月の影 影の海〈下〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062550727

感想・レビュー・書評

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  • (上巻のレビューからの続き)

    超良かったー面白かったー。
    〈上〉でイライラさせられ続けた分だけ、〈下〉でより深く納得できた感じ。

    異界に来たのに何でかわかんないけど言葉が解っちゃうっていう違和感を表すためのカタカナ表記だったってことに脱帽。
    特に「ジョウユウ」に字を訊く件。音だけでなく表記文字をも知ることで、やっと相手をちゃんと知ることが出来たと思えるっていう。漢字の国の人ならでは感覚だろうけど、言われて初めてそうだな~と思いました。

    主人公の弱さも然り。

    自分専用の宝剣もらって、勝手に上手に戦ってくれるシモベまで憑依させてもらって、そこまでお膳立てされてどうして「戦いたくない」になんの?
    他人の顔色ばかり窺っていた向こうでの暮らしは間違いで、あなた本当はこっちの国の女王様なんですよって願ったり適ったりの状況で、なんでスパッと「やります!」って言えないの?

    そもそも私がそんな風に思ってしまうのは、他の多くの物語がそのように展開してゆくものだから。
    平凡な女子高生の元に突然現れる金髪美青年。彼に誘われて異界へ。
    平凡なんてとんでもない。あなたはオンリーワンでプライスレスな女王陛下。
    まさに王道ファンタジーなのに、陽子は遠回りばかりをする。

    でも実際、人間が成長する過程っていうのは迂遠なものなのかもしらんね。
    ある時突然「チャラララッチャッチャッチャー」とファンファーレが鳴り響いてレベルが上がった!かしこさが2上がった!すばやさが1上がった!……とはいかないですもんね。
    悩みまくって迷いまくって泣き叫びながら3歩進んで2歩下がるのが成長。
    陽子も随分、悩みまくって迷いまくって泣き叫んでたなあ……。

    期せずしてそんなことまで考えさせられた『月の影 影の海』。
    世界観は大体わかった。この勢いで次も読みます。

  • 異界へ突如放り出され、生き続けるために甘さを捨てざるを得なかった陽子。救いの手に対しても不信の念を拭えない。
    追い詰められた時に人はどうなるのか、自分はどこまで正気を、そしてきれいごとを保てるだろうか、と考えさせられました。
    ストーリー自体は、上巻が、さらわれて戦ってボロボロに。下巻は助かって旅して決断する。
    上巻の、え、まだそう来る?はなくて、あ、そう、あら、そう、と成り行きを見守る感じの下巻でした。
    他の国の話も読んでみたくもあり、それなら「精霊の守り人」読み直した方がいい気にもなり、という感じ。陽子の気持ち、バルサなら「わかるよ」と言ってあげられるだろうな、と妄想。

  • 別世界の物語の後編。
    迷いながら、苦しみながら、陽子は一歩一歩の道を進んでいく。

    「陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることはなんの関係もないはずだ。陽子自身が優しいことと他者が陽子に優しいことは、なんの関係もないはずなのに。」
    「どっちを選んでいいかわからないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときはどっちを選んでも必ずあとで後悔する。同じ後悔するなら、少しでも軽いほうがいいだろ。」

  • たくさんの人にオススメされた、有名作品。

    久しぶりに、読むのがしんどい作品でした。
    楽俊が現れて、ようやく少しずつ救いがあるものの…全体的に暗くて重くて苦しくて。ここまで主人公が追い詰められる物語は初めて読んだし、何より理由もわからずにただただ苦しい状況下で死ぬこともできないなんて、兎にも角にも辛かった。

    けれど、読みきってあげないと、私の中での陽子はずっと孤独や飢えに苦しみながら戦い続けることになってしまうから…。どうしても、最後まで読みきって彼女を救ってあげないと、っていう義務感で読んだ作品。

    後半に進むにつれて、ようやく全体像が掴めてすごくホッとしました。

  • 上巻は非常に暗く、先行きが見えない話で読んでいるのが辛くなる…。ネズミが出てきてからはだんだんこの世界のことがわかってきて、かつ陽子の考え方にも慣れてきてついていけるけれど、それにしてもテンポが早く、出てくる国や人の名前が多いので大変。とりあえずシリーズ全部読んでみます。

  • 上下巻を借りたつもりが、下巻二冊だったので、下巻だけ読んだ。
    それでも違和感なく読めた。

    最後、急に景麒が助かったのがびっくりした。

  • アニメで最後端折っていたから小説では期待したんだけど、小説も端折っていてがっかりした。だけど陽子の心情の変化は読んでいてとても面白かった。

  • 前半は人を信じられない事が多くて
    読んでて辛かったけど 経験を重ね強く たくましくなっていく
    陽子の成長は心地よかった。

    まだ続きがあったのね…

  • なぜ月の影という本のタイトルなのかはいまいちわかりませんでしたが、とても面白かったです。続編が気になります。

    下巻から読んでしまったのですが、それでもなんとなく状況はわかりましたし、主人公がいる場所の説明もあったりしたので、普通に読めました。面白かったです。挿絵もいいタイミングで入ってくるのでとてもわかりやすく、雰囲気を作っていました。

  • 忘れないうちに、下巻。

    陽子の心的な成長がちょっと展開早いかなぁ…とはおもったけれども、これが壮大な物語の始まりだとすればこういう終わり方っていうのも有りなのかもなぁ、と思いました。

    楽俊が可愛かったなぁ…。

著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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