音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
3.60
  • (35)
  • (42)
  • (74)
  • (7)
  • (4)
本棚登録 : 724
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062575676

作品紹介・あらすじ

音楽と数学の、ちょっと意外で濃密な関係

音楽に使うすべての音の関係を、ある原理にしたがって決めたものを「音律」といいます。それでは、いま私たちが何気なく使っているドからドまでの12個の音は、どのように決めたのでしょうか? そこには、音楽と数学のちょっと意外で濃密な関係があるのです。

ドレミ……は、まずピタゴラスが決めた!
ジャズ、ロック、ポップス、クラシック、歌謡曲……、あらゆる音楽に使われているドレミ……は、素数2と3を使って、まずピタゴラスが決めた。それから、純正律や、いくつかの音律を経て、現代の平均律へと進化した。音楽と数学の、ちょっと意外で濃密な関係を興味深く解き明かす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 音楽用語をひと通り身に付けられる。

    大学の「音楽・音響情報処理」の参考書として購入。知識が無くても解説は丁寧でわかりやすい。特に和音のことは今までよくわかっていなかったのだが教養として理解することができた。
    絶対音感というデジタル人間がいるのはなぜか、というのが以前から疑問だった。アナログでも良さそうな音を、わざわざ細切れにしてなぜそんなに神経質なのか。本書で疑問の多くは解消された。絶対値がなぜ定められたかについて疑問は残るものの、音程を定める理由が解き明かされる。
    数学者が音楽をデジタル化する試みに、何らかの規則性を持たせて体系化したに過ぎないことがよくわかった。それを示すように異なる規則で定めた様々な音律が紹介される。管・弦の振動モードに基づいた説明に加えて、板殻の曲げ振動ならどうかと基本に飽き足らず話題が豊富なところが良い。

    目次
    1.楽器にドレミ……を視る、ドレミ……に触れる
    2.ドレミ……はピタゴラスから始まった
    3.永久に閉じない環をめぐって
    4.なぜドレミ……が好き?
    5.「起立」「礼」のハーモニー
    6.民族音楽に理屈を付ければ
    7.打楽器が作る音律
    8.音律の冒険

  • もう少し、数式を使った方が説明が分かり易くなるのではないかと思いました。

  • ブルーバックス読むのひさびさ。
    ドレミは誰がどうやって決めたのかとか、12音なら単純な白鍵と黒鍵の組み合わせでキーボードを構成できるんじゃない?(ミファ、シド、の白鍵続きをなくす)
    てのが気になり読了。

    物理っ子としては、
    単純にコード暗記するより理論とセットで覚えたほうが理解しやすい。

  • 南海…
    ピタゴラスのくだりだけ覚えておこう(笑)

    ガムランもジャズもポップスも好きだし、クラシックはやはり美しいと思うし、
    ハーモニーの気持ちよさの基準って何だろう。
    芸術の基準と同じく、時代や場所によって変わってくるものなんだなと。
    自分が馴染んでいるかどうか、先の道筋が見えているかどうか。
    道筋が見えているかどうかの点は、演奏者として自分自身に常に問うていたいところです。

  • 物理学・心理学的知見と数学的な分析から,現在広く使われる「ドレミ…」の音階・音律がなぜ,広く使われるくらい,人間にとって魅力的であるのか,逆に「ドレミ…」以外の音階・音律というのがどのような特性を持っているかといったトピックを扱う内容.
    必要になる知識自体は数学・物理とも高校レベルでそれほど高度ではないが,音階の各音(ドレミ…なら12音)と,それに対応する周波数との関係,さらにそれ同士の量的な関係が,その数の多さゆえに複雑になるので,その種の数理的な操作に疎く,元となるような音楽的な経験もなかった私は,それを追いかけるのにやや骨を折った.ギターのような手っ取り早く調律ができる楽器ないし,パソコンで使える正弦波発生ソフトなどを使って,実際の音を確かめながら読めると理解が深まってよいと思う.
    実験的に求められた,2音間の不協和度のデータから,古今東西の楽曲で広く用いられてきたメジャー・マイナーといった特定の和音が,実際に心地の良いものとして導かれるというのは驚きだった.

  • 音楽と数学の関係の本は何冊か読んだが、本書ほどわかりにくいものはなかった。
    もちろん自分の数学の知識が足りていないということが一番の理由であるが、
    それにしても本書の不親切さといったらない。

    一回解説すればもうわかったでしょの精神で、短3度や長6度、ディミニッシュやドリアンなどの用語が飛び交うのはまだしも、
    同じ理屈なのか、一回見ればもう覚えたでしょの精神で、とにかく図の参照ページが飛び回る。

    2ページ3ページは当たり前。時には70ページ以上さかのぼるし、
    ページ指定もなく『図53を図45と見比べていただきたい」と平気で書かれる本は他にお目にかかったことがない。

    同一の場面の繰り返しが許されるのは、音楽だけではない。
    電子書籍でない本書であっても、読みやすさのためにできることは、数式を削除する以外にもあったはずだ。

  • <閲覧スタッフより>
    なぜドレミ…という音が誕生したのか。ピタゴラスの発見をもとに、著者が数学的・物理的観点から音律・音階について深く分析しています。他にも平均律が受け入れられた経緯や音の差による心地よさ、倍音、コード進行の原理など音楽に携わる人なら知りたいことを幅広く取り上げており、一度は読んでおきたい価値ある本といえます。
    --------------------------------------
    所在番号:新書||761.1||オカ
    資料番号:10182094
    --------------------------------------

  • 読了。29冊目。
    ドレミはどのようにして作られたのかを解説する本です。自分の知らないことが多く書かれていて勉強になった。同時に鳴らして心地よく聴こえる基音、倍音、3倍音の構成からピタゴラス音律を作り、転調しても響きがよくなるようにちょっとずつ改良されて現在の平均律になったんですね。その数理にしばしば素数が現れて面白い。

  • 頭ん中こんがらかってきたけど、音階がどうやってできたかは何とか理解しました。

  • ブックオフにて半額のところ、更に半額セールで定価の4分の1にて購入。ピタゴラス音律から紆余曲折を経て平均律に至るまでの音律の変遷を丹念に追う前半部、心理学的側面から協和・不協和音のメカニズムに迫り、コード進行やモード等音楽理論にも切り込む中盤、そして西洋音楽の伝統とは無縁の民族音楽に用いられる楽器に対する様々な解析のほか、人工的に作り出された平均律による近年の試みを描く終盤と、実に幅広いトピックで構成されている。専門的な記述が多いのですんなり読みこなすのは難しいが、読み応えは充分。

全67件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大阪大学産業科学研究所特任教授、工学博士。専門はビーム物理

「2013年 『CD−Book視て聴くドレミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小方厚の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マーク・ピーター...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×