さらば白人国家アメリカ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200240

作品紹介・あらすじ

「二大政党の将来がどうなるかはわからない。ただ言えるのは、アメリカが白い肌に青い目で英語を話す人々の国だった時代は、確実に終わるということだ」――トランプ対ヒラリー、史上最悪の大統領選が暴いた大国の黄昏。在米の人気コラムニスト町山智浩氏が、党大会、演説集会をはじめ各地の「現場」で体感したサイレント・マジョリティの叫び!
1980年に人口の8割を占めた白人は、現在62%。やがて白人が人口の半分を割り、マイノリティへと転落する日がやってくる。白人たちのアイデンティティ・クライシスは、アメリカをどこに向かわせるのか!? シンクタンク、全米ライフル協会、アンチ人工中絶、スーパーPACと最高裁、肥満と大企業……「アメリカを操ってきたもの」たちの暴走と矛盾に斬りこむスーパーコラム。

感想・レビュー・書評

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  • トランプ大統領が選ばれるまでの背景が、この1冊で恐らく理解できると思います。
    雑誌等へのコラムを中心に時系列にまとめたものなので、1回あたりのテーマがコンパクトでとても読みやすいです。
    著者はアメリカ在住の映画評論家です。他にも同様の書籍を出していますが、本当に氏の著書だけでアメリカ現代史を理解するのは十分ではないかと思ってしまいます。
    私の勉強不足は多々ありますが、それを程良く補ってくれた感じです。

  • 社会
    ノンフィクション

  • 2015-2016夏頃までのアメリカ、主に共和党の予備選でのトランプの躍進とその背景について。
    リアルタイムのエッセイなので、当時トランプがどのように人気が出て、他の候補を圧倒していったかが伺える。
    またアメリカの過去の大統領を引き合いに出して、ポピュリズムが過去にどのように発生したか、過去の大統領が如何に同様に酷かったかという話も面白い。

  • 棚番:E06-03

  • ノリツッコミが面白い。アメリカの近代政治史が分かりやすく書いてある。
    ★白人人口が減り続けている。1980年には人口の8割いたが2043年には全人口の半数を切る。
    ★上院議員より大きな力を持つ「ヘリテージ財団とハドソン研究所」
    ★最高裁判事は終身で大統領でも更迭することができない。誰かが死ぬか引退した時しか任命できない。
    ★学校給食を運営できず、コカコーラやピザハットが格安で商品を提供している。
    ★貧乏人ほど肥満で栄養失調。野菜を売ってる店がない上(フードデザート)に、価格が高い(政府から野菜農家への補助金は1%しかでない)
    ★自由の女神の足元には「疲れた者たち、貧しい者たち、自由の空気を求めてひしめく者たち、岸辺で拒まれた哀れな者たちを私に送りなさい。家もなく、嵐に打たれた者たちを、ここに来させなさい。」と書かれている。
    ★投票時に現大統領の支持率が5割を超えていたら同じ政党の候補者が勝つ場合がほとんど。
    ★トランプはプロレスラーの悪役と同じで、反則すればするほど人気が出るように、暴言すればするほど支持率が上がる。
    ★アンドリュー ジャクソン大統領がAll Correct(全て正しい)を頭文字をOKと間違えたのが始りという伝説がある

  • 最高裁判事は終身だから大統領でも更迭することができない。
    ジェブブッシュは優秀だが、もうブッシュ家が大統領やることにはみんなが嫌がっていた。
    サンダースはニューヨーク生まれだが、両親はユダヤ系移民でポーランドに残った父の一族はホロコーストの犠牲になった。

  • クーリエ・ジャポン掲載時から好きだったコラムを一気読みできてなんたる充実感!(発売されてたの知らなくて読むの遅くなってしまった~)
    町山氏は漠然としたお国や政党批判じゃなくて政治家の個人名を挙げた上でその発言や来歴を紹介して説明してくれるので、なんというか掴みやすいんだなぁ。
    トランプが大統領になることはないだろうという見通しで終わってはいるものの、何故そういえるのか、トランプが如何に共和党のアウトサイダーなのかがよく分かって勉強になった気持ち。
    しかしキリスト教徒じゃなく同性婚も中絶もそれこそ個人の自由でしょという感覚の私からすると、共和党って…必要なんですかね…いっそ無くなった方が良い国になるんじゃ…なんて思ってしまいますね。

  • 大統領選でのまさかのトランプの勝利。アメリカで何が起こっているの?!という疑問を解き明かしてくれる本でした。
    以下は備忘録です。(ブクログの引用機能が使いづらいので。笑)
    ・トランプ支持者の平均像は、夫婦で年収7万ドル台中流、中高年の高卒の白人。(8割以上が中高年。大卒率はわずか19%)
    ・不法移民による暴力犯罪は多いのか?1990〜2013にかけて350万人から1100万人へと3倍に増加している。アメリカの暴力犯罪件数は現在も減り続けている。
    ・マーケティングのプロであるトランプは的確にサイレントマジョリティのニーズをつかみ、彼らを共和党から奪い取った。
    ・1980に、人口の8割を占めた白人は、現在は62%にすぎない。2043年には白人が全人口の半分を切り、マイノリティに転落する。その恐怖が人種差別的なトランプへの支持につながっている。

  • 17/02/13。

  • びっくりしました。アメリカの政党政治と司法の仕組み、社会の歴史等を現場でのルポを交えて臨場感たっぷり、分かりやすい言葉で解説してくれている「いまアメリカで何が起きているのか?」をやさしく知るための超・良書。
    著者のことは、映画評論家で、アメリカ社会を流行語などで切り取ったルポ的な著作を多く出されている方としてお名前は知っていたものの著者を1冊読んだのは初めてでしたが、すばらしい内容。他の著作も読んでみたくなりました。

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『トランピストはマスクをしない コロナとデモでカオスのアメリカ現地報告』(文藝春秋)、『映画には「動機」がある「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。

「2021年 『町山智浩のシネマトーク 恋する映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町山智浩の作品

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