彼女がエスパーだったころ

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著者 : 宮内悠介
  • 講談社 (2016年4月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199643

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彼女がエスパーだったころの感想・レビュー・書評

  • 初めて読んだ宮内悠介さんの小説でした。
    あまりに好みなので鉱山の中で宝石を発見した気分になった。
    テーマにしている疑似科学は昔『トンデモ本の世界』とかを好んで読んでいた私には懐かしく、ミステリ仕立てにしたお話の謎は魅惑的で、おまけにほのかな恋愛風味も。このさじ加減が絶妙でした。
    ずっと読み続けたい作家さんがまた増えました。

  • 人類が現在のこの座を奪われる時が、いつか必ずやってくるのだろう。
    それは、次の知性体が、今の人類と同じレヴェルまで進化した時なのか。
    それとも、ただ単純に、人類が退化しただけのことなのか。
    という問いを投げかけられている気がした。

    望もうと望むまいと、何度でも沸点は訪れる。
    望むと望まざると、必ずその時は訪れる。

    科学では説明できない、けれど「似非科学だ」とは言い切れないある種の法則に、結局のところ私たちは支配されてしまっているのかも知れない。

    けれどそれらの法則を捻じ曲げてしまえるのは、人間の想像力だけだ。多分、今のところは。

  • いつも何のジャンルなのか分類に困る宮内作品。作品の雰囲気が好きで新刊が毎回楽しみでなりません。


    「百匹目の火神」シンクロニシティ、百匹目の猿現象
    「彼女がエスパーだったころ」スプーン曲げ、メタルベンディング
    「ムイシュキンの脳髄」オーギトミー療法、ロボトミー殺人事件
    「水神計画」ミーム、水からの伝言
    「薄ければ薄いほど」プラセボ効果、ホメオパシー
    「沸点」性とマインドコントロール、カルト、ヘヴンズゲート事件


    なんとも言えないジャンルを素材にしているので、帯を見ただけで即予約しました。難しくって眠気に襲われながらも読了。「ムイシュキンの脳髄」「水神計画」や「薄ければ薄いほど」あたりは面白くて一気読み。雰囲気は森さんの『オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ』と似ている。

    ただ誰の視点なのか(誰のセリフなのか)ぼんやりとしていて取っつきにくい。元エスパーが登場したりして、ああなるほど…と思ったけどわかりにくい。やっぱり短編よりも一つの話にまとめて出してほしいような気がする…。(そうなるとネタてんこ盛りになってしまうけど…)中途半端に中編ものよりも、思い切って600ページくらいの超・長編作品とか読んでみたいかも。

    倫理のエッジ(169ページ)とかカッコいいなぁ。こういう細かなセリフとか文章が好きです。科学、疑似科学、非科学、信仰(宗教)が遠いようで近い場所にあって、その間をうろうろしているような感覚を味わうことが出来て面白かったです。

    相変わらず参考文献の量がすごい。

  • SF、なのだろうか。ジャンル分けが難しい小説。

    6つの短編は、共時性、スプーン曲げ、オーギトミー療法、言葉による水の浄化、プラセボ効果、ティッピングポイントといった、科学とオカルト(?)の境界にあるトピックを軸に展開する。
    主人公は記者で、最初の方はまったくの語り手に徹しているが、話が進むにつれて当事者として巻き込まれていく(もしくは踏み込んでいく)。

    ドライな感じで話が進み、終わっていくように見えて、突き詰めて考えれば深く含蓄のある台詞や一文が、物語にくさびを打ち込んでいる印象。

    人の心の機微を丁寧に描く小説が好きな人にはアレかもしれない。が、枠組みの見事さがすごい小説だな(枠組内に読者がいろいろと詰め込める)と思った。
    あと、サブタイトルの英訳が、いいと思った。

  • 6つの作品が並ぶ。
    火を使うことを覚えた猿、スプーン曲げの少女、
    脳幹手術をうけたロッカー、インチキ科学を奉じる宗教、
    医療拒否するホスピス、脱アル中の匿名会の事件

    ルポライターであろうか?語り手が同一人物であるらしいことで、ゆるく繋がっている作品集。
    表題「彼女がエスパーだったころ」の彼女・及川千晴も、あちこちで登場する。

    SFという形態ではあるけれど、社会の”企画”に合わない人間が、どのように折り合いをつけて人生を消化していくか、そういう悲しみや辛さがたくさん詰まっている。
    宮内小説は、いつも”異質”を意識させられるんだよね。
    でも、縁もゆかりもない全然関係ない”異質”とは違う。
    ちょっと何かを知っている、変わったことができる、体をこわす、心が疲れる そこから生じる異質......

    最後は救いがあります。
    大事な人のことを大事にする力こそがエスパーかも ....

  • 宮内悠介面白そうだな、どの作品を読もうかな、とリサーチしていた矢先の吉川英治~でしたので、ヨシキタとこの本を選びました。
    短編集で、連作……に当たるのだろうか。関係性はありますが、因果関係は強くない模様。
    ドライなようで実はウェットなのかその逆なのか、私には判断が難しいです。
    狐につままれたような読後感、さらにその後やってきた、幻の狐を追い求めるような感覚、かなり独特なもので、クセになりそう。良い作家さんだなあ。

    収録作の中で一番ツボだったのが『百匹目の火神』。
    猿による全国規模の連続放火をめぐる話。エンタテイメント的なものと文学的なもののブレンドぐあいが、とても私の好みに合いました。ラストシーンは「あざといぜこんちくしょう」とつぶやきながら、でも感動しちゃうもんはしちゃうんだから仕方ないじゃないですか。

    『水神計画』も好きです。言葉により水を浄化する、世界を浄化するという精神世界めいた<水神計画>に主人公は関わっていくが、意外な方向に。
    このタッチでこの展開を書いてしまうことがまず異常でした。なんだろこれ、とやや戸惑いながら読み進めましたが、主人公が窮地に陥った時の光景が面白く(限定的な愉快ではなく)、この頂点に、それまでとそれからの諸々が収斂されていく様が興味深かったです。

    他の本も読んでみようと思います。

  • ちょっとダークなオカルト。好きです。

  • 途中まで連作と気づかず。
    房総大学って二流にしか聞こえん。
    この人は人の本読んじゃあ
    つぎはぎして話作るタイプなのかな⁇
    なんかホワホワして深みがない。

  • アマゾンには「SFの枠を超えた」とあるが、これはそもそもSFじゃない。オカルトや疑似科学を中心にしたミステリで、それぞれ決して深入りすることはないが、社会風刺をピリッと効かせてある。社会風刺と言えば、昨今のネットでの誹謗中傷に対しても、効果的な不気味さを演出した批判がなされている。どの短編もひねりは少ないが、なかなか面白いオチが用意されていて、引き込まれた。

  • さばさばと淡々と。
    冷たさを感じる程の物静かな文体。
    これが苦手と思う人は全くダメな一冊だと思われる。
    けれども、ワタシは宮内さんのこのクールな文体が
    大好きです。
    しかも短編。
    長編よりもキレの良い短編の巧い人だと思うので、
    猶更良い一冊でした。
    ジャーナリストと思われる男性の一人称(っぽい)語り口で紡がれる短編で、最終的に何となく一つに
    纏まる作りなのもよろしいです。
    悲しかったり、切なかったり、ちょっと温かさを感じてみたり。
    こういうのが書ける若い人は貴重だと思います。

  • 全国大学ビブリオバトル2016地区予選(京都決戦>地区決戦>予選)のチャンプ本。市図書館にて。

    どうも苦手な文章であった。語り手をどこまで信用して読むのが楽しい読み方だろうか。

  • ちょっと不思議な世界観の短編集

  • 疑似科学とディープに交わる。タブーに腰まで浸かってみるスリル。しかし表紙とても格好いいな。

  • ロボトミーなんて言葉知らなかったな。

    引用
    「まず葛藤や軋轢がある。そして、価値観を変えるような事件が起きる。主人公は変化し、障壁を越え、そして成長する。……わたしは、こうした物語にこそ暴力を感じる」
    〜「実際は、人間が変わることなんかない。ちょっとした出来事や小さな変化のたび、変わったかもしれないと希望を持つ。そして翌日には、また元通りになっている」

    そうかもしれないな。
    孤立は暴力を生む。これは本当なのかな?だったら悲しい。

  • 僕にはもう宮内悠介を読み解く能力がないみたいだ。完敗だ。題材にも展開にも会話にも、何一つ興味を持てるものがなかった。悪口にはなったらごめんなさい。いろんなことが起きていろんな人が登場するけれど、ずっと宮内さんの独り言を聞かされている印象にしかならなかった。
    信仰と科学についての物語なのですか?????

  • 「百匹目の火神」はドライな文体が異様な雰囲気を生んでいて、すごく面白かったけど、それ以降はミステリー寄りな印象があって、作品からミステリアスな雰囲気が無くなっていくのが物足りなかった。連作短編集とするには主人公の存在感が薄い気もする。

  • 小説現代2012年9月号、2013年3、7月号、2014年4、9月号、2015年3月号掲載の6つの短編を2016年4月に講談社から刊行。超能力や疑似科学的な見方もできる不思議な出来事が、記録的に語られます。いずれの話も、ひとまず納得は、するのですが、読後にグレー感が残り、考えてしまいます。「SFという枠を超えた」話とまでは、思えませんでした。

  • 収録作品:百匹目の火神 彼女がエスパーだったころ ムイシュキンの脳髄 水神計画 薄ければ薄いほど 沸点

  • あ、短編なんだ!!
    ていうか!!一話一話の密度が濃い。
    猿の話にガツンと来て、
    表題作にほろっとし、
    堪能させてもらいました。

  • 7月9日読了。図書館。

  • 短編集。サイエンスフィクションであり、少し不思議でもあるSF。けど非科学的な感じもする。
    動物や種の進化に興味があるので、「百匹目の火神」がベスト。
    「ムイキシュンの脳髄」も面白い。

  • 超能力や疑似科学がテーマの連作短編集。
    百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、浄化する水などの事件が、取材する記者の視点から描かれている。
    記者自身も渦中に巻き込まれていくのだが、あくまでもルポ風の淡々とした筆致で物語が進む。派手な盛り上がりはないが、時折心に深く刺さる言葉やシーンがあり、なんというか人間の霊性について考えさせられた。

  • SFも苦手なんだけど、ルポタージュ調で、ぎりぎり本当っぽくて、それはおもしろいなって思った。

  • 『百匹目の火神』
    『彼女がエスパーだったころ』
    『ムイシュキンの脳髄』
    『水神計画』
    『薄ければ薄いほど』
    『佛点』

  •  語り手のわたしとは何者なのか。
     「わたし」が語る、すこしふしぎな世界での短編連作である。

     語られる事件や出来事も魅力的なのだが、もうこれは話芸というレベルで読むのが面白い。文体が好みなんだろうな。

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彼女がエスパーだったころの作品紹介


進化を、科学を、未来を――人間を疑え!

百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」された――。
デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。

彼女がエスパーだったころのKindle版

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