おばあさんの しんぶん

  • 講談社
4.15
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本棚登録 : 234
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062195652

作品紹介・あらすじ

新聞少年のてっちゃんに新聞を読ませてくれていた老夫婦。その、おばあさんが亡くなり、てっちゃんがはじめて知った事実は・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 父を亡くして、母の郷里で新聞配達を始めた少年。
    親切なおじいさんが、夕方新聞を読みにおいでと言ってくれる。
    それがほんとうに楽しみで、読み終わった新聞を毎日読ませてもらっていた。

    おじいさんが亡くなってからもおばあさんが読んでいいからと言ってくれて。
    ある日、新聞が真新しいのに気づくが…
    おばあさんは、いつも最初におじいさんが読んでたからねと。

    おばあさんが亡くなったあとに字が読めなかったことを知る。
    おばあさんは、少年が来るのを楽しみにしていた。
    そばで、真新しい新聞を読むことを。

    戦後の実話であるが、文も絵もとても温かい。
    裏表紙の絵も特に温かみを感じる。

  • 今のままでは無理だけど自分もこういう老人になりたいな。

  • さくっと読めるのに、心にどーんと響く。子供達に読み聞かせながら、泣きそうになる。原作者のことをもっと知りたくなった。

  • ☆2020.冬 小学五年生 読み聞かせ☆
    数年前に読んで以来ずっと心に残っている絵本。主人公が5年生、というくだりがあり、同年代のこどもたちに読むことにした。
    説明的なものが最小限で会話や絵が語るページも多く(そしてその絵もあたたかみがありとてもいい!)、たいへんよく練られた絵本だと思う。親切にしてくれた人たちの死がそっと描かれるけれども、哀しみではないところに心がぐっと動かされる展開がすてきだ。
    みんなのまわりにもやさしく支えてくれる大人がいてくれるといいな、と願いながらていねいに読んだ。真摯なまなざしが嬉しかった。

  • 家族以外にこういう温かい人たちが傍で見守り、一緒に子供を成長させようとしてくれる。
    おじいさん、おばあさんの優しさに涙が溢れます。
    そして大人になってからもそのことを忘れずに感謝し続けるその気持ちにも感嘆。
    今は少なくなってきている古き良き時代が写された素晴らしい絵本だと思いました◎

  •  島根県で勤務した2年間、充実していました。県都松江は東にあり、その東には安来、その東は鳥取。松江から宍道湖を西に島根の各地に通ってました。宍道湖の北側から、南側から。北側を通れば出雲ドームが。天才、岩國哲人出雲市長が作った施設だと。出雲高校卒業の島根の人と思ってましたが、大阪から戦火を避け出雲に転居したのですね。私は中学3年間、体を鍛えるのと貧乏克服のため新聞配達をしましたが、岩國さんは、新聞を読みたいから新聞配達をしたそうです。「あばあさんのしんぶん」、2015.7発行。

  • おばあさんの優しさを知って涙を堪えきれなくなる場面で、こちらも涙が溢れて止まりませんでした。

  • 心温まった。
    育児をする上で、著者のおばあさんのように、子を温かに見守れる大人でありたい。

  • 絵:★5
    文:★4
    テーマ:★5
    子ども向け:★3
    けんぶち絵本の里大賞作品。
    抑制のきいた文章。「いつもおじいさんがさきによんどったけんね」というおばあさんの優しさ。
    絵も温かみがある水彩。舞台となった出雲の四季折々の美しさ、街並みの広がりが、主人公の奮闘・成長とさりげなく織り交ぜられている。個人的に好きなのは、秋の縁側と、少年のバックに海を見晴らしている絵。
    やはり実体験は強い。人生には辛いことも苦しいこともいろいろあるけれど、人の温かさがそれを支えてくれるということを伝えるすばらしいテーマ設定。「真実は小説より奇なり」経験に勝るものはない。
    しかし、子どもには地味で教訓めいているかも。読んでもらいたい作品ではあるが、子どもが喜ぶかどうか。敬老の日のブックトークなど、良い機会をみつけてうまく紹介できるといいのかも。

  • 戦後の苦しい時代、新聞をとる余裕のある家は多くありませんでした。どうしても新聞が読みたくて配達を始めたてつおに、新聞を読ませてくれる老夫婦がありました。時はたち、おじいさんに次いでおばあさんも亡くなったとき、てつおは思いがけない事実を知ります。
    「新聞配達に関するエッセーコンテスト」最優秀作を絵本化。静かに胸を打つ絵本です。

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著者プロフィール

絵本作家、イラストレーター。1984年東京生まれ。多摩美術大学油画科卒。絵本作品に「モタさんの“言葉”シリーズ」(新日本出版社)、『絵本 おとうと』『絵本 おとうとⅡ』(新日本出版社)、『ふくしまからきた子』『ふくしまからきた子 そつぎょう』(岩崎書店)、『地震の夜にできること。』(角川書店)、『Life(ライフ)』(瑞雲舎)、『おばあさんのしんぶん』(講談社)など。2017年、『おばあさんのしんぶん』で第26回けんぶち絵本の里大賞アルパカ賞を受賞。

「2020年 『5つの風の絵ものがたり(全5巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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