福袋

著者 :
  • 講談社
3.58
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本棚登録 : 301
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206099

作品紹介・あらすじ

本書は著者初の完全独立短編集です。江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。
その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。
生き生きとした暮らしの賑やかさ、大都会だった江戸の町の日常の騒ぎを、実力折り紙付き、今もっとも新作が待たれる時代小説家が、興趣豊かに綴ります。

感想・レビュー・書評

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  • チャキチャキの江戸っ子達の日常を描いた短編集。
    まかてさん流の小粋な言い回しは相変わらず心地好い。
    絶妙なリズムのある文体は、まるでベテランの落語家さんの小噺を聴いているみたい。
    またどの短編もオチが実に見事でニヤリとなったりホロリとなったり。
    まかてさんお得意のスカッとした清々しさにこちらまで笑顔になれる!

    特に湯屋のお晴、浅草のお琴、絵師のおようの気っ風のいい江戸弁や所作には惚れ惚れする。
    次の話はどんな話なのか、「福袋」を開ける時のようなワクワクしながらの楽しい読書だった。

  • 江戸っ子の心意気と庶民の生活を描いた、珠玉の短編集。
    これまで長編しか読んでいなかったまかてさんですが、短編なのに、ギュッと凝縮された江戸のエッセンスの濃さ!たちまち江戸へ連れて行かれます。そのため、ちょっと奇をてらった「ぞっこん」が最初でない方がよかったような・・・。
    役者、銭湯、絵師に古着屋、江戸の100円ショップ?あり。江戸の人々が、生き生きと描かれている、落語のような人情話。どの話も面白かった!

  • 市井の人々の暮らしを描く短編8編。すべて面白かった!最初の「ぞっこん」がめちゃ面白くて次の「千両役者」も相当面白いのに余韻を引きずったくらい。歌舞伎役者(アイドル)、ヤンキー、大食いファイター、100均ならぬ99銭ショップなど現代の世情とほぼ同じの設定の話が並んでいる。「暮れ花火」はしっとりセクシーな話だった。最後の「ひってん」は青春物?と思いきやな展開ででもそれが今の自分にはとても響いて好きな1編となった。

  • 朝井まかて氏の本やっぱり面白いというか読みやすい
    先生の御庭番、雲上雲下に続きこちらもとてもよかった
    8作品からなる短編集なのだけど、どれも人情人情また人情。
    ほっこりしたり、悲しくなったり笑えたりいろいろあってどれも楽しめる
    どれもこれも良い作品なのだけど、これは!と思ったのが
    「ぞっこん」(まさかの筆が語り部になるという不思議さなのに違和感がないのが不思議。めっちゃいい筆だった)
    「莫連あやめ」(スカッと爽快とはこのことを言うのねくらいスカッと爽快。ドラマ化してほしい)
    「ひってん」(同じように過ごしていた二人の人生の岐路を見た感じ。一番最後の話、すごい切ない)
    また同じように短編集があれば読みたい

  • 図書館で借りたもの。
    初読みの作家さん。

    その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……喜怒哀楽にあふれた庶民の8つの物語。

    湯屋の話「晴れ湯」が面白かった。
    「福袋」は、昔話にありそうな感じ。
    他の作品も読んでみたいな。

  • 江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。
    その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。朝井亭「読む落語」だよ、寄っといで!商人も職人も、その日暮らしの貧乏人も、江戸の町は賑やかで、笑いと涙にあふれてる。江戸庶民の暮らしを綴る珠玉の時代小説短編集。

  • まかてさん新作!8編からなる短編集。短いながらも面白さが凝縮されていて、読み応え充分。中でも家業の湯屋が大好きで自ら三助になる娘、お晴がかわいくてほほえましい「晴れ湯」が一番よかった。全然働かないお父っつぁんとの会話がなんとも愉快。ダメ親父ではあるけれど、でも憎めない。そして泣かせるラスト。いいなあ。お喰らいの出戻り姉と弟のドタバタ「福袋」、この姉、ただの大喰らいじゃない。鋭い嗅覚と人並みはずれた味わう能力で見事に出世する。弟よ、姉の言うことにもっと耳を傾けていれば、、。他6編も文句なしの逸品揃い。拍手!

  • 抜群に相性のいい作家の朝井まかてさん「福袋」、2017.6発行、短編(独立)8篇です。ぞっこん、千両役者、晴れ湯、莫連あやめ、福袋、暮れ花火、後の祭、ひってん(何もないこと、貧乏なこと)の8話。私には、晴れ湯、莫連あやめ、福袋、暮れ花火が秀逸でした。

  • 江戸の庶民の生活を描いた短編集。『ぞっこん』の語り手が筆だとなかなか気づかず、何じゃこりゃ?状態だったんですが、そうと分かればなんとも新鮮な感じがしました。湯屋のけなげな娘や大部屋役者、ギャル曽根ばりの大食い話に江戸の100均⁈店の話と、幅も広けりゃ情も篤いお話ばかりです。

  • 落語を読んでいるみたいな。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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