- Amazon.co.jp ・本 (698ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062205801
作品紹介・あらすじ
私たちを、救ってください。栄光と救済。呪詛と祈り。迷える民にもたらされた、現代の超約聖書ともいえる大長編小説!
執筆5年。人間の根源を問う傑作大長編小説。
『告白』『宿屋めぐり』に続く、町田康の新たな代表作、ここに誕生!
ホサナ。私たちを救ってください。
愛犬家の集うバーベキューパーティーが、全ての始まりだった。
私と私の犬は、いつしか不条理な世界に巻き込まれていく…。
栄光と救済。呪詛と祈り。私ともうひとりの私。
迷える民にもたらされた、現代の超約聖書ともいえる大長編小説!
感想・レビュー・書評
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つまらんし意味が分からん
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わたくしは一体何を読まされているのか。迫りくる光柱。日本くるぶしによる宣託。跋扈するひょっとこ。人語を解す犬。小動物化する淑女。毒虫の群れ群れ群れ。奇天烈な出来事の数々をどう解せばよいか。
ドッグランやバーベキューが何食わぬ顔して存すこの世界で、これら珍妙奇天烈な時に禍々しき出来事が次々と出来する。
この不可思議な作品のありように、今も現役かどうか定かではないものの、魔術的リアリズムなる語も想起した。魔術的リアリズム、その要諦はやはり現実世界への異化であって、思えばこの作品の成り立ちにも濃厚な影を残してるといえるような気がする、震災やその後の原発の人災、その放射能の散逸がもたらした災厄の来し方行く末は。そしてホサナの叫びはどこへ届くのか。
「で、考えて欲しかったのさ。狂ってるのは僕か、世界か、ってことを。」
「そして君はどうするのかな。この現実に適応して、ならば自分も狂おう、って言って狂って生きていくのか、それとも正気を保っていきていくのか。」
光柱によって国土軸が曲げられたこの国、この現実のなかで。
一読読了し終えた今、冒頭の問いは次のように変奏させられる。わたくしはどんな世界に生きさせられ、生きておるのか。 -
町田康「ホサナ」。「告白」「宿屋めぐり」そしてこれも、町田康の長編はとにかく分厚い。本作も692ページある。中高で使う辞書並みに分厚く重たい故、通勤電車で読む、つう気分にはならない。従って休みの日にじっくり腰を据えて立ち向かわねばならんのだけど、自分自身ここ数ヶ月どうも精神が地を這うトリップホップみたいなモードでなかなか、よし読もう!とならず、長いこと中断する羽目になってしまった。そしてようやく本日読了。
なんつうか、どう生きるのが人として正しい道なんだろう、みたいなことって、誰しも皆考えるもんなのかしら?考えるとしてどれくらいそんなことを考えるものなのか。俺はしょっちゅうそんなことを考えて、考えすぎてどうしたらいいのかホントにわからん!てなって、考えるより実践だ!って色んなとこに飛び込んではああやっぱ違うよね、とか、どんな場所にいてもどんな集まりの中でも、招かざる客みたいな心持ちになってしまってと、だいたいそんな風なんだけど。町田氏もそういったこと、そういったキャラクターを真剣に文学に昇華させようとしている、ように感じる。そしてそれをエンターテイメントとして成立させようとしている人であるので、読むのは楽しい。楽しいが疲れる。でも読む価値はある。万人には薦めないが。帯のコピー(裏側)にはこうある『愛犬家が集うバーベキューパーティーが、全ての始まりだった。私と私の犬は、いつしか不条理な世界に巻き込まれていく。』何のこっちゃ、でしょ?気になった人は手に取ってみてください。 -
良くある郊外の風景。犬連れ、飼い主たちのバーベキュー。から一転、読み進めていくうちにいろんな場面を想像するものの、いち読者として正しく読めているのかな?と不安になる。 外階段でたくさんのひょっとこに追われているなんて怖い想像ですし。
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拝読中です。
オブラートに何重にも包んでいるようで、いずれの事象も核心を鋭く突いてきており戦慄してます。
問うように現れた「呪い」と「祈り」。それが表裏一体であるならば、「呪い」ではなく純粋な「祈り」として願いを願う為にわたしはどの様な心映えで在るとよいのだろうと考えてしまいます。
凄い作品です。 -
半分ちょい読んで挫折。いや、時間と心に余裕があったら読んだかもしんない。言葉や言ってることは面白くってにやにやゾクゾク。でも半分でお腹いっぱいと思った。買うには高いから図書館で借りたのでした。返却日が迫ってきたのでした。