祟り婿 古道具屋 皆塵堂

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062194990

作品紹介・あらすじ

「早死にの祟り」に取り憑かれた
居候は幽霊嫌い!?

曰く品ばかりの皆塵堂にまた一癖ある奉公人が……

とぼけた笑いとあと引く怖さ。
人気急上昇の「人情怪談騒動記」!

曰くつきの古道具が揃う皆塵堂で働き始めた連助は、
幽霊や呪いの話をまったく信じていない。
そのため同じ道具屋で、幽霊が見えるという太一郎のことを敵視している。
ある日、質草を仕舞っている蔵から妙な音がするというので、
皆塵堂の店主・伊平次らとその質屋に泊まることとなった連助。
その音の正体は? そして連助が幽霊を信じないのも、ある祟りが……

感想・レビュー・書評

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  • 連助
    頼むからシリーズ終わるまでに
    見て、たまげて…

    現状は有り難いものだったと
    感謝して欲しい

  • 978-4-06-219499-0
    c0093¥1500E

    祟り婿(たたりむこ)
    ー古道具屋 皆塵堂 5 ー 

    著者:輪渡颯介(わたり そうすけ)
    装画:トミイマサコ
    発行所:株式会社講談社

    2015年5月12日 第1刷発行
    ------------------
    もくじ
    ・質屋蔵 (初出 メフィスト2014 vol3)
    ・衝立から覗く顔
    ・幽霊屋敷 出ても見ぬふり
    ・六連屋と妖刀
    ・刀を折る者

    主な参考文献
    初出 質屋蔵 メフィスト2014vol3.
       他の作品は描き下ろし

    -------
    手にした理由
    「古道具屋 皆塵堂」のシリーズ1巻目を読んで、面白かった。このシリーズは10巻まであるようです。1~7までは単行本と文庫版 8~10までは文庫版だけの様子。
    順番通りに読みたかったのだけれど、手元に近くあったのは5巻に当たるこの本でした。
    また、このシリーズは皆塵堂が舞台のようですが、登場人物は入れ替わるようなので、一巻でメインに出てきた(色々見えちゃう)太一郎ではなく別のキャラクターが出てきて回るようなので、順不同で読んでみることにしました。

    ----------------------------
    登場人物だけが同じ人、同じ役柄で関連のない流れの設定かなと思っていたら、一冊で流れに沿ってキャラが動いていました。
    終わり方は、これでよしという感じで、嫌な気持ちがせず。読後本を閉じて余韻を楽しめました。

    このシリーズは10作品あり1巻目を読んで、次にこちらを手にしましたが、順番通りに読めるなら、そのほうが良いです。
    5巻目に当たる「祟り婿」には「連助」なるキャラが登場します。この巻は「連助」を軸に展開しますが、唐突にそこ(皆塵堂)にいるところからスタートなので、読み勧めていくと、ふ~ん・・・。程度の納得感ですが、なぜこの人のために周りが動くのかわかりません。
    読み終わってからも、1巻目のようには腹落ちは無いです。私が読んでない2~4巻までの間でなにかフックが設定されていたのかもしれません。

    1巻で軸になった「太一郎」は、そのキャラ立ちをそのままに、皆塵堂に関わってきますし、1巻で登場した人々もその役のままに出てきます。
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    羅宇屋(らおや) 羅宇は煙管のこと 羅宇屋はキセルなどを扱う店
    胡乱(うろん)
    仕舞屋(しもたや)居宅のこと、商いをやめて住まいだけになった家という意味合いが強い
    俎板(まないた) 
    照降屋(てれふれや)傘と雪駄の両方を扱うお店のこと、照っても降っても商売になる。

    連助(れんすけ)霊や、祟など一切信じない(事にしている、生まれたときから婿の先が決まっている運命を持っている)
    辰五郎(たつごろう)皆塵堂のご近所の米屋さん
    清左衛門(せいざえもん)木場の材木商鳴海屋のご隠居で店の地主
    峰吉(みねきち)皆塵堂の小僧、職人で商人
    伊平次(いへいじ)皆塵堂店主、釣り好きで留守がち
    鮪助(しびすけ)皆塵堂のネコ
    長右衛門(ちょうえもん)本所林町の質屋、多丸屋の主
    登世(とせ)質屋多丸屋の娘30代半ばくらい
    太一郎(たいちろう)浅草安倍川町の銀杏堂(古道具屋、骨董に近い高価なものを扱う)憑き物を感知する
    辰平(たつへい)蝋燭屋の隠居 碁盤・人形
    くましち 本所花街の居酒屋 店主は熊七
    巳之助(みのすけ)大工、腕っぷしは強い、猫好き独身
    孫兵衛(まごべえ)
    弥十(やじゅう)悪者、
    おちか うっかり者の猫好きの娘、18くらい、容貌は豆だぬき的
    了玄(りょうげん)やぶ医者、人として仁は厚い。
    おつるちゃん 7歳伊勢佐木町の寿屋(照降屋の娘、了玄の患者
    万平(まんぺい)おつるちゃんの祖父、旅先で死去
    亀右衛門(かめえもん)寿屋の主、おつるちゃんの父
    遥仙坊(ようせんぼう) 祈祷師--悪者 偽者
    六連屋 日本橋の室町にある紅白粉を扱う大店、連助の婿入り先、一番番頭の家の子どもは男児しか生まれず、六連屋には娘しか生まれない、しかも婿は早死する。六連屋は娘に二番番頭、三番番頭の家から婿を取る、一番番頭の家の子(男子しか生まれない)を番頭として仕込み、一番番頭として店を切り盛りする。
    忠兵衛(ちゅうべえ)六連屋の一番番頭。
    六連屋の初代店主は元はお武家で初代が腰にしていた刀が六連屋に祟り、その早死する婿に決まっていたのが連助だった。

    六連屋については メモへ

    惣六(そうろく)寿屋の番頭 実は悪者 酒好きで散財
    弥吉(やきち)元古道具屋 飲んで店を潰した
    絵師 本名も通称も不明 画は上手い

    捨蔵(すてぞう)博打で散財しその穴埋めを女房の嫁入り道具の鏡台を売払って捻出しようと嘘をついた。

    忠七(ちゅうしち)六連屋の手代、忠兵衛の息子 猫がだめで逃げ惑う。太一郎に呪いの刀の処分を求める。

    宮越雷蔵(みやこしらいぞう)手習いの市販をしている元武士、剣の腕は超一流、人柄も優れている。

  • 2020.09.03.読了

    今度は幽霊とかを一切信じない男 連助 登場

  • さくさく読めておもしろかった
    ただ…連助がすきではない

    太一郎ちゃんが好きなので…
    ひたすら裏で行動しているのをみてしまうと、ね
    でも恩着せがましくないのが、太一郎ちゃん!
    はぁ~素敵ね

  • 《古道具屋皆塵堂》シリーズ第五作。
    今回はこれまでの趣向とは少し違い、幽霊や怪現象というものを一切信じない連助が居候。
    いつもなら《皆塵堂》で散々酷い目に遭ってその果てに悟りの境地に達するのだが、連助にはある強力な呪いがかけられていて、その境遇に同情した伊平次や清佐衛門が連助に幽霊を見せないよう画策する。
    といっても伊平次や峰吉が幽霊を見せないよう配慮する筈もなく、結局割りを食うのは巳之助や太一郎。特に幽霊が見えすぎる太一郎に連助は手厳しいだけにちょっと可哀想。
    その太一郎の最後の仕返しが笑える。さて上手く行くのか。
    相変わらずユーモアと怪現象との絡みが面白いが、今回はやや峰吉の出番が少なく残念。
    幽霊たちも驚いてくれる相手がいないと出甲斐がないのでは?
    そして次は更なる猫だらけになってしまうのか。

  • 今回、皆塵堂に入ったのは、真っ向から幽霊だの祟りだのを否定する連助。連助なりに理由があっての事だけど、幽霊が見える太一郎にキツく当たったりと、最初は好ましくない人物に思ってしまう。でも、連助なりに深刻な理由があり、佐平次達、いつものメンバーはまたまたひと肌脱ぐ事に。巻を重ねるごとにメンバーが増え、ますます連携プレーが楽しい。今後の連助の登場も楽しみです、最近は清左衛門がお気に入り。次も楽しみです!

  • 連助が恩人や大得意先の息子とかなら、未だ納得出来るけど
    ”そんな運命じゃ気の毒だ”で周りがあそこまで気を使わないと
    いけないもんだろうか?

    自分が太一郎贔屓だからと言う事を差し引いても、人から
    助けられてるのに、それに気付かずドヤ顔をしてる様な
    キャラは嫌い

  • 曰く付きの品を扱うことで名を馳せる皆塵堂に自ら手を挙げて働きにきたのは、超現実主義の男だった!
    幽霊や祟りなんてものは存在しない、と言い切る連助ですが、実はそんな風に考えるようになったのにも理由があるようです。
    幼い頃から幽霊が視えることで悩んできた太一郎とは、全く相容れないようですが、はてさて…。

    人間、自分の知らないところでいろんな人に助けてもらっているんだなぁ、ということを改めて感じさせられる結末でした。
    この超現実主義者、いつか幽霊や祟りの存在を認める日が来るのだろうか…。
    シリーズ続刊で再び登場してくれないかな、と少し期待しつつ読了。

  • 知らぬは本人ばかりなり。
    古道具屋皆塵堂シリーズ。
    今回は押しかけ奉公人です。

    このシリーズをずっと読んでいるので、(この話の中では)幽霊は実際に出てくるもの、とわかっているのですが、では登場する人々が皆そう思っているのかといえば、勿論そうではなく。
    怪奇現象など糞食らえ、幽霊など存在するものか、と言い放つ短気な兄さんが今回のゲストでしたので、太一郎が普段よりもガラが悪いのでした。
    でも、やっぱりお人好しです。

    面白かった。

  • シリーズ5作目。

    今回は、早死にすると言われている、“祟りの婿入り”が決まっているため、“何が何でも幽霊などの類を信じるわけにはいかない”と、頑なになっている連助が皆塵堂にやってきます。当然、幽霊が見えまくる太一郎とは相容れない訳で・・・。
    太一郎が連助のために色々骨折ってあげていた事を、最後まで連助にわからせずに終わってしまうので、ちょいとモヤモヤ。

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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