[現代版]絵本 御伽草子 付喪神 (絵本御伽草子 現代版)

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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197335

作品紹介・あらすじ

人気作家の自由自在な想像力で、あの「おとぎ話」が新しい文学に生まれ変わった! 個性豊かな画家の美しい絵とのコラボレーションで贈る、現代版「絵本 御伽草子」シリーズ、刊行開始。

【シリーズ全6冊】
町田康×絵・石黒亜矢子「付喪神」
堀江敏幸×絵・MARUU「象の草子」
藤野可織×絵・水沢そら「木幡狐」
日和聡子×絵・ヒグチユウコ「うらしま」
青山七恵×絵・庄野ナホコ「鉢かづき」
橋本治×絵・樋上公実子「はまぐりの草紙」

感想・レビュー・書評

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  • 生まれて初めて外に連れ出された茶碗は上機嫌
    が、下婢に地面に放り出されて、困惑する 

    「え?え?え?え?え?どういうこと?どういうこと?どういうこと?意味わかんないんですけど。地面に落ちちゃってるんですけど。割れちゃってるんですけど」

    付喪神になるのをおそれられて棄てられた、俎、鈴、庖丁、破れ傘、烏帽子、割れ壺、招き猫たち、人間への復讐のために大変身をはじめます。

    が、袂を分かつものたちもいれば、自分たちの神を勧請するものもあらわれ…

    〇血なまぐさい妖怪たちの復讐譚なんだけど、芸人たちみたいな丁々発止のやりとりや、石黒さんの怖かわいい絵で軽妙に読ませられる
    〇百鬼夜行縁起みたいな
    〇さて、現代の付喪神とは…?

  • 「付喪神」とは本来、長い年月を経た道具等に神や精霊等が宿ったもののこと。
    なるほど「物心」とは本来こういう意味なのね。
    さんざん使っておいて百年経ったらポイ捨てする人間達に怒りが収まらない「物」達。
    人間からしたら、百年も使ったんだからもういいじゃん、と思うのだけれどね。
    ムカつく人間達に復讐したいが「物」だから手も足もでねぇ、とは巧いこと言うなぁ。

    そんな「物」達が気合い(?)で化け物に変化して人間達に復讐しまくるお話。
    そしてついに決行された康保の世の器物派vs人間派の大合戦は、魂のビートを刻みながらのビーム合戦。
    意識を持った「物」達が我々人間達に再び戦いを挑んできたら、新しい元号・令和の世では一体どのように立ち向かえば良いのだろう。

    巨匠・宮崎駿もビックリの「付喪神大合戦」。
    ぜひスタジオジブリでアニメ化してほしい。

  • 面白すぎて2度読み。テンポよし。エログロなんだけど絵のタッチも合っているし話のこじれ具合がおかしい。

  • 「人間、むかつく。復讐してぇ」茶碗や傘、招き猫の置物など、捨てられた物たちが鬼へと変身し、次々に人をとって喰らう悪夢! 戦国時代の頃に書かれた絵巻物が、現代にパンキッシュに蘇る。怖い!というか、むしろ笑える!なんだ、これは?!
    (一般担当/あほうどり)

  • 元々の話からかなりアレンジされており「あれ?こんな話だったっけ?」と思いましたが不気味でありつつもどこか愛嬌のある付喪神のイラストがとても良かったです。
    話は巻末に掲載されている元々のものの方が好きです。

  • 町田康の文と、石黒亜矢子の絵で構成される絵本。

    文は軽快で面白く、装丁やページのデザインも不気味ながら可愛い。
    挿絵の「賽銭蛙」が、妖怪らしいインパクトと、服の裾を蛙の口に見立てる絵的な遊び、さらに異形感があってなかなか良い。

  • 現代にアレンジした付喪神。

    私はこの作者の方の作品をひとつも拝読したことがなく、今回初めて読みましたが……たぶんこのあともご縁はないだろうな、というのが正直な感想。
    個人的にはラストは出家、修行、成仏の件が好きなのでこちらのアレンジ版は合わなかった。
    それ以外は、変化について話し合うところとかどういう悪逆非道を行ったのかというところが面白かった。
    イラストはすごく合ってた!

  • 付喪神でも人間の姿になりたい。あ、念じたらそれっぽくなれちゃった!
    そんな付喪神たちの人間を巻き込んだ争いが起こる。その運命やいかに。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 大真面目な顔して、細かいことにつっかかりまくって、あららあららという方へことが進んで行く、町田康ならではの現代版御伽草子。あ〜おもしろかった。
    これ書いてる時、町田さんも楽しかったんだろうな。

  • かしこの善人が、かしこの悪人を成敗したのか?
    かしこの悪人同士たたかって、片方の悪人がたまたま勝ったのか?
    読み終わり、このお話から何を教訓にすればいいのか大きな疑問が残ったが、何のことはない、はじめから全編にわたり、教訓は教えられていたのだ。
    流石、町田節。
    不条理だけれど、あほの悪人がそも悪い。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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