わくわく昆虫記 憧れの虫たち

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062201957

作品紹介・あらすじ

注目の昆虫学者・丸山宗利氏と、「ジャポニカ学習帳」の山口進氏がコラボ! 懐かしい虫たちが掌に蘇る、虫写真エッセイの決定版!

感想・レビュー・書評

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  • 著名な昆虫学者の丸山先生の本。まうやま先生、NHKこども電話相談室でもおなじみ。そして写真が長年ジャポニカ学習帳の表紙写真を撮ってこられた山口進氏。素晴らしい。しかも、この本のために撮った写真という。なんて贅沢。

    この本は丸山先生が子供の頃、憧れだった虫、なじみの虫、の紹介で構成されている。

    丸山先生は子供時代、スジグロシロチョウを偽物、モンシロチョウを本物と思っていたそう。子供って、そういう勝手な決め事を作るよなあ。

    モンキチョウ、私の子供が図鑑でキチョウ(黄蝶)なのに雌が白いことがあることを知っていて、モンキチョウの白い雌を「あれはモンキチョウだ」と指さしていったら、友達複数に「(白いのに)そんなわけがない!」と言われた思い出があるという…苦い思い出。

    ゴマダラカミキリの解説ページで「一度珍しい昆虫を見つけると、何度もその場所にまたいるんじゃないかと観察してしまう、確率的には(餌などがなければ)あり得ないが、その時のうれしさを反芻しつつ、期待してしまう」はとても分かる。

    アサギマダラに夢中になって崖に気づかず、落っこちそうになってお父上に助けられた丸山少年。良かった、未来の大昆虫学者が助かって。
    昆虫学者の丸山先生にも苦手な虫がいるという。毛虫、大きな芋虫。アゲハは育てていた、と書かれていたから、より大型の芋虫がダメなのか。しかし、意外である。

    本書のホシホウジャクの写真はとても美しい。一見の価値がある。

    コンビニの電灯に寄っていってしまい、無駄死にする昆虫がいるという。LED電灯が普及することによって、犠牲になる昆虫が減るそうだ。驚いた、LEDはそこでも役立つのか。

  • ◎はじめに 丸山宗男
    本書は著者が成長の過程で出会った虫たちを、山口進さん撮り下ろしの写真とともに振り返ったエッセイ

    【春】
    草花の芽吹く匂いとともに春の気配を覚える
    幼心に自分自身の成長を感じる季節
    ・ダイコクコガネ
     糞球を作る幼稚園の頃から憧れていた甲虫
    ・モンシロチョウ
     本物のモンシロチョウ
    ・モンキチョウ
     世界中の寒冷地に生息
    ・クビキリギス
     チスイバッタとも呼ばれているが、実は草食の大人しい昆虫
    ・オオミズアオ
     美しい幻想的な色と姿
    ・ハンミョウ
     日本で一番美しい甲虫とも。著者憧れの虫。めっさ逃げ足が速い。
    ・クロシデムシ
     生きているとダニだらけ。著者にはかぐわしく。
    ・ゲンゴロウ
     可愛くて不器用で、絶滅しつつある。
    ・ナナホシテントウ
     テントウムシの典型例はナナホシテントウ。昆虫界の有名人。
    ・アゲハチョウ
     小学校ではアゲハチョウの幼虫を欠かさず飼育していた。
    ・ギフチョウ
     岐阜で発見され、この名前がついた
    ・ヤマトシジミ
     幼虫はカタバミが好き。
    ・ウスバシロチョウ
     実はアゲハチョウの仲間

    【夏】
    日本で昆虫が多いのは5月から6月ごろ。実は真夏は昆虫は少ない。
    でも、小学校の思い出は夏休みの昆虫採集。「図鑑昆虫少年」だった都会の少年。
    ・カブトムシ
     地域によってカブトムシを採るための木は違う
    ・ミヤマクワガタ
     立体的な頭部のかっこよさ。図鑑で憧れたクワガタたち。
    ・クワコ
     カイコの近縁、ご先祖。
    ・オオゾウムシ
     小さなゾウムシの中で、三㎝と大きく祖母にねだった
    ・ヒゲコガネ
     なんかフカフカ、キューキューと鳴く、丸山さん撮影
    ・シロテンハナムグリ
     エンジュの木を蹴って、木から訪れて
    ・カナブン
     初めて見たアオカナブンの美しさ
    ・ゲンジボタル
     幼児期の思い出「ほたる祭」の幻想的な風景
    ・タマムシ
     日陰で撮影すると潤い感が出る。高いところにいる
    ・シロスジカミキリ
     クリやコナラの木を齧る
    ・ゴマダラカミキリ
     街中で見られる大型甲虫。キーキーと鳴く。
    ・アサギマダラ
     幼虫は毒草を食べ・成虫は体に毒をためている
     アサギマダラを追っかけて、崖から落ちかける丸山少年
    ・アケビコノハ
     丸山さん苦手な虫。妖怪じみた姿の幼虫
    ・ホシホウジャク
     ハチっぽい、ハチドリっぽいガ
    ・フタモンアシナガバチ
     巣を竹竿で叩いて怒ったハチに追いかけられるのを繰り返すと巣のハチがいなくなる。悠々とハチの巣をとる遊び。しばらく観察して楽しんだ。
    ・ギンヤンマ
     ギンヤンマ先輩
    ・オニヤンマ
     捕り逃がした悔しい思い出
    ・ショウリョウバッタ
     キチキチバッタ!ショウリョウバッタだったのか
    ・トノサマバッタ
     追いかけても追いかけても
     過密飼育から「蝗害」の現象を知る
    ・ウズラカメムシ
     なんか、めっちゃ可愛いな。カメムシは種によって、匂いが違う
    ・アカスジカメムシ
     おしゃれカメムシ。フェンネル、イタリアンパセリと仁右衛門島の一日
    ・タガメ
     光に集まる習性が強すぎて、街灯やコンビニに集まってしまう。LED は 救世主になるか
    ・アブラゼミ
    身近すぎて有り難みがないが、実は翅に色のついたセミは世界的にみて珍しい
    ・マルアワフキ
     オシッコで泡の家を作る幼虫

    【秋・冬】
    虫の世界ではみずみずしく命脈を保つ季節
    コオロギの鳴き声が秋の合図
    越冬中の「オサ掘り」に熱中した学生時代
    ・ナガサキアゲハ
     「長崎は今日も雨だった」を聴く度に思い出す
    ・シオカラトンボ
     白い粉がふいたような色、雌雄で姿が違う
    ・ウスバキトンボ
     神出鬼没、産卵・孵化・成虫までの期間がわずか1か月、驚異的な早さの世代交代
    ・アキアカネ
     学校のプールが代償環境になるといい
     ←水田の減少
    ・チョウセンカマキリ
     狭いところに追いつめて怒らせて遊んだ丸山少年
    ・コカマキリ
     丸山坊やが初めて出会った昆虫
    ・エンマコオロギ
     ずんぐりむっくり、コロコロコロ
    ・スズムシ
     亡き祖母が飼っていた思い出の虫
    ・クツワムシ
     耳をつんざく大音量の鳴き声
     画、電話にはのらない周波数の声
    ・マイマイカブリ
     幼稚園のお泊まり遠足、中山君が捕まえたのがうらやましく悔しかった丸山少年
    ・ヒオドシチョウ
     真っ赤なオシッコ
     当時、絶滅したと思われていた。
     子どもの方が知っているかもしれない
    ・クロヤマアリ
     水攻め、砂攻め、砂糖攻めの日々。反省
    ・カマドウマ
     著者は好きだが、きらわれもの
     ←自分もかなり苦手で、写真でサブイボが…
    ・ケラ
     モグラみたいな見た目。「ケラ牧場」を作った丸山少年
    ・アメンボ
     暇つぶしに捕まえ匂いをかいで遊ぶ
     機械油を垂らすとアメンボが沈む
    ・ミズカマキリ
     水生のカメムシ。卵を産ませられなかった
    ・ホソミオツネントンボ
     成虫のまま越冬する
     実家のスキー旅行で発見
    ・ダンゴムシ


    ◎撮影後記 山口進

    ◎おわりに 丸山宗男

  • 丸山さんが文章、山口進さんが写真を担当。身近でありながら希少性のある虫、ありふれた虫のエッセイ。

  • 2018.4.9読了。

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著者プロフィール

1972年 静岡県藤枝市に生まれる

「2006年 『バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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