罪の声

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著者 : 塩田武士
  • 講談社 (2016年8月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062199834

罪の声の感想・レビュー・書評

  • 初読み作家。
    「グリコ・森永事件」をモデルとした作品。
    事件から31年経ち、新聞社の企画として事件の取材に当たる新聞記者の阿久津。身代金受渡しに使われた子供の声が、自分のものだと知ってしまった曽根。違う出発点からの目的、そしてスタートだったが、事件を追うほどに線が繋がっていく・・・
    次々と本当の事件の真実が明らかになっていくようで、どこまでが実話でどこからがフィクションなのかが分からなくなる。加害者側の親族という切り口も、複雑な感情を丁寧に描かれていて面白かった。
    実際のテープの子供はどうしているのだろうかと考えると、何も知らない方が幸せなのかなとも思ってしまう。

  • 感想を言葉にするのが難しい。
    実際にあった未解決事件を小説の中で解決させてしまうというのはやや無理を感じる。また、実際にあった事件をなぞっているのでこれを小説と見なすのも抵抗を感じる。
    しかしながら、著者の仮説が正しければ、全ての辻褄が合うというのがリアルで面白い。
    文章も洗練されていて良かった。

  • 913
    3/9の選書ツアーにて購入

  • 4月17日読了。図書館。

  • 森永グリコ事件,新ためて身近に感じました.だんだん引き込まれていく記者と昔のテープを見つけてしまったごく普通のテーラーの主人が,それぞれ独自の調べから出会うべくして出会い,繋がって謎が解きほぐされていくところ,ドキドキしました.子供が犠牲になることは,本当に辛いことです.何とかできなかったのかと警察にも腹が立ちました.とにかくグイグイと最後まで読まされ,登場人物がそれぞれ折り合いをつけられたようで良かったです.

  • グリコ森永事件をモチーフにした話なんだけど、事件後30数年後、取材で犯人を追っていく話なんだけどどうも辛気臭い。都合のいいところも多く話題になるほどの内容でもなかったような...

  • あの「64」を読んだときのような、的なことが帯に書かれてあったが、同じように思った。
    しかし「64」の閉鎖的なある組織の世界とは違って、まったく市井の人が主人公であり、犯罪って日常と表裏一体だということが非常なリアリティを以って迫ってきた。

    しばらく居たロンドンや、出張でつい2.3日前に降りたばかりの高槻、名古屋の描写など、行ったことのある土地が続々出てきて、それも心踊る気になった。

    主要登場人物二人の年齢がほぼ自分と同じで、現実だったら同級生かもしれない人たちの、息詰まる様が、いつも以上に本の世界に没入させてくれた。

    さらに、著者とほぼ同年齢だということに思わず絶句。
    なんという構成力か。
    そうか、世間の同世代はこんな仕事をするのだな。

    他の本も読んでみたい。久しぶりにワクワク。

  • 犯行テープと幼少期の自分の声、“くら魔天狗”の予告状・挑戦状、仕手筋、キツネ目の男と「し乃」での会合、消えた一家、もう一組の子供、「うまくいかなくなると対局の思想を持つ政治家がひっくり返す」…グリコ森永事件が題材。被害者であり加害者の心の未解決事件。

  • おもしろくて一気に読んでしまった。ただ登場人物が多くて、なかなか名前を覚えるのがたいへん。どこまでが本当なのかなぁと想像しながら読む。あの時代の臭い、騒がしさが漂ってくる。

  • 心理や背景について無駄な描写の少ない「素数」的文章で書かれたお話。
    小説という形を借りたノンフィクションみたいな。
    好み。

    ぶっちゃけ前半はあんまり面白味も感じられず、途中で「あれ?これ誰だっけ?」な箇所も多少あったけど(笑)最後まで読んで良かったよ。

    どんな人間も生きている以上背景があるんだな、と今更ながら思う。

    母性神話を信仰するひと達には受容れ難いだろうけど、さ。
    「我」が「母」を凌いでしまう瞬間って、確かにあるんだよね。
    母親だって、にんげんだもの。
    ましてやまだ半人前の頃なら尚更。
    共感はできずとも批判はできないなぁ。私は。

    とは言え、
    あの実際の事件の裏にはもしか本当にこんなひとがいたのかも知れないんだよね。
    総一郎さんの半生を思うと胃のところが重くなる。
    どうかこれからの人生が少しでも幸せであってほしいよ。
    作り話と解っていてもそう願わずにいられない。

  • 2017/3/28-4/5読了。

  • 遠慮なく言えば、私は森グリ事件のファンだった。事件発生当時、関西在住で10代だった私は、連日報道された、犯人の挑戦的で国家権力を揶揄し、マスコミを振り回した彼らの手紙を熱心に読んだ。アナーキー的なものを英雄視し、憧れがあったのかもしれない。森グリ事件は新聞が報道の中心にいた、極めてアナログな昭和の事件だ。SNS全盛の今なら犯人は違った形で挑戦状を寄越すだろう。
    この小説は、未解決の森グリ事件を、架空の事件に置き換えたものの、関わった人たちがどのようにもがき生きていきたかを描いている。これが真実ではないか、そうかもしれない。と思わせる。ただ、文章や二人の主人公がスムーズに受け入れられず、自分の中で消化できなかったのは残念。

  • 30年以上過去の未解決事件「グリコ森永事件」の経緯を忠実に再現した物語(フィクション)です。事件に子どもが関わっていたことに衝撃を受け、知らず犯罪に加担させられていた子どもたちのその後の人生の過酷さに涙が零れました。身勝手に義憤をまき散らす似非義賊の愚かな行為と、子どもを守ることを怠った母親たちに憤りを感じます。事勿れ主義のジャーナリスト阿久津と、父親が犯罪人である可能性に苦悩する平凡な商店主の曽根。この二人の主人公が善良で普通の人たちだったのが良かった。事件に迫る緊張感が面白かったです。

  • 昭和の未解決事件「グリコ森永事件」を題材にした小説。
    偶然自分の声が脅迫に使われたことに気付いた男性と
    年末企画の為31年前の事件を調べる新聞記者が主人公。
    自分がどうして事件にかかわっているのか?
    そして事件の真相は?
    事件発生日時、場所、脅迫状などを忠実に再現していて
    当時の臨場感、緊迫感が伝わってきます。
    単に過去の真相に迫るだけでなく、
    そこから未来に繋がる結論になっていることに
    希望が持てます。
    本屋大賞取れたらいいのにね。

  • 「グリコ・森永事件」残念なことに、ほとんど予備知識なく読んでしまったので、事件概要について行けないところもあった。
    記者目線の方が多くなってしまって、「加害者家族」の視点は結局少なかった気がする。
    事件の真相に少しづつ近づいて、交差する?しない??の展開にドキドキしました。
    2017/2/26読了

  • 「未来につながる記事」その思いが叶った。

    一つの事件、その裏にはたくさんの出来事、人の思いがたくさんあります。
    現実のどの事件でも未来につながる解決が出来たらいいなと思います。

  • 久々に軽くない長編を読んだ。いつも通り、最初はなかなか頭に入らずゆっくりペース。しかし、中盤からは一気読み。
    子どもを犯罪に巻き込む事の愚かしさ、そして意外なほど中身のない動機にやりきれない思いになりました。今だからこういう読み方になるのでしょうが、全ての子どもが幸せでいてほしい。

  • かの有名な「グリコ・森永事件」を下敷きとした、ミステリーだ。
    書店で本を手に取ったとき、印象的な装丁と、帯の背表紙側に書いてあった「これは、自分の声だ。」という一文に惹かれた。
    主人公の青年俊也は父の遺品のカセットテープを再生すると、自分の幼いころの声が録音されていた。そしてそれは「ギン萬事件」という未解決事件で、犯人が警察に指示を送ったときの音声とまったく同じだった。俊也はカセットテープに加え、英語混じりの手帳を手に父の友人、堀田とともに独自に事件について調べることにする。
    そしてもう一人の主人公、文化部の記者阿久津はテレビ番組の特集のため、「ギン萬事件」について調べるよう命じられる。その事件の4ヶ月前に起こった、「ハイネケン事件」の手口が似ており、それを調べていた東洋人が事件と関係があるのではと取材に行くことになる。

    まったく別の地点から同じ事件を調べ始めた二人。
    少しずつ事件の闇に近づいていくごとに、事件の怖さが見えてくる。

    登場人物すべてに、人生があるのだと思える作品だった。
    すべてが書かれているわけではないが、どうしてこんな事件が起きたのか、家族はどうなったのか、犯人は誰なのか。
    綿密に調べられて書かれていることも分かるし、背景をじっくり想像して書かれていることも分かる。
    創作のお話を読んでいるというより、本当にあった事件を作品にしたような重たさがあった。次々と明らかになることが、正しく「真実」のように思えてしまうリアリティがすごい。
    真実を知ることが怖くなっていく俊也の気持ちも、関係者を知ることで事件をさらに暴いていく阿久津。
    ふたりの真剣な気持ちが読んでいて刺さる。
    とても面白かった。
    そして未来につながるような結末も良い。
    「グリコ・森永事件」の奥にも、もしかしたらこんな人間ドラマが広がっていたのかもしれない。
    ラストまでずんずん進んでいく面白さがありました。

  • 230ページで挫折。

    本屋大賞2017ノミネート作品
    えらい高評価なので読んでみました。

    かの有名な「グリコ森永事件」をベースにしたフィクションです。

    30年前の事件の真相を探りながら物語が進むのですが、事件をなぞるのが主題なので、躍動感がないし、面白味に欠けるというのが素直な感想。

    200ページ読んでも全く筋が見えなくて、読み進めるのがつらかった。

    これ、評価高すぎなのでは?って感じがします。

    エンタメを求める人には不向きだと思います。

    残念。

  • 読んでいて感じた違和感は、この作品そのものがルポそのものであるという事実から来ているものであった。小説の進行上、端折れる部分や、明らかに無駄な情報であると感じた部分も、全てルポに倣っているからこそ。途中、しんどいなぁと思った部分もあったが、それは最後の家族の温かさを引き出すまでの、長い長い前フリなんだと思う。「俊也も思い出さずにはいられなかった。詩織が初めて立った時に、亜美と手を合わせて喜んだ日のこと、腰痛で寝込んでいたときに小さな手で一生懸命腰を揉んでくれたこと、叱られている最中にもかかわらず、泣きながらみかんを口に入れたこと。何百、何千回と抱きしめた娘の存在がこの上なく愛しくて(後略)」の部分で、塩田武士という作家の素に触れた気がした。本当に、リアルな温かい一文。また、鳥居の言葉の「俺らの仕事は因数分解みたいなもんや。なんぼしんどうても、正面にある不幸や悲しみから目を逸らさんと、『なぜ』という想いで割り続けなあかん。」という言葉は、真理であると感じた。

  • 2017年3月19日(日)読了

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