「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062572453

作品紹介・あらすじ

マニュアルはなぜ分かりにくいのか?右か左か迷わせる交通標識。庶民には理解不能な法律条文。初心者にはチンプンカンプンのマニュアル。何が言いたいのか分からない上司の話…。世の中にあふれる「分かりにくい表現」の犯人をつきとめ、すっと分かってもらえる「情報発信のルール」を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 小生の関心の一つの、文章術に関連して買った一冊。

    小生の悩みの一つに、考えてることが伝わりにくいということがある。
    そのため、分かりにくい理由を腑分けしていくためにこの本を参考としたが、これは文章ではなくて表現についての本であった。
    実例が写真で載っているのだが、NHKのテキストや道路標識などのレイアウトについてが問題となっていて、ビシバシ喝を入れていく。
    分かりにくくしている原因を明らかにして、解決策となるルールを提示していく。

    小生が参考になったのは、読み手のレベルを低く想定して書こうというもの。
    これは実は暗い体験がある。難しい専門用語、と言っても高校生でも知っていそうな平易なモノだが、を会話に使いまくっていた時、「生意気だ」と酷くバッシングを受けたのでした。極めつけは『難しい言葉を振りかざすのは、弱い自分を隠すために武装してるだけのバカ』『知識は語るものではなく人助けをするためのもの』などなど述べたてて非難されることとなりました。
    小生としましては、医者など目上の人から敢えて易しい言葉に直して説明されてるときに、「この程度のことは知ってるよ。舐めてんのか」と内心思っていた口でしたから、この反論にはビビりました。
    著者は、読み手はえらくバカな人間であると想定して書くのがいいんだよ、とルールを提示。例として子供を相手にした表現ならば、誤解が一切生まれずストレスフリーに読めるのだそうです。
    実際、本質的な大事なことは、難しい言葉で表す必要はないかも知れません。ロールズなどの著作も大変平易で明快な記述で有名です。ですから、バカを想定するかは置いといて、易しい表現で伝える、という原則は正しいのかも知れません。

    内容紹介
    マニュアルはなぜ分かりにくいのか?
    右か左か迷わせる交通標識。庶民には理解不能な法律条文。
    初心者にはチンプンカンプンのマニュアル。
    何が言いたいのか分からない上司の話……。
    世の中にあふれる「分かりにくい表現」の犯人をつきとめ、すっと分かってもらえる「情報発信のルール」を考える!

    目次
    第1章 「分かりにくい表現」がいっぱい!
    第2章 「分かりやすい」とはどういうことか
    第3章 「分かりにくい表現」の主犯たち
    犯人1 親切心の欠如
    犯人2 「受け手」のプロフィールの未定義
    犯人3 受け手の熱意の読み違い ほか
    第4章 「分かりやすい表現」のルールブック チェックポイント付き
    ルール1 おもてなしの心を持て。
    ルール2 「受け手」のプロフィールを設定せよ。
    ルール3 「受け手」の熱意を見極めよ。 ほか

  • 良書 いろいろな「伝わらない」を1つ1つ整理して解説しています。
    短期な私は、世の中にあふれる「分かりにくい表現」で怒り心頭に発することが多い
    世の中にはなぜこんなに「分かりにくい表現」が氾濫しているのでしょうか が問題提起です。

    気になった言葉は次の通りです

    ・何度読んでも「分からない」
    ・早口・小声・小さな文字 わかりにくいの名士
    ・自分たちだけの中で通用する特殊な言葉を説明なしに使っている
    ・「分かる」というのは「分かっている」と言い換えることができる
    ・情報が混沌としてわかりにくい。⇒「分ける」は「分かりやすい」、事前に整理する
    ・説明が受け手のレベルを想定していない。話し手にとって受け手が、何がわからないのかわからない状態になっている。
    ・情報の迷子になっている。全体の地図と、その地図のどこにいるかを与えること
    ・見出しを使う、見出しは情報要約を兼ねる
    ・情報をかみ砕く、わかるようにもっと情報量を少なくする、不要な詳細を捨てる
    ・最も必要な部分だけを強調する、大きくする、太字にする
    ・情報を整理する 対比する、グループ分けする、構造を明示する
    ・中途半端で意味あいまいな直訳をすて、ずばり、意味しているものを指し示す

    目次は以下です。

    はじめに
    第1章 「分かりにくい表現」がいっぱい!
    第2章 「分かりやすい」とはどういうことか
    第3章 「分かりにくい表現」の主犯たち
     犯人1 親切心の欠如
     犯人2 「受け手」のプロファイルの未定義
     犯人3 「受け手」の熱意の読み違い
     犯人4 大前提の説明もれ
     犯人5 ガイドの欠如
     犯人6 複数解釈ができてしまう
     犯人7 情報のサイズ違反
     犯人8 欲張り
     犯人9 具体性に欠ける
     犯人10 重みづけの欠如
     犯人11 共通項でくくらない
     犯人12 相互関係を明示しない
     犯人13 視覚特性の無視
     犯人14 自然な発想に逆らう
     犯人15 受信順序を明示しない
     犯人16 直訳
    第4章 「分かりやすい表現」のルールブック
     ルール1 おもてなしの心をもて
     ルール2 「受け手」のプロファイルを設定せよ
     ルール3 「受け手」の熱意を見極めよ
     ルール4 大前提の説明を忘れるな
     ルール5 まず全体地図を与え、その後、適宜、現在地を確認させよ
     ルール6 複数解釈をゆるすな
     ルール7 情報のサイズ制限を守れ
     ルール8 欲張るな 場合によっては詳細を捨てよ
     ルール9 具体性な情報を示せ
     ルール10 情報に優先度をつけよ
     ルール11 情報を共通項でくくれ
     ルール12 項目の相互関係を明示せよ
     ルール13 視覚特性(見やすさ)を重視せよ
     ルール14 自然な発想に逆らうな
     ルール15 受信順序を明示せよ
     ルール16 翻訳はことばでなく意味を訳せ
    参考文献

  • 何かを教えたり、スライドで発表したりする場面が非常に多い現在。このような本が必要だと思い購入した。

    情報発信にとって当たり前のことが書かれている。しかし、その当たり前のことができる人がなんで少ないのだろうと感じることができた。自分自身も未熟であることがわかった。

    特に、「受け手の熱意の読み違い」には個人的に注意しなければならないと思った。

  • 伝わらないのには、何かしらの理由がある事を教えてくれた本。マニュアルはもとよりプレゼン資料や教育資料を作る際にも、手元においてチェックしたいと思いました。

  • 大学時代に読んだ名著
    手に職をつけられた。そう実感する一冊です。


    この本の骨子は、世の中にはびこる分かりづらさを見つけ、その問題点と改善のポイントを指摘することです。

    正直、私もこの本を読むまではとにかく説明下手でした。口頭でも、テキストにしても、何を言っているか伝わりません。反対も賛成意見ももらえず、ただ分からないというフィードバックが多い学生時代を過ごしました。
    この本で指摘される、分かりづらさを生み出すタブーをいくつも犯していたのです。

    しかし、この本を読んでから劇的に表現方法が変わりました。
    テキスト1つとっても、改行やテキスト量、ボキャブラリーを配慮できるようになったのです。
    よく、投資やクレジットカードといったお金の知識を、学校では教えてくれないと非難する声を聞いたことがあります。
    実体験した今なら分かりますが、分かりやすさという分野も、これと同じです。ほとんどの人はその技術を学ぶ機会がありません。だから、多くの人は学校で見聞きした狭い範囲の話し方しかできない。一辺倒の話し方しかできないのではないのです。

    分かりやすさは先天的な能力ではなく、後天的に身につけられる技術、知識です。それが理解できるだけでも価値ある一冊です。

  • そりゃそうだよね、と思う内容が多い。しかし、会社勤めしていると、こういう当たり前の表現ルールを守れない人があまりに多い。

  • 「分かりやすい表現」をするためにはまず受け手を考える事です。<br>
    私は大学生なのですが、大学の授業を聞いている時、わかりやすい授業をする教授はこの技術を用いているように感じます。<br>またブログなどのサイトでも、内容よりも初見のインパクトで読むかどうかを判断します。<BR>このように、いかに素晴らしい内容を述べていても、受け手が「分かりにくい」と却下する事がしばしばあります。サービスとして、客がいる分野では特に重要だと思います。

  • こうやって読むと、当たり前のことがほとんどだが、全てに気を配るのはなかなか大変なことだと思う。重要な場面では一度立ち止まって、何か足りないものは無いか、できることは無いか、この本を思い出して確認することが大切。

  • ソフトウェア工学の専門家&英語教授のエキスパートが書く、分かるということについて。理系の人の書く本だからか、非常に入ってきやすい。分かるということがどういうことなのか、ルールを持って示してくれる。人に情報を伝え、動かすというビジネスには必須の技術をサポートしてくれる。

    以下注目点
    ・分かりやすいとは分かるという状態になりやすいこと。
    ・複数解釈できるものは、分けにくいため、分かりにくい。

  • 案内の看板や商品の説明書、公国や連絡のメモなどの中から、誤解を招きやすい表現の例を数多く上げて、気を付けなければいけない点について解説している本です。

    ふだん何気なく見過ごしてしまうような例が多いのですが、ヒューマン・インターフェイスという観点からさまざまなものを見直してみると、世の中の至るところに改善すべき点があること気づかされ、興味深く読みました。

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著者プロフィール

藤沢 晃治(ふじさわ・こうじ)

慶應義塾大学卒業。管理工学を専攻し、卒論では、AI(人工知能)をテーマとしてチェスを指すプログラムを作成。大手メーカーでも専攻を活かして、ソフトウェア・エンジニアとして勤務。『「分かりやすい説明」の技術』、『「分かりやすい文章」の技術』、『「分かりやすい表現」の技術』の3部作のベストセラーなど、講談社・ブルーバックスの著作がシリーズ合計65万部を超える。2005年に退職後、数多くの企業向けの研修で活躍中。「分かりやすく伝える技術」をテーマに、日本テレビ系の教育バラエティ番組『世界一受けたい授業』にも講師として出演。TOEIC900点、英検1級、工業英検1級、通訳ガイド資格(英語)なども持つ。
その他に『日本人が「英語をモノにする」一番確実な勉強法』(三笠書房>)、『新装版「分かりやすい表現」の技術』(文響社)、『心を動かすプレゼンの技術』(角川書店)、『「判断力」を強くする』(講談社)など著書多数。

「2020年 『頭のいい段取り すぐできるコツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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