幸腹な百貨店

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 386
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198110

感想・レビュー・書評

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  • 著者の本なので、お料理と人間模様が明るく書かれているんやろなと安定の期待値で読み始めたんやけど、前半はちょっと読み進めるのがしんどかった。
    たぶん、伝治さんがすごい批判的やからかもしれん…。わかるんやけど、そんなに愚痴ばっかり聞かされてもなあ、と、思ってたら、後半からはものすごいいきおいで「著者節」が出て、一気読みした。読了後はとてもよかったです。

    わたしは伝治さん世代でもなければ、新田くん世代でもないけれど、どちらかというと伝治さんに近いかな。
    バブルは子どものころに見ていたし、ついでに「この好景気はもうすぐ終わる」と、同時に聞かされてもいて、なおかつ自分たちが働き始めたら景気は落ちた。
    「あー…。これが…」
    って感じ。

    だから、「やればやるだけ結果がでる」のも見てきたし、「やってもあまり結果がでないこともある」というのはど真ん中で体験した。でも、今の若い人は「やれば結果がでる」ということを知らないのに、「努力しろ」と、言われてるんやなあとしみじみ思った。
    そりゃあ、やらんわ。

    でも、人を動かすのは一生懸命な何かやとも思うので、楽しいことでも好きなことでもなんでもいいから、自分の力で結果が出せるという成功体験をどんどんすべきなのかもしれへんな、と、思った。

    この話もシリーズ化してるのかな。続きがあれば読もう。堀内百貨店も、商店街も、これ以上話が広げられるんかな。それとも違うキャラにスポットをあてるんかな。
    著者お家芸かと思っている食べ物とお酒が今回はわりと薄め(これでも。笑)やった気がするのも新鮮やったかな。
    あっでもタイトル…(笑)。著者のこういうところが好き。

    ここがぼったくりと世界観が重なってたら、それはそれでちょっと違うかなあと思っていたので、まったく違う軸の話でよかった。
    出版社が違うからそもそも重ねてはこないかな。そうか。笑

    あと、著者の体言止めの文章が最初はひっかかってんけど、だんだん癖にになってきた。笑
    だんだん増えてきてる気がするけど、それこそ著者の味なのかもしれへんな。

著者プロフィール

2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、「いい加減な夜食」にて出版デビューに至る。他著書に「居酒屋ぼったくり」(アルファポリス)他、「幸腹な百貨店」(講談社)、「放課後の厨房男子」(幻冬舎)などがある。

「2020年 『居酒屋ぼったくり5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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