図書室で暮らしたい

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著者 : 辻村深月
  • 講談社 (2015年11月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062198349

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図書室で暮らしたいの感想・レビュー・書評

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  • 辻村深月さんの誠実なお人柄がしのばれる、素敵なエッセイでした。

    「九月三日って何の日かご存知?」
    「ドラえもんの誕生日~♪」(言える・笑)
    ドラえもんが大好き!それだけでも、辻村さんに勝手に親近感を持っています。

    友人の服についたままのしつけ糸を、こっそりさりげなく教えてくれた女性のようになりたい辻村さん。

    高校時代、早く新刊が読みたくて、学校をさぼって都会の書店に行っていた辻村さん。
    (もう時効だからと公表。ふふっ)

    自分の好きな商品が、売り場から消えてしまうことが多く(私もそう…)
    その商品を守るべく、せっせと買い続ける辻村さん。

    「最後の晩餐に何が食べたいか?」の問いに、
    亡き祖母が握ってくれた、味噌むすびと答える辻村さん。

    中でも、おみやげでいただいた、お子さんの新幹線の靴下のくだり…。
    わかります。旅先で自分のことを思い出してくれたことが嬉しいんですよね。
    私もかわいい雑貨屋さんで、おみやげを選んだりします。(名産品より喜ばれたりする)
    名所観光より、その時間の方が楽しかったりしてね。

    数々のエピソードを読んで、温かなご家族の中で、大切に育てられた方だと感じました。

    そんな辻村さんのように、相手のちょっとした心遣いに気づき、
    素直に感謝できる、柔らかい心を持ちたいなぁと思うのです。

  • 私が大ファンである辻村深月さんのエッセイ集。
    幼い娘さんとのやりとりなどは、実にほほえましいし、彼女がまだ作家になる前、憧れの作家に会いに行く場面での緊張感なども愉快で、読んでいてとても心が安らぐ。
    「子供たちは夜と遊ぶ」の“浅葱”のその後を書く予定、という彼女の意志表示もされており、辻村深月ファン必読。

    漫画「ジョジョの奇妙な冒険」(作者の荒木飛呂彦氏は、仙台の私の中学、高校とも後輩になる)に対する思い入れなども面白い。
    ここには彼女が小説に対峙する姿勢が描かれている

    “「大人が薦める本」の一つになどなってたまるか、という意地があった。”
    (P113)

    しかも、私はこのエッセイを読んで不覚にも落涙してしまった。
    エッセイを読んで泣いたことなど長い人生のなかでおそらく二度目。
    初めてエッセイに感動して泣いたのは瀬尾まいこさんの「ありがとう、さようなら」だ。

    そんなわけで、印象に残った文章の引用を多く用いてレビューとさせていただきます。

    「成人式の日」
    彼女は小学生の時から小説を書いて、周りの友人たちに読ませていたと言う。
    だが、大学に入ってもその欠片(小説家になるという)も見せることができず、成人式で高校時代の友人たちに会うのが後ろめたかったそうだ。

    それから数年後、「メフィスト賞」を受賞し、本物の作家になった彼女に対して周りの友人や職場の人たちは「おめでとう、夢がかなったんだね」と喜んでくれたが、高校時代から彼女の小説を読んでいた友人たちだけはこう言ったそうだ。
    「おめでとう、でも、いつかなれると思っていたから驚かないよ」)

    そして、最後に彼女はこう締めくくる。

    “今でも時々、思い出す。成人式の日の私に、そして、こう言ってやりたくなるのだ。
     後ろめたく思うことはないから、顔を上げて、堂々と笑っていればいいんだよ、と。
     あなたのことを、あなた以上に信じてくれている人たちが、きっといる。“(p179)

    「うちの子へ」
    ここにはまさに、彼女の二歳の娘さんに対する愛情が凝縮された文章が綴られている。

    「十七歳のサイン会」
    “作家になり、かつて憧れていたフィクションの向こう側に来た今だからわかることがある。
    読者が作者以上に、その作品や、登場人物を愛することはある。自分が書いた以上のものを読者がそこに見ることは多分あるし、その意味で、作品は読者を絶対に裏切らない。そんな小説を、これからも送り出して行きたいと思う。
    私を生かしてくれた小説とフィクションは、そういう、とても優しい世界だった。
    私をここまでつれてきてくれて、ありがとう。この恩に報いる道を、私はこの場所から一生かけて探していく。“(283P)

    この彼女の決意(特に最後の一行)を読んで胸が熱くなり、何故か涙があふれ出た。
    彼女の作品に登場する”コウチャン”も”環”も”ふみちゃん”も”いつか”も”あすな”も、私は実在の人物のように愛おしかった。彼女が言うように、作品は世に出た瞬間から作者のものではなく、読者のものになる。そこに描かれた実在しない人物、或いは虚構の世界に私たちは共感し、感動する。
    小説というのはそういうものだ。

    最後に
    「本の世界の向こう側」に行ってしまった辻村さんへ───。

    これからも、あなたのデビュー時代からのファンの期待に応えてくれるような“白辻村”路線の作品、「その素晴らしさが大人になど分かってたまるか」というような小説を書き続けてください。<(_ _)>

    もし、仙台にサイン会などでいらっしゃるようなことがあれば、是非行かせていただきます。そしてあなたにこう言わせていただきます。
    「新刊を楽しみにしています」と───。

  • 辻村さんの文章はとても好きなのだが、まだ作品を全部読めていない。
    今回のはタイトルに惹かれて、すぐ読んでみた。

    素直に正直に書かれていて、作家でありながらも、1人の女性なんだな~と好感がもてる。

    来年の目標の1つとして、彼女の作品を全部読む事にしよう!

  • 「この本、辻村深月さんの本ですね♪」
    図書館の貸出しカウンターの女性が話しかけてくれた。

    全く知らなかったのだけれど「へぇ、有名な作家さんの本なんだ。」と思い、「楽しみです♪」と言って借りた。

    検索してみると、たくさんの著書が出てきた。
    直木賞をはじめ、数々の賞を受賞している若い作家さんだった。

    『図書室で暮らしたい』
    なんて素敵なタイトルだろう!!

    活字と本と、
    紙の香りに囲まれて暮らせたら、
    なんて幸せだろう!

    内容は本好きなことばかりでなく、
    日常の出来事がちりばめられた優しいエッセイだ。
    図書室で暮らしたい、とまでは思わない人でも、とても楽しめると思う。

    小さいお子さんを保育園に預けながら、作家の仕事をしているという辻村深月さん。
    あたたかな日常の光景や、保育園への感謝など、
    文章からは素朴な人柄が垣間見える。

    でも、高校生の時にはすでに小説を書いて友人たちに見せていたとか、あまりに本好きで家で読むのをはばかられ、下校途中の道で自転車にまたがりながら暗くなるまで読みふけっていたとか、素晴らしい物書きになるべくしてなったんだなぁ、と思った。

    それにしても、辻村深月さんの学生時代の、小説や作家さんたちへの驚くばかりの熱い思いは、情熱を傾けるものは違ったけれど、あの頃の私を思い出させてくれた。

    輝いているけど傷つきやすい、それでいてたくさんのワクワクが詰まった懐かしい学生時代。

    楽しいあの頃の私に戻れて、このエッセイを読んでいるときは本当に楽しかった!!

  • 辻村さん作品は、新刊が出るたびに読んでいるので、ファンなんだけど
    このエッセイは辻村さんの人となりだったり、好きなものだったり作品の解説がぎゅっと詰まっていて、さらに辻村さんいいなーと思ったし
    辻村さんを知らない人も作品を読みたくなるんじゃないかなと思った。

    辻村さん本人が簡単に作品について解説してるのがあって、またこの作品再読したいなーと思ったりもしました。

    1児の母となった辻村さんのお子さんとのエピソードもすごくほっこりしたし、
    お子さんにあてた手紙もすごくよかったな。

    あたしも自分の子ができたら、あんな手紙を書いてみたいと思う。

    大満足のエッセイでした!

  • 辻村さんいいなあ。プロムナードに載ったものを中心に作られたこの本。元々プロムナードは好きで読んでたけど、こうやってまとめられて改めて読むと、人柄とかが伝わってきてあったかい気持ちになった。ふだん、小説家のプライベートな感じは見たくないと思う方やけど、この本はまた読み返したいと思う本になりそう。実はあまり作品は読んでない。これから読んでみようかな。
    2016.3.7

  • 綾辻さんとのエピソードはすごくグッとくるものがあった。才能が勿論あったから今成功されてるんだろうけれど、それ以上に小説家になりたいという気持ちが強かったからというのもあるのかなと思った。何かを目指すにはそれくらいの覚悟と気持ちが人や運を引き寄せていくのかも。

  • 辻村さんは愛に溢れ人との繋がりを大事に思い本が大好きなんだと感じます。
    好きな本やアニメや音楽とか作品を書いた背景を知ることができて私ももっといっぱい優しい世界にふれたいと思いました。
    『うちの子へ』と『出さない手紙』を読んで、文字にして伝えるってことを大切にしている辻村さんをますます好きになりました。

  • 作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの・・・etc.すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集。
    さくさく読めました。やはりエッセイよりも小説の方が好きですが。面白い作品については興味を惹かれるものもあって今後手を出してみようかなと思います。自作の解説はあまり見ないスタイルで斬新ですね。あとがきとはまた違って面白いなあ。作家になっても変わらず誰かのファンで、様々な作品を愛する姿勢に共感を覚えました。子育てに関しては自分がまだ経験ないせいかもしれないけど、別に辻村さんだから書けた文章ではない気もする。あっさりしてあまり心に残らなかった。

  • 作家、辻村深月の普通の日々が見えてきた。
    その作品に出会ったのは学生の頃。
    図書館で手に取り、すごい、と思ったのだ。
    その本の題名は、『ぼくのメジャースプーン』。
    その後、『凍りのくじら』『冷たい校舎の時は止まる』など、作品を読み続けた。
    母から好きだねえ、と笑われるほど、ずっと読み続けていた。
    そう、大好きだ。
    そして本書。
    エッセイを読んで、やっぱり、大好きだと思った。
    母親になってからの苦労、ホラー、その他もろもろ、感性が合うということはこういうことなのだろう。

    「赤ちゃんとホラー映画」はこの怖さがよくわかる。
    私の場合は早朝や深夜に机や台所の灯の中で静かに本を読んでいる時に起きる。
    ふすまがスーッと開く。
    そして、ひたひたひた、と......。
    超絶強いところを読んで、怖い怖いと思いながらトイレに入っていると、突然取っ手がすごい勢いでガチャガチャガチャと動かされる。
    あるいは開けた時に、丸くなっている子供が。
    恐ろしい時、人は叫べなくなる。

    「怖い夢」も納得。
    仕事に遅刻した、時間を間違えた、そういう夢も飛び起きた時に心臓がばくばくいっているが、お迎えを忘れるというのも現実感が溢れていて怖い。

    自作解説、好きなもの、直木賞が決まってからのこと......。
    いろいろな出来事が生き生きと綴られている。
    それが自分に対する反省であったり、日常のちょっと不快な出来事であったり、誰かに対する励ましであったり。
    それわかるよ!だよねー!と、勝手に私は友達になったつもりで読み進む。
    夢を叶えた友達に、憧れ、ちょっとばかり羨ましく思い、心から祝福する、そんな古い友達であるかのように。
    いつか私も彼女が見ているフィクションの向こう側に行ってみたい。
    消費するだけではなく、生み出す立場になってみたい。
    そんな野望を刺激する、素敵なエッセイだった。

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図書室で暮らしたいの作品紹介

「好きなものが多すぎて、ごめんなさい!」

作家になる前から、作家になってから、
夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、
音楽、映画、美味しいもの……etc.
すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集!

特別収録!
短編 おじいちゃんと、おひさまのかおり

図書室で暮らしたいのKindle版

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