- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062552295
感想・レビュー・書評
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十二国記シリーズ8
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十二国記のなかで、一番好きなお話
珠晶は、子供らしい直情さと向こう見ずなところがあっていろんなことを間違えるけれど、ちゃんとその後、考えて反省をする。
自分が悪かったところをきちんと「悪かった」と認められるところは私たち大人こそも見習うべきだと思う。 -
十二国記シリーズファンの知人に勧められて、初チャレンジの作家。
十二国という独特な世界観とシステムの中、十二国のひとつ恭国に新たな王が誕生する迄の物語。
主人公である12歳少女の不完全な正義感と自信、若さ故の無鉄砲な行動力。恵まれた身分に生まれた我が儘さと視野視座が、旅の中で様々な気づきにより成長していきます。
ただ答えを求めるのではなく、理由や判断にいたるプロセスを考え想像することが大切。この少女の傾聴力は、全ての資質を輝かせためのトリガーということでしょうか。 -
恭国の話。
珠晶は12歳。お嬢さんで生きてきながら、大人が言うことが正しいとは判断せず自分なりに正しいと思うことをどんどんやっていく子。
人に言うには自分が行動してから、という信念がすごい。
頑丘たち黄朱の暗黙のルールを人でなしと怒っちゃうような素直な子どもの面もありながら、考えて意味を見出すところは聡明です。シリーズ内でちょっとずつ登場人物が重なってくるから、相関図が欲しくなった。
黄海が舞台で妖魔がどんどん出てくる。妖魔がどんなに恐ろしいかイメージが追いつかなくて挿絵欲しくなりました。 -
「風の万里 黎明の空」で登場した珠晶のお話
珠晶の物言いやら考えやら行動やらが実にラノベちっくで、そっち系を読み慣れた人にとっては安心感があるのではなかろうか?
あと、珠晶の強運っぷりも実にラノベ
今どきの長いタイトルなら「『王がいないなら私がなるしなかいじゃない』と、お嬢様が家出して昇山してみた件」
そして内容は「黄海の歩き方」閑散期バージョン
もしくは「昇山のススメ」とかそんなところだろうか
都会の裕福な環境で育った子と黄海という過酷で祖国を持たない人の文化や考え方の違い
王がいないから災害が頻発するし多くの人が困るというのは確かだけど
王がいなくても生きていこうと思えばいけるわけで、「国」の存在意義を考えさせられる
頑丘が言う、王が必要ならずっと閉じ込めておいて何もさせ無ければ有益な事もできないけど無益な事もできないという意見は、この世界にハマりつつある読者にとっては衝撃
でも遠甫が陽子さんに、国政は主に官がする事で王の役割は存在するだけで十分に役立っているみたいな事言ってたしな
延王の言ってた事もそうだし、結構な真理を突いている意見なのかもね
しかも最後に描かれている奏国の意思決定システムが正にこれで、王は実質的な決定権を持っていないと言うね
それで600年も国が続いているのだとしたら、結構な真理を突いている意見なんだろうなぁ
それにしても、この世界の王の選定システムにさらなる疑問が増えたな
27年前に王が亡くなって、20年前に麒麟が王の選定ができるようになった
しかしその時に珠晶はまだ生まれていないし、生まれても麒麟も迎えに来なかった
その間に国内のめぼしい人は昇山済み
つまりは王となるべき人が不在の期間が確実に存在するんだが、いいのか?
生まれた時に来いというのも無茶な話で、赤子のまま王になれるはずもない
ただ、何もできない王というのも上の理論で言うと最高の王なんじゃないか?とも思うけどね
それにしても、王の資質と王気を発するのは別という事ね
珠晶は元々王の資質を持っていたけど、麒麟に選ばれるには王気を発する必要があった
昇山の途中で王気を発したのが見えたので供麒が迎えに来たって事でいいのかな?
そうすると、陽子さんは景麒が迎えに来た時点で王気を発していた事になるけど、陽子さんはアノ酷い経験をしたからこそ王としての資格を身につけたと思うんだがなぁ
増々わからんなぁ
ってか、犬狼真君の存在がとても嬉しい
仙の格が高いのとか、里木の入手方法とかのやりとりを妄想すると、何だか微笑ましい気持ちになる
どこかの国のためではなく、妖魔と生きる人達のための存在でありたいという道を選んだんだろうなぁと妄想してしまう -
風の万里にちょこっと出てきた、供王の昇山までのお話
若干12歳にして王になるべく昇山を目指す珠晶。
豪商の娘として周りより裕福な暮らしをしてきた彼女だが、決して傲りや傲慢さで思い立ったわけではない。
「それが国が傾く中で裕福に生まれた者としての義務」との責任感からの行動である。(こんな12歳がいてたまるか笑)
「出来ることをやらずに文句だけをいうのは卑怯者だ」ってセリフはドキッとくるものがあった。
また、知的な頭脳や責任感から、情報弱者に助けず経験を独占する剛氏達の行動に反感を持ったりと、このあたりは素直に子供らしい一面も持っていて悩むとことか微笑ましい。
ファンタジー小説ではあるけれども、生きていくにあたっての行動理念とか信念と言ったものに学ぶことが多いストーリーでした。
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十二国記シリーズ。恭国のお話。
気丈な12歳の少女珠晶が王になるべく蓬山を目指す。その想いを押して測りながら読み進めるのだけれど、後半、それが言葉で語られた場面には涙。
「これってもしかして…?」って気になる人物が次々出てくるので、登場人物が分かる順で読み進めると楽しい! -
大好きな十二国記シリーズの中でも図南の翼は最高に面白い!この話読む前は、供王が良い王なのは分かるけどちょっとキツすぎてアレだな...と思ってたけど、これ読んで良い意味でイメージが変わった!はじめから王の器というよりは、素質を持ってた珠晶が蓬山を目指していく途中、人が死んだり選択を迫られたりする中でどんどん王の器に近づいてる感じがした。最後の平手打ちのシーン清々しくて大好き(笑)