チポロ

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著者 : 菅野雪虫
  • 講談社 (2015年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197458

チポロの感想・レビュー・書評

  • アイヌの神様は、人間に厳しい。
    そんな伝説ができるのは、厳しい自然のためか。

    「負けるのなんか慣れてる。何回負けたって、どうってことない。」など
    心に刺さるセリフがいっぱいです。

  • アイヌに伝わる神話をもとにしたファンタジー。おばあちゃんと二人暮らし、ちいさくて狩りがへたくそだったチポロが、魔物にさらわれた幼なじみを助けるべく旅にでる。

    こんなにやさしい文章で、これだけの世界観を描けるってすごいと思う。最初に国のはじまりの神話があり、それからチポロの旅がはじまってゆく。物語がすすむにつれて、神話とチポロの旅がだんだんリンクしてくる。自然のなかに神々があたりまえのように存在する世界。神さまという存在が身近に感じられる。冒頭で初めてツルを仕留めてから、どんどんたくましくなっていくチポロの成長がうれしい。アイヌの空気を感じられる物語。

  • アイヌの神話をベースにしたファンタジー。

    というか、アイヌ神話なんて、ほとんど知らなかったので、ちょっとこの機会に知りたいと思った。

    チポロは1羽のツルを仕留めた。
    両親を亡くし、祖母と暮らす、貧しいチポロには、体格も小さいし、大事な弓も1本しかない。
    でもその日はツルを仕留めた。食べる前に供養(魂送り)をすると、ツルの神さまが現れた。これからも自分の仕留めた獲物お大切に供養して魂を送り返しておくれ、と言われて、その後は守護霊のようにチポロを見守ってくれる存在となった。
    近所のイレシュはチポロの理解者で、親友だ。

    チポロの父が亡くなった時、神にカミナリを撃たれかけている時、チポロが不意に言った呪文がある。

    アイヌの神さまたちは、人間の我儘さ傲慢さに愛想をつかして、見捨てようとしていた。
    チポロたちの村にも災いがきても、神々は守ってくれないようになるかもしれない。
    チポロのはもしもの時のおまじないとして、むかし、自分が唱えた呪文をイレシュに教える。そして、本当に魔物が訪れた時、イレシュがチポロから教えてもらった呪文を口にしたため、イレシュは異形の魔物たちに連れていかれてしまう。
    その時、狩に出ていて、イレシュを助けられなかったチポロ。
    三年の年月を経て、チポロは12歳になり、狩りの腕を磨いてきた。イレシュのウワサを聞いて、イレシュを助けるため旅に出る事にした。

    アイヌの神話、古代の村での神さまたちが身近な生活、様々な個性的なキャラクター(チポロの家族、イレシュの家族、ブクサ、シカマ・カムイ、それにもちろんヤイレスーホ!)がいい。
    また続きや続編も読みたい。

  • アイヌの世界観が綺麗でした。
    自然や生き物に感謝する生活が素敵です。
    ただ、前半は良かったけど、後半から段々軽いノリになってしまったのが残念でした。
    設定はいいのに活かせていない感じ。

  • アイヌ神話である「柳の葉が川に落ちシシャモ(ススハム)になった」という話がもと。小さな少年チポロの成長譚。

  • 童話のような語り口、しかし内容はなかなかハードな冒険譚だった。

    全体的にアイヌのイメージなのか、神様がめっちゃ気軽に存在しててちょっとびっくりした。笑

  • 天山の巫女ソニンほどの読みごたえじゃないけど、この世界観は好きだなぁー

  • いいねぇ 少年がきちんと若者になっていく話
    物語はこうでなくっちゃ という王道モノだけれど
    それでも いいねぇ
    主人公たちもさることながら
    その取り巻く、カムイ(神)たちにも、頼りなく描かれる人間たちにも
    作者の愛情にあふれているのがいいですね
    読後感がさわやかです

  • カムイ、ミソサザイ、オキクルミなど耳馴染みのある単語はアイヌ語?
    アイヌ神話にも是非触れたい。

  • 主人公がしっかり大地を踏みしめてる冒険譚、旅先に社会が見えるし空気の匂いがします。続編書けそうな雰囲気。
    チポロは猪突猛進型ですが何か言ってから自省したり自分を律する客観性も持ってる子だなと。自分のことじゃなくてもシャチのカムイにぱっと謝るシーンに微笑みました。
    たぶんこのお話の中で誰よりも思考しているのはイレシュですね、ヤイレスーホは危なっかしく見えます。
    プクサいいやつだな~。

    ミソサザイのカムイのおしゃべりずっと聞いてたい。
    シカマ・カムイの人生相談室があったら訪ねたい。
    弓のレプニかっっっこよすぎか!!!

  • 児童書?YA?ジャンルはわからないが大人向けではないのかも。たいへん読みやすく、読後感も良いお話だった。サクサク読めて、疲れなかったのも良かった。この人のソニンシリーズが大好きだったので読んでみたけど、やはり作風があっているのだろうなあ。

  • なんにも考えず、するすると楽しく読めました。アイヌ神話を元にしているらしく、神話好きとしてそちらについても、ちゃんと調べてみたいなと思いました。今は同じ国だけど、別の国の物語のようで不思議な感じ。

  • チポロは体も小さく狩りも下手だったが、ある時大きな白い鳥を射止める。自信をつけたチポロは、「どうせ狩りが下手だから」とあきらめず、「どうすれば獲物が獲れるか」と考えて行動するようになり、すこしずつ強くなっていった。そんなある日、やさしい幼なじみのイレシュが魔物にさらわれてしまった!村人たちはあきらめて忘れようとしたが、チポロはイレシュを救いに行く決心をし、旅に出た…。
    アイヌ神話を下敷きに、独特の世界を見事に紡ぎ出した物語。人も神様も魔物もみんな存在感があって魅力的。チポロの誕生をめぐる謎が効いています。

  • 祖母と二人暮らしの貧しい家の子チポロは、ある日見事な鶴を射止めます。その事から自信をつけた彼は、諦めることなく努力や工夫をするようになります。

    ある日チポロは、村を訪ねてきた、人間に近い神シカマ・カムイから、魔物の襲来に気をつけるように言われます。だが、魔物が現れた時、チポロから教えられた呪文を唱えた友だちのイレシュはさらわれていきました。

    チポロはイレシュを連れ戻すために、力を蓄え、魔物がいると言われる北の港を目指すのでした。


    国造りの神兄弟の弟とアカダモの女神チキサニとの間の男児オキクルミ。そのオキクルミと妹と、人間たちとの関わりの中から生まれた冒険話。

    ストーリーはとても面白く、ぐいぐい読ませるものがある。人物や場面の設定にも無理がない。
    また、物語の随所に、諦めないことや思いやりの大切さが、くどくない形で盛り込まれており、好感が持てる。

    ただ、登場人物(特に主人公のチポロと友人のイレシュ)の語る言葉が今風過ぎて、アイヌ民話を基調にしたこの物語の中では浮いてしまう点が残念。

  • ススハム・コタンで生まれ育つ少年チポロ。彼は幼い頃に両親を亡くし祖母チヌと二人で暮らしています。ある日1羽の鶴を狩ってから、ぐんぐんと狩りの腕を上げていきました。その成長ぶりは幼馴染の少女イレシュも驚くほどです。そんなチポロは、村にシカマ・カムイという人間に近い神さまが5人の家来を連れてやってくるという噂を聞きました。その家来たちと戦って勝つと、入れ替わりで家来になれるようです。腕試しにと家来のひとり、弓のレプニと勝負をし──。
    アイヌに伝わる神話を基に描かれた少年の成長物語。菅野さんの新作だー!と喜び図書館で予約し読了。イレシュがいるというノカピラにたどり着いてからの展開は本当に早かった。こんなに面白いのに、1冊完結だなんて非常にもったいなく思う。あとオキクルミの家来ヤイレスーホがわたしの中でめっちゃイケメン(笑)彼がイレシュをチポロの代わりにしたことといい、その心情といい、ものすごく魅力的なキャラクターでした。イレシュとのすれ違いの切なさにときめいた。主人公そっちのけで結ばれるのかと思うほど。恋愛展開にならずに物語を終幕するところは菅野さんらしさを感じる、物足りないよー。

  • わたしたちは語りつくせないほど多くのことの、ものの恩恵を受けて生きている。
    そして、そのことを、忘れてしまいがち。
    こうして折に触れて思い出させてくれる作品に出会えることはとても意味があり、手に取ることができてよかったと思う。

  • いろんな人の真心が交錯する話だったように思います。
    相手のことを思いやっての行動。だからこそ、ひとりよがりにもなってしまう。
    通じあえた面と、そうは成り得なかった面。
    きっと全体でみると大団円なんだけど、端々に寂しさが残るそんなラストでした。
    チポロは強いけど、対してイレシュが背負うものって、まだ今後も大きなしこりとして残るんじゃないかなって。

  • 回りくどい感じもするけど、面白かった。
    食べるとは命をいただくことです。

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チポロの作品紹介

「天山の巫女ソニン」シリーズでニュー・ファンタジーの旗手としての地位を確立した菅野雪虫が、満を持して書き下ろした最新作!
アイヌ神話をモチーフに描かれる長編ビルドゥングスロマン、ここに誕生!!

力も弱く、狩りも上手ではない少年・チポロ。そんなチポロに、姉のような優しさで世話を焼く少女・イレシュ。彼らの住むススハム・コタン(シシャモの村)に、神であるシカマ・カムイが滞在し、〈魔物〉たちが現れることを告げる。そして、シカマ・カムイの言葉どおり、大挙して現れた魔物たちは、イレシュをさらっていったのだった。

イレシュのいなくなった村で、チポロは、北のさいはての港町・ノカピラに、触れたものを瞬時に凍らせ、貧しき人々に食糧を届けてくれる「魔女」と呼ばれる少女が現れたことを商人から伝え聞いた。その少女にイレシュの痕跡を見つけたチポロは、弓の修業を積んだ末、「魔女」がイレシュではないか確かめるため、そして魔物からイレシュを奪還するため、ミソサザイの神とともに、ノカピラを目指すのだった――。

チポロのKindle版

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