- Amazon.co.jp ・本 (114ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062207348
作品紹介・あらすじ
江國香織さん推薦!
「世のなかは、こんなふうにできている(のかもしれない)。
ひっそりした一編ずつに、なつかしい時間と場所がひそんでいる。」
何をするために台所まで来たのかを忘れてしまったばあさまが、家の中に現れた青い着物の女の子から、忘れたものが入っている玉を取り戻そうとする表題作「うっかりの玉」をはじめ、おじいさん・おばあさんを主人公にした短編ばかりを集めたこれまでにない童話集です。
著者の大久保雨咲(うさぎ)氏は、身近な題材を鋭く、そしてあたたかく切り取る注目の童話作家。前作『ドアのノブさん』はテレビでも紹介され話題になりました。
『うっかりの玉』は、高齢化社会の今こそ、子どもに、そして大人にも読んでほしい、新しい童話の形です。
収録作
うっかりの玉
ばなぁーんなの話
チコラータ
五月の庭で
猫の背
白いクマと蛍光灯
(全6話)
感想・レビュー・書評
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奈良美智が描く女の子を思い出していた。残酷で、優しくて。大人のうっかりが玉になる。ほんとうに秀逸なアイデアだ。大人は自分のうっかりには気がつかないものだが、子供はしっかりとそれが見えている。それが手のひらに乗せられるほどの実在感を持って見えている。本編にただようユーモアには、ひやりとさせられた。
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お年寄りが主人公の童話集というのもめずらしく、新鮮な読書体験だった。くすくす笑えて読後じんわり心が暖かくなるような素敵なお話が詰まっている。この作品に流れるユーモアのセンスやオノマトペの使い方がものすごく好み。わたしは特に「ばなぁーんなの話」がお気に入り。
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お爺さん、お婆さんが出てくるちょっと不思議な話ばかり。
お年寄りの方が記憶を沢山持っているから?
タイトルのうっかり玉は、その人が忘れてしまった記憶が玉になってころりと落ちているんだそうで。
思い出せたら、玉も消えます。
NHKのラジオドラマのような静かなあたたかい雰囲気だった。 -
うっかり玉を落としたら、うっかりして何も思い出せなくなるのが怖いと思った。
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台所の前までくると、ばあさまは「はて。なにしにきたんじゃろう」 しかたなく階段を上ってもどろうとすると、そこには見たこともない小さな女の子がすわっていました。そして、ばあさまがうっかり忘れた用事の“うっかりの玉”を拾ったというのです…。
不思議な空気の短編が6つ。どれもおじいさんやおばあさんが主人公です。年を取ることがちょっぴり楽しみになるような、素敵な物語たちです。
フリガナが少ないので、高学年以上ですね。 -
生き物やものと話せたりする不思議なお話、6編。
気に入ったお話もありますが、非現実感が先に立っちゃいます。 -
表情から滲み出るあたたかさ!
6編どれも暖かくてやさしくて切なくてかわいい本でした…!