ウォーク・イン・クローゼット

著者 :
  • 講談社
3.33
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本棚登録 : 1037
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197571

作品紹介・あらすじ

28歳OL、彼氏なし。素敵な服で武装して、欲しいものを手に入れたい!
女同士、男と女の微妙な友情と人間関係を描く、コミカルでせつなくて少しブラックな魅力全開の2年ぶり最新小説集。

【収録作品】
「ウォーク・イン・クローゼット」
主人公・早希は、28歳、彼氏なしのOL。売り出し中のタレントだりあは幼なじみ。だりあのマンションには、撮影で着て買い取った服がぎっしりの、早希には夢のようなウォーク・イン・クローゼットの部屋があるのだ。そんなふたりの友情のゆくえは…?

「いなか、の、すとーかー」
陶芸家デビューからわずか3年、石居は、テレビで特集が組まれるほどの人気の売れっ子。東京の美大卒業後、郷里に戻り、工房をかまえ、絵になるロハスな陶芸家生活を送っている。しかし、以前から彼を追う女ストーカー・砂原が工房に現れるようになり、事態はどんどん不穏さを増していき…。

感想・レビュー・書評

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  • 短編2作
    図書館本
    どちらも話に引き込まれてすぐ読み終わった
    思ったより読後感もよかった

  • 「いなか、の、ストーカー」
     果穂の主人公透に対する虫の死骸を投函したり等の卑劣なストーカー行為も受け入れ最後にはやはり少し好きな感情を抱く主人公透。ここまで僕のこと好きでいてくれたのね、と思ってしまうのか。良い方に取り過ぎではあるまいか。私なら無理だ。好意を表現する手段が間違っている。
     最後は自分の表現に反応する人達を大事にしていく、という落ち着き方をするが作者もそういう経験があるのかな、と思った。色んなファンがいるだろう。中にはストーカーまがいの人物も。有名になるってリスクを伴うものなのですね。女性なら尚大変じゃないかな。adoのように顔出ししないのが安全ですね。本来なら作品製作にだけ集中したいところだろうけどそういう所もフォローしていかなければならない。気苦労が絶えないでしょう。
    「ウォーク・イン・クローゼット」
     男向けの服。女性はモテたい時はそういう発想になりがちですね。でも段々と疲れてくるんです。男性万人に向けた全方位型モテ服に身を包むが、結局自分に合わない男子も釣り上げて失敗する。自分が好きな自分らしい服を着て自分と合う男子に好かれるのが1番ハッピーじゃない?と私も以前から思っていたので全く気の合う結末となってなんだか嬉しい。女子はもっと能動的に!どうしたら好かれるかではなく自分はどうしたいのか、に重きを置いて行動すると良い方向に流れていくように思います。
     2編とも綿矢氏の冴え渡った表現が少なくていつもの調子が出てないなという感想です。星1にしようか迷いましたが次回に期待して2です。
     

  • すとーかー

    田舎も、都会もないとは思うけど
    この結末は田舎だから?

  • 記録

  • ・いなか、の、すとーかー
    里穂めっちゃ怪しくない!?と思ってたら普通に里穂がヤベー女だった。というかすうすけもやべー男だな…
    「お兄ちゃんはこの村で、ずうっと、永遠に、陶器を作り続けていればいいの。私とお兄ちゃんの、二人だけの世界で、十分幸せなんだよ」ゾッとして血の気ひいたー!
    それにしてもラスト、急に人格がアンインストールされて別人になったみたいで怖かったんだけど何!?

    ・ウォーク・イン・クローゼット
    「ダッチワイフっぽい顔文字」ひどすぎて笑ってしまった(^o^)
    だりあ出産間近のスパイ大作戦、息を呑んで読みすすめてしまった…ハラハラ具合がすごい…
    ラスト、早希とユーヤは恋になるかもしれないしならないかもしれないけど、早希の趣味を「良いもの」として扱ってくれる人が身近にいてよかったねとしみじみ。
    それにしても早希、男を見る目があるんだかないんだか…(笑)

  • いまいちピンとこなかった。

  • ウォークインクローゼット
    独身時代は男受けする服、流行りの服=女友達と出かける服と無意識に分けていたな…そして服と共に当時の彼氏との思い出が詰まっていたり、懐かしい感情が蘇ってきた。
    今は服選びの最優先は長く着られる服、使い回ししやすいかが重視になって独身時代と全く変わってしまったなと驚いた!

    いなかのストーカー
    読めば読むほどホラーでドキドキハラハラしたけど、ストーカーされやすい男の性格ってこんな感じなんだろうなと思った。

  • ウォーク・イン・クローゼット
    ダメな男に振り回される主人公にかつての自分を重ねた。
    洋服を着る場所じゃなく人によって選ぶってところも、共感しかなかった。

    いなか、の、すとーかー
    男の態度が女を化け物にする、のか。
    化け物の女に捕まる男のパターンがある、のか。
    主人公が「こういう人いるよなぁ」だった。

  •  

  • 「いなか、の、すとーかー」☆☆
    「ウォーク・イン・クローゼット」☆☆☆☆
    間をとって☆☆☆

    「いなか、の、すとーかー」
    うーん。ストーリーは面白かったんだけど、私が好きな、圧倒的な筆力で小説の中の世界を体感させられるような綿矢りささんの文章ではなかったので…。

    「ウォーク・イン・クローゼット」
    こっちは逆に、主人公の早希はあんまり好きになれないタイプの女の子だし私と共通する所なんてほぼ無いのに、"あー…。何か分かるな。"と思わせるところが度々あって面白かった。

    早希の対男用のモテ服。
    だりあのプロのスタイリストが選んだ高級服。

    "きれいな服は戦闘服。
    私たちは服で武装して欲しいものを掴みとろうとしている。"

    広いウォークインクローゼットに詰まっていたきれいな戦闘服を全部早希にあげただりあ。

    だりあとユーヤの存在が良い。


    追記↓
    青空文庫で夢野久作の「いなか、の、じけん」を発見。なるほど。オマージュだったのね。と思って「いなか、の、じけん」も読んでみた。そうか。そういう感じだったのか。知識不足で申し訳なかったな。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

綿矢りさの作品

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