伝わる快作!

感想・レビュー・書評

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  • 壊滅的に家事ができないひかりの生活を描いた「かわいい結婚」
    ある日女の体になってしまった男の話「悪夢じゃなかった?」
    双子のように仲のよかった二人のお嬢さんを描いた「お嬢さんたち気をつけて」

    どれも「あるある!」と思わせられる内容で、楽しく読めました。

    「かわいい結婚」では、ひかりの家事のできなさ具合には、ないわ~と思いつつも、主婦の生活に空しさを覚えるひかりに共感。

    「悪夢じゃなかった?」は、男と女の体が入れ替わるなんて、よくある設定なのだけど、女になった裕司の感じ方(買い物の楽しさ、男が女の体をいやらしい目で見る気持ち悪さなどなど)がリアリティたっぷりに書かれていておもしろかった。変身する前の裕司は、めっちゃ嫌な男だったのだけど、女の気持ちもよくわかるいい男になりました。

    「お嬢さんたち気をつけて」も、「こんなのあるある」って読みすすみました。ラストに救いがなかったけど、これも現実らしいということで。

  • 表題作より他2作が面白かったです。
    世の中や日常に溢れた違和感を物語にとっても上手に乗せているなと思いました。

    ある日突然女に生まれ変わった主人公の話は
    私でも気づかないくらい女でいれば当たり前のことを男目線で語られています。
    こうやって見ると女って暇だなー!でもやっぱ気楽だなー!と思ったり。
    主人公の散財っぷりと行動力の高さが読んでいてとっても気持ち良かったです。
    私のそれらも刺激されました。

    「お嬢さんたち気をつけて」
    一緒の環境にいた似たような2人が
    ある日片方が上京することになる話。
    東京は人を変えるよね。と思いきや
    ハイブランドと男で女の価値が決まる、みたいな考えは田舎の子こそ持つ考えだったり??
    この話はストーリー設定がとってもいいものなのでもっと長編で読みたい!!と思うほどでした。
    20代前後の女の求めるものとは?
    人生設計とは?
    考えさせられました。
    かなり好きなテーマ、ストーリーでした。

  • 男女が付き合い、一緒に暮らす中での「ん?」と感じる男尊女卑をいらやしくなくさらり描いていてクスリと笑えました。すぐ読めます

  • 表題作他2編の短編収録。「かわいい結婚」は、ほんわかした話に見せて、実は「ズバリ」と結婚の核心をついてくる。「かわいい」だけじゃ生活は成り立たない。主人公のひかりは専業主婦。でも家事は出来ない。そんなひかりが気付いてしまう。自分の存在価値に。そして、叫ぶ「私、騙された!」。果たして結婚は「かわいい」のか。2編目の「悪夢じゃなかった」は朝起きたら女性になっていた男性の話。女性の自分に悪戦苦闘しながらも、なぜかそれが楽しくなるのが「女子マジック」。彼が新しい世界の扉を開けてしまったのが微笑ましかった。

  • そうなのよ!!家事が続くの!!

  • サクサクとあっという間に読めてよかった。

    ・かわいい結婚
    ひかり母、結婚するまで家事したことなくて結婚後に本とテレビで学んだのにめちゃめちゃ家事力高くてすごい…めっちゃ勉強したんだろうな…この作品で一番尊敬してるかも…(家事能力の高さというか、その努力に)

    ひかり、家事というか家でやることが向いてないだけで下着屋で店長できてたということは基礎能力自体は低くないだろうから家事代行サービスで働いても専業主婦向きにはならないのでは…?と心配になりながら読んでたらやっぱりー!!教わればできんじゃん!!
    でもまーくんもルンバすらまともに動かせず夫婦揃って病院送りにする飯を作ってたひかりが、出汁とって味噌汁作って掃除機ガーガー言わせるようになったのにお前…なんの感慨もないの!?ヤフー知恵袋(仮)に相談するほど悩んでたんじゃねーのかよ!?何を当たり前のツラで受け入れてんだ、とりあえず感激しろ。

    でも結婚した女が「まーくんの前でだけ、ひかりはありのままの自分でいられる」って言ってるなら多分まーくんはすげえ男なんだよね。夜中に急に踊りだしても怒らないし。私なら絶対イヤだもんな。

    ひかりは主婦やってるより外で働くことのほうが向いてるタイプだと思うから最終的にパートとはいえ社会復帰できてよかったー。そのほうがストレスはマシになりそう。

    ・悪夢じゃなかった?
    いきなりのTSものでびっくりした。そんなグレゴール・ザムザのごとく朝起きたら属性変わってることあるんだ!? 
    元の裕司が本当にクソ男過ぎてミッコとなぜつきあってるのか(なぜミッコは裕司なんかとつきあってるのか)まったく理解できない。と思ってたら普通に振られててざまあみろ。

    …と思ってたら、いきなりルミネに突撃してオシャレライフをエンジョイしててたくましー…
    そんなもん靴だけルミネで買ってユニクロかGUでユニセックス買ったらええやないか…

    まあなんやかんやあってミッコとヨリが戻ったのかなと思ったら一足飛びに結婚してて笑った。しかも女装が趣味になってんのかよ。ミッコ、それでも特に気にしてないからすげえ女だ。
    それはそうと裕司、実家ぐらししてたなら食費くらい入れろ。勝手に履いてきた母親のハイヒールを勝手に捨てるな!

    ・お嬢さんたち気をつけて
    疑似双子で見分けのつかないユリとあや子からお遊び半分で言い寄られる佳彦かわいそうに………と思ってたらユリが上京して疑似双子解消したあや子と普通につきあってたし、つきあいはじめた佳彦普通にクソ男で笑った。おまえ!(笑)

    あや子と結婚してまで手に入れたプラダのバッグ売っぱらってあや子のいざというときの軍資金用立てて、「あや子がこのお金使うことなく人生を終えられますように」って祈るところ泣けた…そんな…友情は尊いものだね…

  • 「女の子」の生態を教えて貰ったような感じ。おばかだったり独特のノリだったりが楽しくて、勢いがあって、可愛かった。

  • やっぱ私はこういうテーマの作品好きくないわーって確認する為に読んだのに(M指向)、出てくるキャラクターみんなチャーミングかよ!
    ってなっただけだった←←

  • ・かわいい結婚
    ・悪夢じゃなかった?
    ・お嬢さんたち気をつけて

    男女分業的な考え、男尊女卑など今もまだ根強くのこっているものを静かに描き出している。

  • 短編集。どれも「えっ?ここで終わり?」と思った。

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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