ホーキング 虚時間の宇宙―宇宙の特異点をめぐって (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062574877

作品紹介・あらすじ

「車いすのニュートン」が描く驚くべき宇宙像

宇宙に始まりはあったのか?宇宙に終わりはくるのか?
ブラックホールに落ちた物質は、消滅してしまうのか?そして、鍵を握る虚時間とは?全ての物理量が無限大に発散する理論物理学の最大の問題、特異点に挑む車いすのニュートン

全ての物理量が無限大に発散してしまう、理論物理学最大の問題「特異点」。ビッグバンとブラックホールが特異点であることが、ペンローズとホーキングによって証明された。どちらも、宇宙を研究するには避けて通れない。この難問に「車いすのニュートン」ホーキングが果敢にチャレンジした。

感想・レビュー・書評

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  • 虚時間、という不思議な魅力的なタイトルに惹かれて読み始めた。結局”虚時間”はいまいち理解できなかったが、著者によれば”虚時間と宇宙無境界仮説は、科学史の1ページに載って、やがては忘れられる存在になりそうだ”とのことで、定説にはなっていないようでそこはあまり理解しなくても良いのだろう。その他ホーキングの人生や位置づけ、逸話やファインマン経路積分などの周辺の物理学の解説が豊富で良かった。

  • 失敗した。通勤中に細切れに読む本ではなかった。といって、腰をすえて読みなおす気にもならんなぁ。興味がある内容なので、理解したい気持ちはあるけど、先に相対論と量子論の入門書を読んどいたほうがよさそう。

  • フォトリーディング。竹内薫の本。ペンローズについての本を読んだので次にとこちらを選んだ。ホーキング放射と言う者があって、ブラックホールが蒸発するのだとか。

    高速リーディング。仮説と理論の戦いの世界なんだと感じた。

    下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:

    28:マルチバース(多宇宙)という概念は、ケンブリッジ大学マーチン・リーズ博士らの提唱する仮説。

    62:アインシュタインの偉大さは逆転の発想。
    ニュートンの世界:光束は可変、空間と時間は不変。
    アインシュタインの世界:光束は不変、空間と時間は可変。

    81:ペンローズはブラックホールに芯がある事を証明した。星がつぶされてブラックホールになり、特異点になる。

    93:ホーキングスはペンローズの証明を時間反転させ、特異点から空間がはじまることを論じ、ビックバンを論じた。

    98:ホーキングスの特異点定理は「宇宙には始まりがある」ということ。

    129-130:ブラックホールは蒸発する(ホーキング放射)。

    162:1981年のバチカン会議ではホーキングスも参加。ヨハネパウロ2世は公式にガリレオに謝罪。

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:443.9||T
    資料ID:95050392

  • 特異点仮説、無境界仮説など、ホーキング博士の研究が専門知識なしでもわかる本(相対論入門的な知識はあったほうが読みやすい)。
    とくにブラックホールの放射・蒸発の話が面白かった。
    本書のある種の「落ち」といえる最後のホーキングの「敗北宣言」には感動するものがあった。

  • ホーキング博士については「車いすの科学者」という認識しかなかったのだが、この本を読んで彼の理論である「宇宙無境界仮説」や「蒸発するブラックホール」についてどういうものかおぼろげながら把握することができた。 結局、虚時間というものがどういうイメージのものなのか全く理解できなかったが、宇宙の始まりや一般相対性理論などの難しい理論の辻褄を合わせるためにこういう概念を導入すると説明がつくというもののようである。 そういった理論はもとより、ホーキング博士の性格や彼が活躍していた頃の世界情勢との関係なども面白かった。

  •  ホーキング宇宙論をわかりやすく解説しようとしているのは見て取れるのだが、残念ながら余計に分からなくなってしまった。面白おかしく説明しようとするあまり余計な表現で主題がぼやけてしまっていたり、著者自身が果たしてホーキング宇宙論を理解できているのか疑問に思える部分も多々あった。加えて、ホーキング宇宙論の土台となる相対性理論やファインマンの経路和など前提となる物理知識の理解が必要である。したがってそれらを理解してはじめてホーキングの宇宙論にとりかかることができるのである。この前提条件がないこともあってちゃんと理解することはできなかった。

  • こういうことだったのか!という目からうろこが部分的にはあった。
    ファインマン好きということもあるが、後半はよかった。

  • 説明が若干苦しいところもあるが、ホーキングの思想を追っていく過程でなされる、大胆なほど平易な記述はさすがといったところか。

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著者プロフィール

たけうち・かおる サイエンス作家。1960年生まれ。東京大学教養学部教養学科、同大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学専攻、理学博士)。フリースクール「YES International School」校長も務める。著書に『99・9%は仮説』(光文社新書)、訳書に『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ポール・ナース著、ダイヤモンド社)などがある。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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