- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062196109
作品紹介・あらすじ
ニューヨークで生まれ育ったシエラは、幼いころに兄を亡くし、母親との確執に苦しんでいる孤独な少女だった。唯一の友達だったアナベルも交通事故で失った彼女は、鬱々とした思いでマンハッタンの街を歩いていた。そこに不思議な老婆が現れ、トルコ石をシエラに渡す。シエラは石に導かれ、異世界・ヴェレに行き、そこで自分が世界を救いたる存在、<石の司>であることを知る。
自分が唯一の存在であることを知り、自立する勇気を得ていくまでの、少女の物語。
感想・レビュー・書評
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実の母への憎しみと、罪悪感に葛藤するシエラが、異世界ヴェレスを救う「石の司」として迎えられ、試練を経て成長していく。
ストーリーの初めに、孤独だったシエラを支えていた親友アナベルが、事故死した後もずっと、シエラの心に活きいきと語りかけ、励まし続けるのが印象的。
乾石さんの作品としては初めて、現代世界と異世界を往還するストーリー。
いつもながら、色彩感覚の鮮やかな描写が美しい。
パワーストーンの力を武器にするのは当たり前だけど、宝石職人達の祈りで、力ある石に、さらに強力な力が宿るというのが面白いと思った。
雑誌に掲載されたものをそのまま並べたせいか、一冊のストーリーとしてのまとまりはもうひとつ?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2.8
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長らく積んでいた。気が付けば色んな出版社から出てるなあ。
著者には珍しい異世界もののファンタジー。異世界そのものが物語世界ではなく、現実の現代世界と異世界が平行に存在する物語世界。著者といえば前者のハイ・ファンタジーという認識だから、のっけのニューヨークの情景からなかなか新鮮。ちなみにナルニア型かと思いきや、世界間の往還はもう少しだけ頻繁だった。シエラの成長も、それが元居た暮らしの中に活きてくるのも、少しずつ積み重ねる形をとっているあたりにいい手ごたえがある。
自分の中の闇を認め、御すること。毎度お馴染みのテーマのドラマは少々ダイジェスト気味。ヴェレスの世界が狭いというか、余白が多く感じられたからかも。シエラの親友、オタクのアナベルが「異世界もの」の理解を助けているのも、シエラにとっては親切でありつつちょっと軽薄。良くも悪くもライトなお味。
鉱物、宝石の光、色、音、自然の交歓豊かな描写はさすが素敵。鉱物図鑑が欲しくなってしまった。 -
冒頭数ページを読んで、ネイティブアメリカン絡みの話かな?と思ったが、意外にというか異世界ファンタジーものだった。貴石や鉱物が好きなのでそちらの要素が嬉しい。
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『夜の写本師』から始まるシリーズが気に入ったので、未読本を検索して古書で買ったが、古書代に相応の感じ
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ニューヨークで生まれ育ったシエラは、幼いころに兄を亡くし、母親との確執に苦しんでいる孤独な少女だった。唯一の友達だったアナベルも交通事故で失った彼女は、鬱々とした思いでマンハッタンの街を歩いていた。そこに不思議な老婆が現れ、トルコ石をシエラに渡す。シエラは石に導かれ、異世界・ヴェレに行き、そこで自分が世界を救いたる存在、<石の司>であることを知る。
自分が唯一の存在であることを知り、自立する勇気を得ていくまでの、少女の物語。 -
初めての著者。
苦難の少女がファンタジーの世界を通して成長していく。
宝石?石?という軸が、非常にきらびやかで読みながら映像化されていくようでした。