- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062208277
作品紹介・あらすじ
2010年、雑誌の対談で初めて出会った二人は急速に仲良くなり、やがて親友と呼べる関係になった。出会ったときはすでに40半ばを過ぎ、二人とも超のつく有名人。でも、そんなことは一切関係なく、ただ気のあう男同士として酒を酌み交わし、家族ぐるみで食事を重ねた。こんな関係がずっと続けばいいーー。お互い口に出さずともそう思っていた矢先、友・平尾誠二に癌が宣告される。山中伸弥は医師として治療法や病院探しに奔走。体調は一進一退を繰り返すが、どんなときも平尾は「先生を信じると決めたんや」と語る。そして、永遠の別れ。山中は「助けてあげられなくてごめんなさい」と涙を流した。
大人の男たちの間に生まれた、知られざる友情の物語。
感想・レビュー・書評
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読み終わって、胸がいっぱいになったまま
もう一度表紙を見る。
少年の様に屈託のない笑顔の平尾氏と
その隣にいられることが幸せで仕方がないという表情の山中先生。
固い友情で結ばれていた二人が
もう会うことができないのだということが
切ない。
今は癌に効くと言われている治療法が
玉石混合で山ほどあるのだそうだ。
その中からひとつひとつを真剣に検討し
我が事以上に懸命に調べ回ったという山中先生と
『山中先生にすべてお任せする』と決めた平尾氏。
平尾氏が亡くなり、山中先生は
助けてあげられなくてごめんなさいと
号泣したという。
人は何歳になってもここまでの友情を結ぶことができるのか。
お二人の素晴らしさだけでなく
それを支えたそれぞれのご家族の存在も
とても素敵でした。
平尾さん、今もきっと天国から
山中先生を応援しているんだろうなぁ。 -
40代でバリバリ仕事をしている中で、こんなにも親友という関係が築ける人に出会えた二人をうらやましく思います。
と同時に、医師として病でその友を失う無念さ、悔しさ、無力さはいかばかりかと。
お二人の人間性のすばらしさを再確認。 -
チームワークは助け合いではない。個人がその責任を果たす事。
叱られたくないからプレーをするのでは、いつまでも伸びない。
コロナの時代において、私の役目は何だろうかと考えます。そして為政者の役割は何だろうかとも考えます。
亀裂を深めてしまうとチームも何も、ただの烏合の衆に成り下がってしまう。勝てるものも勝てなくなってしまう。日本のチームワークはどうなるのか気になるところです。 -
落涙。山中先生の弔事から医師としての無念さと平尾さんへの友情を感じる。ミスターラグビー平尾さんは本当にかっこいい人だったんだなぁ。 2019年の日本でのワールドカップ、見てほしかったなぁ。
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高校、大学でラグビーをしていたので、平尾誠二はわたしにとってもヒーローだった。プレーだけでなく、当時はまだスポーツ界では珍しかった根性論ではないロジカルなスタイル。見た目も含めなにもかもがかっこいい。その平尾さんがなぜかノーベル賞の山中先生に見送られる。すごい人はすごい人と結びつくんだな。久しぶりに平尾さんのエピソードを読んで、やはりすごい人だったんだと、なにかホッとする気分にもなった。
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普段あまり読まないジャンルの本だけど、読書仲間に勧められて読んだら面白かった。
平尾誠二の闘病に関する話題は正直辛かったけど、家族や友人の語る人となりはとても魅力的。
そして、家族はやはり(科学的根拠に乏しい)色々な治療法にも心が揺れるものなんだな、と思ったし、山中教授のような信頼できる友人がいたのは慰めだなと思う。
巻末に収録されている平尾誠二と山中伸弥の対談も、世界の中のこれからの日本、みたいなテーマのものが(※テーマ5 世界の壁にどう立ち向かうか)特に面白かった。 -
40代を過ぎて初めて出会った同級生。ラグビー界のレジェンドとノーベル賞学者。53歳で早逝した平尾誠二と山中伸弥の友情を描いた感動作。
亡くなる6年前に雑誌の対談で出会い意気投合、親友となり家族ぐるみの交流。ガンの発覚。医学者の一人として親友の治療の助言、達観した見事な死に様、親友を助けられなかった後悔。全てが事実として読者の心を打つ。
大学でラグビーをやっていた山中伸弥氏にとって同級生の平尾誠二氏はスーパースター。その平尾誠二の晩年の生き様が実に格好いい。
涙なくして読めない一冊。名著といっても良いだろう。 -
人間万事塞翁が馬
ラグビーボールがどこに飛ぶか分からないように、人生はなにがあるか分からない。
リスペクトを持った友情から、自分の経験を交えた対談を通して、どんどんレベルアップしていく内容に感動を覚えた。