- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062194341
作品紹介・あらすじ
すべては偉大なる岸信介の血を残すために――。安倍晋三の母・洋子の執念は、この華麗なる政治家一族の姿をいびつなものにしている。養子縁組を繰り返し、家を守ることによって何が生まれたか?
孤独な政治家・安倍晋三にとって、祖父の宿願を達成することこそ、唯一、洋子に認められる術になる。幻影安倍家三代を丹念に取材し、幻影に追い回された安倍ファミリー・六人の姿を丹念に分析することによって、「安倍晋三」なるものの正体に迫る。
政治取材のトップランナー・松田賢弥が放つ、衝撃の書。
【本書の内容】
プロローグ ゴッドマザー・安倍洋子を軸にした三代
第一章 祖父・岸信介――安倍晋三が追う幻影の正体
第二章 父・安倍晋太郎――「岸の舅」といわれた続けた男
第三章 叔父・西村正雄――唯一晋三を批判できた晋太郎
第四章 隠れた弟を追って――父・晋太郎が築こうとしたもう
第五章 妻・安倍昭恵――奔放な「家庭内野党」で洋子との
第六章 母・安倍洋子――晋三に賭けるゴッドマザーの執念
感想・レビュー・書評
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安倍晋三がなぜ日本の「軍事国家」化を急ぐのか、両祖父の足跡からもわかるような気がする。
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安部晋三をとりまく一族の物語。すなわち祖父岸信介、父安部晋太郎、叔父西村正雄、晋太郎の隠れた子、妻昭恵、そして安部家を牛耳るゴッドマザー、岸の娘であり、晋太郎の妻安部洋子。安倍晋三が憲法改正、戦後レジームの打破、靖国参拝にこだわるのは、その祖父岸信介の恨みを晴らしたいからである。憲法改正や戦後レジーム打破は岸がやろうとしてはたせなかったものであるし、靖国にこだわるのも、岸を含むA級戦犯の戦争犯罪を認めたくないからである。そして、晋三に幼少から岸の精神をすり込んだのはほかでもない、信太郎の妻、岸の娘の洋子である。ところで、本書を通貫しているのは、筆者松田さんの安倍晋太郎に対する同情である。生後すぐに離縁された母と生き別れ、母の所在を知ったときにはすでに母はなくなっていた。晋太郎はつねに母の面影を追い求めていたのである。晋太郎はもともと毎日新聞の記者であり、政治とは無縁であったのに政治家になったが、かれが政治家としてやっていくにはどうしても岸の力、具体的には洋子の力に頼らざるをえなかった。晋太郎はやがて総理の椅子を目前にして病に倒れる。その晋太郎の最後を看取った一人は、かれの母の再婚後の息子で、日本興業銀行の頭取までなった西村正雄であった。西村も今は亡いが、晋三に説教できるただ一人の親族であったようだ。洋子のような岸の化身のような女性が側にいては晋太郎も家で安住できなかっただろう。だから、晋太郎に隠し子がいても不思議ではない。松田さんは隠し子であろう人には接触するが、積極的には取材をすすめていない。そして、昭恵。なぜ昭恵さんがあのように奔放に振る舞えるか。それは本書を読んでいただくしかない。ぼくは本書を読んで最初週刊誌の記事っぽくて途中でやめようかと思ったこともあったが、無念のうちに死んでいった晋太郎への愛、同情を感じるにつれ、最後まで読むことができた。
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いやあ、なかなかにして凄い一族です!これまで色々と知らなかったこともあって、安倍晋太郎氏に好感を持ちました。昭和の歴史がざっと辿れるところも、読みやすいでした。