ヒトはなぜヒトをいじめるのか―いじめの起源と芽生え (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062575560

作品紹介・あらすじ

ヒトがヒトをいじめるのは動物の本能なのか。いじめは加害者と被害者のほかに見て見ぬふりをする傍観者がいてはじめて成り立つ。これは動物の世界にはない、ヒト固有の行動だ。そして、母親密着、父性不在、希薄な人間関係が子どもをいじめへと駆りたてる。親離れして自立する「一人力」を養うことでいじめは防げるのか。気鋭のサル学者がいじめと家族との関係を分析した「新しい家族論」。

感想・レビュー・書評

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  • 日本は傍観者が多く、そのタイプには専業主婦の子供やゲーム好きといった特徴があるとのこと。また著者は学校よりも家庭を問題としており、母子密着の他に父親不在もしくは「2人目の母親」化していることも問題視している。その他ネット社会の進展に伴うメールによるイジメ等を取り上げている。
    15年前の本なので内容的に少々古いように思える部分もあるが、最近は専業主婦も減ってきたのでその点で変化はみられるのか。とは言え、育児参加する父親の増大で「2人目の母親」化は進んでいるのかもしれない。また、ゲームは相変わらず流行っているし、ネット社会もメールからSNSに移行して、所謂誹謗中傷によるイジメ問題は質・量共に変化していると言えるだろう。ちなみに、大人組織では序列が明確なためイジメが起きにくいという記述には疑問が残る。
    全体的には一応統計に基づいて書かれており、さらに動物行動学的な知見も入り込んではいるが、やや根拠の弱い日本人論(集団主義・権威主義)等もあり、内容的に賛否はあるだろう。ブルーバックスというレーベルを考えると諸々の限界や制約もあり、仕方ない部分もあるのかもしれないが。

  • 片付けをしていたら、過去に読んでいたらしいメモを発見した、、

  • NDC(9版) 371.42 : 教育学.教育思想

  • (「BOOK」データベースより)amazon
    ヒトがヒトをいじめるのは動物の本能なのか。いじめは加害者と被害者のほかに見て見ぬふりをする傍観者がいてはじめて成り立つ。これは動物の世界にはない、ヒト固有の行動だ。そして、母親密着、父性不在、希薄な人間関係が子どもをいじめへと駆りたてる。親離れして自立する「一人力」を養うことでいじめは防げるのか。気鋭のサル学者がいじめと家族との関係を分析した「新しい家族論」。

  • 人はサルの生態を当然であるが持っている。しかしサルにはイジメの傍観者はいない。一対一である。人間は一対一の時はイジメではなく、そこに見て見ぬふりをする傍観者がいるとイジメとなる。加害者が傍観者へのアピールをより行うからである。同著者の「他人を許せないサル」よりこの本の方が内容がよかった。

  • 原理的にいじめるようにできてるらしい。納得の一冊。

  • いじめが成立するのは、まわりの人間が、いじめられている様子を見て楽しんでいたり、見て見ぬふりをしている場合です。誰かが何らかの行動(いじめている人間に直接言う、冷たく当たる、先生に言うなど)に出ていればいじめはエスカレートしません。しかし、大人の世界でも「ことなかれ主義」、自分さえ良ければ他はどうでもいい、というような考え方をする人が多くなっている現在では、なかなか勇気を出して止めに入るようなことはないのでしょう。いじめはどこにでも起こります。ヒトが3人集まれば、複雑な人間関係が生まれます。皆が、自分と違うものを持っている他人を許せればいいのですが、ひがみとかやっかみとかいうモノが出てきます。いじめをなくすにはどうすれば良いのか・・・という問いは成り立たないかもしれません。いじめはどこにでも起きます。それならば、いじめというストレスに耐える力・あるいはうまく逃げ出す力を養う必要がある。最近、生徒たちを見ていて思うのは一人でいられない子供が多いということです。誰かとつるんでいないと、休み時間などがつらいというのです。一方で、今の状況からは抜け出せないのなら、私(ほとんどの場合女の子)は一人でいる、と最後までやり通す子もいます。そういう子どもは、新しい環境に入ると、またそこでうまく人間関係を築いていきます。いじめが多発する現在、一人でいる力、あるいは程よい距離で他人と付き合っていく力が要求されているのかもしれません。

  • 今世紀最大のガッカリ読本。
    章立てのタイトルと内容が殆ど合っていない。それに、接続しが適切に用いられていない(というか、接続し字体が用いられていない)為、非常に読みづらい。考察も不十分。「これがブルーバックスか!?」と疑いたくなるほどだ。図書館で借りたからよかったものの、新品で買っていたら手痛い赤字になっていたところだ。

  • 動物の行動学として読んだ方が面白い。
    アマゾンのレビューにもあるが、ヒトについては実証的な考察が欠けていていまいち。

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著者プロフィール

1954年大阪生まれ。専門は、ヒトを含めた霊長類のコミュニケーションの研究。
1983年 大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了
現 在 京都大学霊長類研究所教授

[主著]
ケータイを持ったサル 中央公論新社 2003年
音楽を愛でるサル 中央公論新社 2014年
自閉症の世界(共訳) 講談社 2017年

「2019年 『ニューロダイバーシティと発達障害』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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