喉の奥なら傷ついてもばれない

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著者 : 宮木あや子
  • 講談社 (2015年10月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197854

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喉の奥なら傷ついてもばれないの感想・レビュー・書評

  • ぞくりとするほど文章がきれいで刺さる。あまりにも内容が重くて途中で読むのやめようかと迷うくらいでした。けど文章や描写が悲哀に満ちて(官能)耽美すぎて、つい引きずられるように読んでしまった。

    「天国の鬼」「肌蕾(きらい)」「金色」「指と首、隠れたところ」「ろくでなし」「泥梨(ないり)の天使」

    泥梨は仏教用語で地獄、奈落、この世の地獄、生き地獄…などという意味があるという。「泥梨の天使」読むの苦しかった。「天国の鬼」と対になっているかのようなタイトル。「天国の鬼」の方がまだ幸せのような気がした。

    一日の始まりに読み切ってしまって朝から気持ちが沈み込む。頭の芯がしびれてじんじんする。

    タイトルの由来がきれいすぎて魅了されたし、プロローグとエピローグの言葉に少し救われるけど、正直かなりきつかった…。

    “性根や生い立ちのロンダリングはできない。”(101ページ)だけど虐待という名のしつけでも箸の持ち方や挨拶などの細々とした作法が身について、それなりのいいところに嫁げればこういう生活をも手に入れることができるのよ…という「金色」のストーリーにぐらぐらした。

    扉があって中に入ると地獄があって「物語」があって生き地獄で、だけど出口の扉には「エピローグ」の逃げ出すためのヒントがきちんと書かれていて、このエピローグの言葉がなかったら読んだ後、ずっと気分はどん底だったかもしれない。

    宮木さん色々な作品を書き分けていてすごいなぁ~と思った。ほんと…巧みすぎる。末恐ろしい。

  • 「校閲~」からの連続で宮木さん。

    同一人物の書いた作品とは思えない。
    驚いた。
    どちらかというと病んでる人たちのお話。

    振り幅が大きいなぁ。題材は女。
    屈折していて、ねとねとしていて、
    凶暴で狂喜に満ちた心を持つ。
    女以外にこんな生き物はいない。

    本のタイトルの付け方が
    秀逸。

    作品の一文をタイトルに持ってくるなんて
    しかも、この一文はとても心に残る。

  • まずタイトルがいいよねぇ…。
    飴玉みたいに、何度も口に中で転がして味わいたい。
    泥沼の恋愛が主と見せかけて、ほとんど母娘が主軸になる短編集。
    母親から与えられる愛情から呪縛を切り離すことは難しい。
    プロローグとエピローグに当たる部分の言葉がとても上手くて、ぞくっとした。

  • 全体にじっとりと湿っている感じの本だった。
    最後の話が一番嫌だった。

  • ただただ暗くて悲しい女性たちの短編集。

  • ヒグチユウコさんの表紙絵があまりにも美しくて装丁買い。本から外すと横に長い一枚の絵になっている。オフェーリアかな。これだけ額に入れて飾っておきたいくらいきれい。

    中身のほうは短編集だけれど、どれも不倫だの虐待だの痛々しい恋愛ものばかりで正直読み終えて良い気分になるものではない。なかでも「泥梨の天使」の気持ち悪さときたら。いわゆる毒母ものなのだけど、娘に依存するあまり過干渉な母親の行動に吐き気がしそうになった。ただ宮木あや子は基本的に上手いので、どの話も「つまらない」のとは違う。共感できないな、したくないなと思うだけ。

    いちばんマシだったのは「天国の鬼」虐待の連鎖自体に救いはないけれど、回想の中で、虐待されている自覚さえなかったヒロインを連れて逃げてくれた男の子の存在に少しだけ救われる。「喉の奥なら傷ついてもばれない」というタイトルの作品は収録されていないけれど、このセリフを言う人物が、少女ではなく少年のほうだった意外性は良かった。

    ※収録作品
    天国の鬼/肌蕾/金色/指と首、隠れたところ/ろくでなし/泥梨の天使

  • 病んでるなぁ。かなり。
    でもこういうの結構好きなんだけど
    刺さってくるものはあんまりなかったなぁ
    なんか無理して作ってる感が否めない。

  • まあまず表紙の美しさに惹かれる
    美しいものって残酷にも見えるからこの本にとても合っていると感じた

    思うことはいくつもあるけれど、【泥梨(ないり)の天使】については最後の最後に息苦しくて本当に最後まで読めないかと思った、けど息苦しい中じわじわ来るものがあるのに最後まで読んだ

    この自虐(自傷行為に似てる)伴う読書、宮木さん流石だなーって思った

  • エグり エグられ、
    傷つけて 傷つけられても、
    その愛が欲しい。
    そんな 禁忌を犯した人妻たちの、6編の短編集。
    最初の、「天国の鬼」
    未熟な恋の爪痕を 残そうと、
    『喉の奥なら、傷ついてもばれない。』
    少年の言うセリフが切なくて。
    だけど、青春ラブストーリーで終わらない。
    痛い、辛い、恐ろしい…
    短い物語で、いろんな感情沸き起こり、
    忘れられない一編となった。
    最後の「泥梨(ないり)の天使」
    母親が抱く、娘への
    過保護な愛が、危険すぎる

  • 図書館

    どの話も今どこかで起きているような感じがして、それが余計に重苦しい読後感を与えられる本だった。
    特に最後の虐待ともいえる程、母親の監視下におかれた女の子とか....
    物語の構成として気に入ったのは、年老いた男と、その息子、孫とも関係をもっている女性が、旅先で出会った女学生を旅館に連れ込む話と、一時の束の間、暴力団の女となるけれど、その男の突然の死で(男が女を逃がすシーンがかなりよかった)また元の地味な生活に戻る女性の話が印象に残った。

  • 16/07/18
    『校閲ガール』とかなり、だいぶ、感じが違っててびっくり。どの話も気持ち悪い。特に最後の「泥梨の天使」の気持ち悪さったらない。

    ・ほら、正解なんていつだって不正解だ。(P38)

    ・人生の転機というのは意外と簡単に訪れる。その転機が転落になる可能性も秘めて。(P162)

    ・さよなら、束の間の夢のような生活。
     おかえり、これまでの冴えない私。(P195)

  • 読んでいる間中どうしようもない嫌悪感が喉の奥からどんどんせり上がって、うわあ、うわあ、とうめきながら、それでも読むことはやめられない、みたいな本だった。
    この人の作品はもう読まないかもしれない。
    と、思ったけどレビューを見ると結構書く作品にふれ幅がある人なのかな?
    あまりに豪速球の、粘ついた負の感情を投げつけられて今胸焼けしてます。

  • つらい。あまり自分にマイナスの感情のストックがないものだから、どうしてもそこまでやる?と思ってしまう。
    元気で前向きな女の子のお話の方が好きです。

  • ヒグチユウコさんの怪しげに美しい装画も光る。耽美な世界を感じる。理解不能だけれど美しく醜い。結構好きです、宮木あや子のこの世界観。

  • ☆天国の鬼…うーん、「春狂い」思い出す。
    比べれば、全然救いがあるけれど。
    この2人は、結婚には向かないのだろうなあ。
    そんなほのぼのと日なたで笑い合ったり、ささいなことで喧嘩したり、そういう家庭的な風じゃない。もっと余裕がなくて、それしかなくて、求めることも求められることも必然。引き付けあう力が半端ではないというか、だからこそ2人で生きることを現実にしちゃいけないっていうか。今ぐらいの距離がベストなんだと思う。一番愛していても、一番近くにいない方がいいことも、あるのかあ。

  • 金魚の話は別のアンソロジー本でも読んでたけど、やっぱり好きだなあ。

  • すごかったなぁ。嗜虐性が共通して流れていて、母と娘の関係はとくに壮絶でした。最後のサプライズがなかったら、若いひとが読む本だよな・・・(厨二っていうか)とだけ思って終わったかもしれない。

  • 2月19日読了。図書館。

  • 痛い方の宮木さん。
    しっかり、痛いです。
    ぐさぐさ、刺さります。

  • 宮木あや子が炸裂しててとても満足の一冊。
    不倫をしている人妻というのがテーマでしたが、描かれている女性の狂気は様々。
    痛くて、苦しくて、一見普通にみえる彼女たちが内に秘める闇はこんなにも深い。
    宮木あや子の麻薬のような筆致でくらくらするほど濃密に融解されていました。
    それぞれの物語に沿わせた比喩も素敵だった。

    「指と首、隠れたところ」はいつかアンソロジーで読んだことあったな。
    あの頃はフーンて感じであっさり読んでしまったのだけれど、なんだか今回は違った。
    不倫したあの日の私はどれほど特別だったか、というその罪の甘美さがたまらなかった。

  • どこか病んだ既婚の女たちが主人公の短編集だ。
    母親にされたのと同じ虐待を娘に繰り返してしまう主婦、オーガニックな食事と律した生活にしがみつく女、自分の娘の行動を逐一確認して支配下に置かねば気が済まない母親・・・いずれの異様さも、幼少時の家族との関係や生い立ちの問題が原因、という顛末はちょっと安易な気がしなくもなく。
    陰鬱で病的な情愛と性はこの作家の得意とするジャンルだと思うのだけれど、やや食傷気味。
    個人的な好みとしては「野良」ジャンルの宮木あや子が好きだ。

  • 女性を描いた短編集。
    不幸な身の上の女性の劇的な話が多い。
    ちょっと毛色の変わった「泥梨の天使」という話が、自分が母親ということもあり、おもしろく読んだ。

  • 現代ものの短編集。面白かった。やっぱ宮木さんの文章すきだな。偶然起こりすぎがちょっと気になったのでそこがもう少し違った展開なら尚いいかも

  • こういう風に考える女性もいるだろう。

  • 短編集。
    前作と同じ人とは思えない、この雰囲気の違い。
    そして短編集なのに、一話一話しっかりしててハズレの話がない。
    冒頭にある「愛情と呼ばれる檻につながれている人へ」この一文だけでゾゾゾッとする。
    挿絵もピッタリで「怖~」と感じるような。

    「天国の鬼」自分も受けていた虐待を、同じように娘に行う母親。中学生で虐待から逃亡→駆け落ちした時の相手の喉の奥に指を突っ込んで「喉の奥なら、傷ついてもばれない」・・・・そういうことか・・・・心情的なタイトルじゃなかった。本当に爪でガリッといってた。私なら、吐く。

    最後の話はつらかったな・・・・怖い怖い怖い、お母さんやめてぇ。娘はそのうちおかしくなるか、母親を殺してしまうのではないかと。でも幼い頃に両親をなくした母親の叫び「誰も育児を教えてくれなかったわよ!」は心に突き刺さった。そらそうだ。誰も正解なんて教えてくれない、自分が正しいと思った方へ進むしかない。
    でも間違ってますよー!娘、苦しんでますよー!

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喉の奥なら傷ついてもばれないの作品紹介

出たいよ、出して。
お願いだからここから出して。

どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。
罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。

恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。

二十歳で八十歳の巌夫と打算ずくの結婚をした麻貴は、巌夫の息子、さらに孫とも不倫をしている。ある日、ふらりと赴いた旅先で出会った女学生に抱いた気持ちは、未だかつて経験のないものだった。(「金色」)

喉の奥なら傷ついてもばれないはこんな本です

喉の奥なら傷ついてもばれないのKindle版

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