あの日

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著者 : 小保方晴子
  • 講談社 (2016年1月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200127

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あの日の感想・レビュー・書評

  •  ざっと読んだのでメモ程度に。
     発売前、宣伝なのか同じ出版社系列のWebサイトにこの本を紹介する記事があったので読んでみた。その文体は現実離れした、小説のような雰囲気を醸し出していた。私が求めていたものとは違うと思い、買う気がなかった。しかし怖いもの見たさか読んでみることにした。
     ざっと読んでみると、私の予想は一部外れていた。各章の頭に、小説っぽい文が取って付けたかのようにちりばめられていたが、全体の内容は淡々と読み進められた。少なくとも小保方さんが語った内容をベースにしているとは思った。
     その中でも気になったのが、実験の過程で小保方さん本人はおかしいと気付いていたが周りの声に流されて進んでしまったことと、アカデミアの権威たちの手のひらの上で転がされて進んでいったことの2点である。前者は自分の意識を高く、後者は低く見積もっている。つまり、矛盾しているのである。論文の報道会見から弁護士を伴った会見まで小保方さんを見てきたが、後者の想像は容易にできても、前者の想像は全くできなかった。本人はその意識がおそらくないだろうが、上司(の中でも特に男性)の心をつかむのがとてもうまいというのは、本を読んでみても窺える。とはいえ、そうふるまいつつも、「私は気付いていました!」というのは、“いいとこどり”すぎるのでは。
     私個人の意見としては、こういう本が出版されることは腹立たしいことだと思う。しかし同時に、「確実に売れる」と思ってもいた。だから、あの『絶歌』を売り出した太田出版のような出版社ならやりかねないと思った(ブックカバーのデザインがそれを彷彿とさせることも含めて)。週刊現代などの媒体を持っているとはいっても、まさかあの講談社が出版してくるとは思わなかった。それがこの本で最も衝撃を受けたことだ。

  • 本が出版されると知った時、出版社に利用されてるようで、もうこれ以上バッシングを受けるようなことはしないほうがいいと思った。
    でも、本書を読んで考えが変わった。
    彼女にとっては書かずにいられない、真相を知ってもらいたい、絶対に記しておきたかったのだろう。

    前半は、生命科学・実験内容が主で、正直なところよくわかず読みとばしたところもある。
    後半は、時系列でどうしてこうなってしまったのかが、わかるように書かれている。
    研究者、情報リーク、理化学研究所のこと、中でもマスコミのやり方の酷さが際立っていた。
    真相は彼女の視点なので何ともいえないが、一人の女性をここまで追い込む「魔女狩り」はあってはならないと思う。
    (電子書籍 honto)

  • 2016.2.14.最初、この本が出版された時、何を馬鹿な…と思い、以前出版され物議をかもした少年Aの『絶歌』と同じ位置付けをしていた。でも、読んだ方々の印象を聞き「少なくとも言えるのは、うまくいっているときには祭り上げていた大人たちが、事が起こるとさあ〜!っと引いていったことがわかる本だ」という感想を聞き、とりあえずよんでみようと思った。読んでみて、なるほどのお(涙)〜と思った。ずっと不思議だったことが、詳しく書かれた手記によって紐解かれたように思った。一番、印象的だったのは世間にとっては小保方さんのネイチャー発表に関わる一連の出来事が最終的なことであったにもかかわらず小保方さんにとっては出発点であったことだ。一連の騒動において、命を絶たれる最後まで笹井さんが小保方さん側に立たれていたことが不思議でたまらず、小保方さん自身あんなことがあっても自らの主張を変えないことも不思議でたまらなかったが、なるほどこういうことだったのか…と深く納得した。私は、須田桃子記者のドキュメントも読んだが到底今回の騒動を納得できなかった。それがこの本を読むことでようやく解決でき、すっきりした。小保方さんが研究者として未熟であったことは疑うべくもない。しかし、本人はそれを認めており、だからこそスタップ細胞は彼女にとって始まりだったのだ。到底、ある特定の人物に責任転嫁する内容には思えなかった。うまく立ち回った人が確実にいることが大変、よくわかった。
    卒論など、~論という物を書いた事がある人だったら納得できると思う。~論を何か新発見のために書く人ってどれだけいるだろう。大多数の人は、学位、修士号、博士号を取るために書くのである。私が学生の時はパソコン自体がなかった(笑)のでコピペはできなかったが、資料丸写しの中でいかに自分の独自性を入れるかということに非常に苦労した思い出がある。博士号となればもう少し高度ではあろうが、おそらく(小保方さん以後のそれまでの他の偉い教授の論文にまつわる不祥事を見るに)コピペはある程度当たり前のものと黙認されていたのではないか。1%に満たない天才の方々以外!の学生による論文は、あくまでその先の席を得る手段として読み捨てられ、スルーされてしまっているのは間違いないと思う。割合に関しては、もちろん正確な数字はわからないが。
    この本を読む限り、小保方さんにとってスタップ細胞はあくまで理研に職を得る手段であったのだろう。論文を書きながらもおそらく小保方さんは世紀の大発見…とまでは思っていなかったと思う。しかし、それを自らの終着点としたい上司がいた(笹井さんではない)。功を焦った上司、自らを客観視できず、舞い上がってしまった研究者によってもたらされた悲劇といえるだろうなあと、この謎を自分なりに解読できたように思った。
    今は失笑と共に何度となく取り上げられる「スタップ細胞はあります!」という小保方さんの言葉と「それでも地球は回っている」という言葉が頭の中でオーバーラップする。

  • 一連の騒動を綴った小保方氏による手記。克明すぎる場面の描写がかえって不自然な感じもしましたが、小保方氏から見た真実がそのまま描かれているのだと思います。確かなことは言えないですが、人間の醜い虚栄心や嫉妬、理研や大学といった科学者の世界における歪んだ村意識、そして、日本の低レベルなマスコミによる報道が、今回の悲劇を招いたのだと言えると思います。日本が科学立国たらんとするのであれば、今回の事件を関係者全員が真摯に反省していただきたいと思いました。

  • 読み物としては、どうかと思いますが。これを読んでいて芥川龍之介の「藪の中」を思い出しました。結局、STAP細胞騒動はなんだったのかは、50年過ぎて歴史を振り返ってみたときしか解らないんでしょうね・

  • 真実は神のみぞ知るところ。
    「この人、かわいそうだな。」という感想が最初に思い浮かんだ。

    文章が上手く読みやすく、なおかつ、論文を読むかのような客観性をあえて保とうとしている節が感じられる。

    この事件の容疑者というか黒幕を暗に示している点は興味深い。



    自分もメディアの言っていることを真に受けてしまった
    人の一人だと感じた。

  • STAP細胞に関する一連の出来事を小保方晴子さん自身が書いた手記。
    STAP現象を発見し、ネイチャー誌などに論文を投稿した小保方さんらの研究者たちは論文掲載にはキメラマウスの作成が必要だと返信される。
    小保方さんたちは、他の研究施設では作れない細胞からもキメラマウスを作成できる技術を持つという理研の若山研究室に依頼するが・・・。
    若山研究室でのキメラマウス作成過程はブラックボックス化され、他研究者には確認取れないまま、STAP細胞のキメラマウス作成は成功し研究は進められていく。

    一連の報道をみていて、チームで行っている研究で若手研究者が指導教官のチェックイン無しに研究を進め、1人で捏造事件を起こすような事はありえないだろうという印象を持っていたが、この本の内容であれば納得できます。

    一連の報道やネットなんかを しょうもないなぁと思いながら見つつ、これを機にSTAP細胞の真偽が他研究者の論文の追試により明らかになっていく過程が世間に認知されれば良いかなと考えていたが、ヒステリックな世論はそんな余裕を与えなかったようでとても残念に感じた。

    地方議員やらゴーストライターやら都知事やら、昔から延々と続く誰かにバッシングしても良いフラグを立てて、狂ったように攻撃している(またはそれを見て喜ぶ)連中は、
    その攻撃対象に自分がなるかもしれない
    という想像力を ほんの少しでも持ってみるとよい。
    誰にでも起きうる事なのだから。

    小保方さんの博士論文のコピペの件についても、実際に査定が行われた論文と違い、製本に提出されたデータが古く画像が仮作成のものだったという点は大学側も認めているようなので、我々の情報のアップデートも必要ですね。

  • まずはよく書き上げて出版されたな、と思いましたね。
    これを書かなければ生きていけなかったのでしょうね、きっと。

    本書にでてくる名指しの記者2名、某新聞社と某テレビ局の。某テレビのスペシャル番組は見逃しましたが、某新聞記者の出版された著作は読みました。で、良く調べているな、わかりやすいなと思ったのを覚えています。

    そして、レビューには書かなかったけれどもその著作はすごく「若山教授寄り」に書かれているということをその時感じたことを覚えています。そちらを読むと若山教授は本騒動の被害者なのだなと誰でも思ってしまうことでしょう。私もうっかりそう思いかけました。
    でも私はそれに違和感を感じました。こういうことは所詮当事者でなければわからぬことだとその時思ったことでした。
    そもそも騒動中の記者会見で、まだ何も分からぬうちから若山さんばかりがいろいろ「逃げ」的発言を繰り返していること自体が私は「この人うさんくさい」と感じていました。

    で、本書です。当事者が書き上げた魂の一冊、でもこれもまた全部鵜呑みには出来ないだろうと思いました。
    ただ小保方さんや亡くなられた笹井さんがいかに追い詰められていったかということは如実にわかるので読んでいて苦しくなりました。
    本当であるか嘘であるかと言う前に、言い分を聞いてさえももらえず四面楚歌に追い込まれてゆくというのはどれ程の断絶だろうと思います。ご本人も苦しいでしょうがご家族も同じようにバッシングを受けているような気持ちでしたでしょうね。

    前半は研究者としての始まりから具体的な研究内容がかなりのページを割いて記載されています。
    専門的で素人にはわからないことも多いですが、そうとうわかりやすいように書かれていると思います。
    文章が上手、というか文学的才能もお持ちのように感じました。

    そして後半、海外の研究室や雑誌とのやり取り、所属する組織の中の思惑、関わる人間の思惑…寂聴さんとの対談も読みましたが確かに男の嫉妬もあるだろうなと思いました。思いましたが男の嫉妬とまとめるにはあまりにも複雑な状況です。
    騒動があそこまでになってしまうと言い方は悪いですがやはり見せしめ的に処分を出さなければ納まらなくなってしまったのでしょうね。
    しかし早稲田大学の対処がここに書かれた通りだったなら、私は早稲田大学に不信感を持ちますね。やりすぎているように思います。

    一番悪いのはマスコミでしょう。読んでいて虫唾が走りました。本書を読まなくても報道を見ていればやり過ぎているのはわかります。

    日本ではもう難しいから海外に行けばいいのに…と思いますがバカンティ先生は引退されたのでしたっけ。
    何とか研究者として復活できる道を見つけていただきたいですね。

  •  メディアはこの本について良いようには報じていないが、それも当然。メディアバッシングが多々見られる。それをいいように報じるはずがない。
     いままで、理研側の一方的な報道ばかりだったので、ほかの側面から情報が得られたのは良かった。

    研究者は雇われの身だし、(特に日本では)叩かれた人の再雇用が難しい世の中。雇用する側もされる側も。しかも、研究者の発言する機会が与えられない。発現しても、言い訳だとぶった切るのみ。そんな中、研究者個人のみを叩くのは何とも卑劣な…。

    【起】第1-3章
     まずは、小保方氏は研究者以前に、学部生としての心構えが甘かったと感じた。ただ、周りの先生など、研究環境には恵まれていたようですし、素質はあったように思った。そのおかげで、博士号取得できた(取り消されちゃったけど)のだと思う。博士号取得は、本人の努力は当然だが、指導教員や研究分野、研究環境にも大きく左右される。そういう意味では恵まれた環境だったのでしょう。

    【承】第4-7章
     読む限り、ほぼ独力で博士論文を作成しているようだ。もっと指導教官や周りの人に指導を仰ぎながら、論文の書き方を勉強すれば、早稲田大学などの学位取り消しも難しくさせることができたのではないだろうか。小保方氏本人でも認めているミスもある。研究そのものだけではなく、学会発表や論文作成についても、学生のうちにたくさん勉強しておけば、良かったのにと思う。小保方氏の周りに先輩たちもいただろうに、先輩たちを見て考えてこなかったのだろうか。もったいない。

    【展】第8-11章
     山中さんも言っていたが、博士卒なんてまだ研究者の卵。そんな中、小保方氏に対し成功へのレール(実際は理研自身のためのだけど)が敷かれ始め、彼女自身も周りも戻れなくなってきた。
     自分も理研が隣接する大学院で理研で研究する学生を見ていたが、彼らは大人の組織の中で背伸びして、研究しているように感じた。それらを見てきて学生のうちぐらい、もっと純粋な気持ちで研究したほうがいいように感じた。研究発表や会話を聞いていて、見栄っ張りとまではいかないが、自信過剰なように感じた。そうでもしないと押しつぶされるような環境なのだろうと感じていた。組織が大きくなると、そうでもしないともたないのだろうか。
     そして、メディアの言わないというウソ。メディアはSTAP細胞はなかったことになってほしかったのだろうか。結局理研は収集を付ける事を目的に、対処してしまった。小保方氏も言っているが、科学は、監視しようがしまいが結果は嘘をつかない。監視カメラなんてナンセンス。メディアへの口実に過ぎない。

    【結】第12-15章
     ここでは、ドロドロの研究業界が垣間見られる。また、小保方氏は少なくとも純粋に探求心から研究していたことは伺えた。
     STAP細胞の研究は結局打ち切りになってしまった。小保方氏たちが発見した細胞がSTAP細胞じゃなかったとしても、研究を進めていけば、同じような細胞の発見に至る可能性はあったのではないだろうか。打ち切りに至らしめたメディアは国益を損なった。噂ではアメリカのバカンティ教授がSTAP細胞の研究を続けている。STAP細胞はiPS細胞同様、多能性(万能性は間違い)細胞である。それが日本で成功させた場合の事を考えたことはあったのだろうか。STAP細胞は完全にアメリカに取られたも当然。メディアが科学研究の足を引っ張ってしまった。

    科学の進歩にメディアなんかが、ブレーキをかけないでほしい。小保方氏を取り上げ始めたころから、本質を見失って、”リケジョ”だの”割烹着”が注目されていた。果たして、STAP細胞を理解していたものはどれくらいいたのだろうか。未だ”万能細胞”を使っている時点で、勉強不足だ。ES細胞、iPS細胞... 続きを読む

  • 読み終わったけど、読んでしまったことを後悔しています。こんなにガンバったのにヒドイメにあったワタシってかわいそう、という内容でした。

  • 自己愛に満ち溢れた内容で…oh...となりました
    そして流石、自己憐憫よろしく関係者への無言の反論…(無言じゃねーか)
    専門用語ばかりで一般人には全くもって【?????】の内容
    少しばかり研究やレポート、論文等見てきたものでも【??????】な、内容
    一体誰得の本でしょうか
    一体何の為の自伝でしょうか

    死んでしまいたい、というような
    逃げ出したい、というような描写が冒頭にありますが
    笹井氏と奥様のことを考えると、やりきれないというか無神経且つ自己愛と
    自己憐憫の塊であってそれを主張しているだけの関係者向け出版物だな、と
    憤りすら覚えます
    平積みでシュリンクされた本がざぁっと並んでいましたが数週間も経たぬうちにシュリンクを解かれて乱雑にワゴン売りされてました

    真相さっぱり不明ですね、広い意味で

  • この本を読むまでは、どうせ弁解に終始した本なんだろなと思って半ば、野次馬的に手にとって読んだのが正直なところ。
    とにかくこの騒動になるまではまさに順風満帆でハーバード大にも研究生として留学し、若山教授にも今まで教えた中で一番優秀とまで言われ輝かしい科学者になる道筋だったのに。
    著者も言ってるようにどの時点で道を誤ったのだろう…

    小保方氏はこの本を書くことによって少しは若山氏に矢をはなったことに溜飲が下がったのだろうか。
    笹井氏のこと。お隠れになったとあった。
    でも間違いなくこの出会いがなければ、笹井氏は自殺することはなかったであろう。
    この事実の重さ。
    マスコミからの容赦ない攻撃、早稲田大からの博士号の剥奪…。
    ほんとに常人では耐えられないほどの辛苦を味わっていると思う。
    ”身からでた錆”といってしまえばそれまでだけど、この本を読んだらやはり、同情的になってしまうのである。

  • 得られたものはなにもなかった。

  • 読了。まぁ、小保方さんサイドの一冊。フィクションだったら最高に面白いけど。

  • STAP細胞の一連の騒動の渦中にあった人の手記。これがあったのかどうかとか、誰が悪いとか、そういう判断は私は出来ないし、報道の内容も真実かどうかは話半分程度にしか読んでいない。正直そういうところに興味はありません。ただ、一研究者が晒しものにされてその道を閉ざされたであろうことを今どのように思っているのか知りたくて読んでみました。
    前半と後半のギャップの差がすごい。前半は大学、大学院、渡米、日本の研究所での活動。実験実験の日々の中で細胞のある挙動に興味を持ち、それが他の研究者の関心ごとと一致し、あれよあれよと周りにはすばらしい研究者や実験設備が整っていきます。すごく楽しい日々を過ごしていたことが伝わってきます。この感覚は研究内容もレベルも全然違いますが、私もとてもよく分かります。
    後半はものすごく切なくなってしまいます。報道の過熱から時の人に本人が望まなくてもなってしまい、それから不備が指摘されてから、今まで優しく協力的だった人が急に手のひらを返したように保身に走る様子がまざまざと描かれています。報道として面白く、ストーリーにあうように都合のいい部分だけが報道され、強引な取材や個人情報の流出、内部情報のリークなど、次々と嫌なことが著者の身の回りに起こります。共同研究ならではの怖さが感じられました。一緒に研究しているのに、どんなマウスを渡されたのか分からない、教えてもくれなかった、しかし理系の共同研究はトップダウン式なので上の人の指示を聞くしかないような雰囲気。それでいて一人だけが悪いようにされたことへの行き場のない悲しみがよく伝わる内容でした。特に報道の仕方には納得がいっていないようで、実名や番組名が出てくるところがあります。
    研究がただ好きで、国内でトップレベルの研究者に教えていただけるという環境も手にしながら、最後は博士号剥奪、そして研究者の道が閉ざされてしまったと自分で書いているところは、読んでいてツライところがありました。本が書けるくらいにまでは体調が戻ったのかなと思いましたが、ストレスで受けたダメージは相当のようで、これからどうしていきたいのかといった希望的な心境は書かれていません。もう少し時間がかかるのかもしれません。

  • STAP細胞にまつわる一連の騒動の中心となった小保方晴子さんの手記。

    STAP細胞に関しては、未だに不透明ですっきりせず、実際のところあるのかないのか、様々な分野の利権に絡むことから、都市伝説的な憶測が飛び交っている。

    本書では、多くの人の役に立つ研究をすることを夢見ていた小保方さんが、早稲田大学時代、東京女子医科大学時代、ハーバード大学時代、理化学研究所時代からSTAP細胞の発表、論文の撤回と研究者として歩んできた人生に沿って書かれている。

    率直な感想は、研究者になることを夢見て、研究が大好きで、研究者としての成長に一生懸命ぢった小保方さんが、かわいそうという言葉では表現できないほど悲惨で、どこで道を踏み外してしまったのか、なぜ彼女がこんな酷い目に合わないといけないのか、憤りを感じる内容だった。

    あくまでも小保方さんから見た今回の騒動、小保方さんの主張する真実にしかすぎないとしても、STAP細胞の発表当初から、今までの研究者には見かけない若い女性であることや、研究室に貼られたシール、割烹着姿での研究など、研究成果とは別次元の報道ばかりを先行させ、論文のミスや写真の使い回しが発覚すると、手のひらを返して、まるで魔女狩りをするかのように個人を追い詰める報道、雑誌記者等のマスコミの取材の名を借りた誹謗中傷やいじめは、酷すぎて涙が出そうになった。

    特に本書にも実名を挙げられていたNHKと毎日放送の記者は、自らが考える善悪に沿う形で記事を書き上げるためには、相手の精神的な苦痛や自由、常識や日常生活すら当然に奪ってもいいものとして取材している姿が目に浮かんだ。

    また、STAP細胞の研究は、なにも小保方さんだけが行っていたわけではなく、現在は山梨大学の若山教授の指導のもと行われていた研究で、実験に使用されるマウスの提供や、特定の手技(専門的なことでわからないが)は小保方さんにはできない手技で、その若山教授にしかできず、小保方さんは実験風景も見せてもらえることはなかったそうだ。しかも、見せなかった理由は、小保方さんに手技を教えると自分のところから離れていってしまうからという身勝手なもの。疑惑報道が始まってから、取材陣に情報をリークしたり、調査委員会とも繋がっていて小保方さんに責任を擦り付けるような情報を提供していたのも若山教授という確証があるようだった。

    読み終えてからもなお、STAP細胞に関しては、本当のところはどうなんだという思いを払拭することはできなかったが、研究者どおしの嫉妬や、自らの保身しか考えない組織、一方的な報道に左右された世論に先導される大学、一旦悪者と決めるとそれしか見えなくなる人間の愚かさ、標的となった一人の人間を執拗に攻撃し、都合のいいように情報を切り貼りして報道するマスコミなど、ドロドロでヘドがでるような世界を垣間見ることができた。

    個人的には、小保方さんやSTAP細胞の存在を信じたい気持ちが大きくなる本だった。

    最後に、小保方さんをはじめ、STAP細胞の研究に携わった、健全で一生懸命であった研究者にエールを送るとともに、自ら命を絶ってしまったとされている笹山教授のご冥福をお祈りします。

  • 2016/02/05-02/11
    ①泥舟にこれほどまで泥を塗るのはなぜかと考えてしまう。恥の上塗り。
    ②男性に対する女性の業の深さを感じる。自分をステージに立たせた後、引きずり降ろされた恨み辛みをこれでもかとてんこもりされている。
    ③近年稀に見る"怨みの書"

  • 彼女の言い分が絶対に違うとは言い切れない。
    理論は破綻していないので、これだけ読んでも真実はまだわからない。

  • 専門外でよく理解できてないところもあるけれど、おそらくこの人は雑ではあるが実験自体は一生懸命やっていたのだろう。体細胞では細胞質中に分化状態を維持する因子が含まれていて、細胞質が減少すると幹細胞化するという仮説をバカンティ教授と共に組み立て、検証しようとしていたのだろう。ただ、Oct4を発現しているように見えたのはやはり自家蛍光では。赤色蛍光のフィルターを使ったり、直接スペクトルを解析する方法などについても触れられているが自分で確認していないような書きぶりだし。

    彼女の見つけたSTAP現象(おそらくは自家蛍光)を示す細胞塊が誰かの手によってES細胞にすり替えられ、新しい万能細胞として脚光を浴びることになった。すり替えたのは誰なのか、本書では若山照彦が犯人だと言わんばかりの筆致ではあるのだけれど既に死人もでた以上、真相はこれからも藪の中だろう。あるいは誰かの遺書という形で暴露されるか。

    一番印象に残ったのはやはり笹井芳樹という人の優秀さだ。ネイチャーには何度も通っているけどここ数年はリジェクトされたことがない、載るだけでなくカバーを取れないとちょっと悔しい、というのはちょっと次元が違うというか、一度ぐらいこんなことを言ってみたいものだとも思う。政治的なことなどドロドロしたことも多いようだが理研は理研、さすがの人材が揃っている

  • 衝撃的な内容だ。

    この本の内容が事実なら、STAP細胞の報道に関わった、そして小保方さんを一方的な悪と断罪したマスコミや報道機関は職を辞するべきだろう。

    画像のミスから端を発した、魔女狩り的な報道は今でもよく覚えているが、こんな恐ろしい事態が起きていたとは驚愕せずにはいられない。


    トイレまで追いかけてくるような執拗行動をとり怪我をさせたNHKの記者。
    脅迫的な取材を繰りかえした毎日新聞の記者。
    鳴り止まないインターホン、知人友人、家族にまで及ぶ取材攻勢・・・
    最初からあるべき記事を書くべく、入念な取材もせず平気で嘘を書き続ける週刊誌。

    これらの常軌を逸したメディアやマスコミに戦慄を感じたのは自分だけだろうか。


    また理研での協力者達や上層部が保身を図り、小保方さんだけに責任を押し付けて逃げていく様子は、あまりにも無様だ。

    前半の希望に満ちたアメリカでの研究生活から一転、後半の日本での追い詰められていく様は、胸が詰まってなかなか読み進めることができない。

    再現実験も常に監視された中、充分な機材も人材も時間も与えられず行われたのには驚くばかりである。
    STAP細胞を作らせまいとする意図が最初からあったと思うのは考えすぎだろうか・・・。


    この本の内容を嘘や創作だと断定する人もいるだろう。
    しかしこの件に関わった研究者、間近で見ていた人、また取材していた人達があまりにも多いことが本書から窺える。
    本当に何が起きていたのかは回りの人間には分かっていたはずだ。

    彼ら一人一人に聞いて回れば真実がどうであったかはすぐに分かるだろう。
    嘘をつけばすぐに露呈する記述を彼女が書く理由があるのだろうか。
    しかしこの閉鎖的で年功序列の、トップが絶対的な権力を持つといわれる日本の科学界の世界で、その世界の意に反した言動をとったとしたらは日本にはとどまれないかもしれない。
    真実を語るのは勇気が入るだろう。


    本書ではSTAP細胞の存在を今も否定していない。
    亡くなられた笹井センター長もその存在を示唆しておられた。

    真実を報道するのがマスコミの役目ならば時代の空気に流されることなく、真実を追求してほしいと思う。

  • 内容的に自分の理解が及ばなかった点が多々あったが、事件の成り行きについてはわかった。
    小保方さんは自分自信が主張されている通り、物凄く優秀な方なんだと思う。バカンティ氏の行なったマウスの背中に人の耳を作った実験は衝撃的なニュースとして記憶にも残っているが、そういう科学者からも直接賛辞をいただけることもそうはないだろうし、ハーバードや理研から声をかけてもらえることからも明らかだろう。
    そんな科学者小保方氏に何があったのか。実験家としては優秀であったが科学者としては失格だったのかこの告白文を読んでも結局のところ真実はわからなかった。
    ただこの本で主張したかったことは事件当時のマスコミ報道や世間のパッシングの中、言えない状況に追い詰められていたのだろう。
    結局、理研も共同執筆者の若山氏も自分たちの保身にのみ走った感がある。
    科学というものはもっと地道なものだと思う。成果に踊らされて真理を見極めが疎かになったとすれば、それは科学ではあり得ない。

  • 噂に違わず全体的に詩的で,情緒が前面に出ていて,こういうの読みなれてないのでふわふわした不思議な気持ちになってくる。
    章題も「ハシゴは外された」とか「業火」とか「戦えなかった。戦う術もなかった」とか。
    「第九章 私の心は正しくなかったのか」では,4/1の調査委員会報告を受けて,
    「専門家を名乗る人たちが生き生きとバッシングコメントをしていた」「ただただ涙がこぼれた。むせび泣くような体力はもう残っていなかった」p.165
    終始こんな感じで,どうも白けてしまう。
    笹井さんの言葉とされてるこれとか,直接話法で書かれてるけど著者フィルターが相当程度かかってるような気が…。
    「だから真の科学者は神の使徒なんだ。その美しい神の世界を人間にわかる言葉に翻訳するのが科学者の仕事なんだよ。神に仕える身として日々を過ごすんだよ。」p.135

  • ちょうど今日の新聞で、本にも取り上げられてもいる「NHKスペシャル」の番組が小保方さんの名誉を毀損する人権侵害があったと認められたのことが記事に出ていた。本を読むと、取材方法も強引であったと感じ、社会的に大きな問題を起こした当人にとって、マスコミの攻勢は筆舌に尽くしがたいほど過酷であることが伝わってきた。

  • ・相手がどう考えているか 何を考えているか どういうバックグラウンドを元にそういうことをしているのか 考えないといけないなあ
    ・自分が彼女の立場やったらどうしていただろう 何が「正解」なのかなあ… そしてマスコミこわい……

  • どの日?記者会見?
    延々と研究の進み具合や、彼女の言い分が語られている。何が真実かはわからないけど、彼女が研究好きな女の子で、うっかりさんで、大人に振り回されたのはよくわかった。

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真実を歪めたのは誰だ? STAP騒動の真相、生命科学界の内幕、業火に焼かれる人間の内面を綴った衝撃の手記。

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