図解・船の科学―超高速船・超巨大船のメカニズム (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062575799

作品紹介・あらすじ

船の常識を破る時速77キロという韋駄天ぶりを誇るカーフェリーや全長415メートル、50万トンの超巨大タンカーはどのようにして建造し、操船するのか。船の基本的な原理までさかのぼり、その構造とシステムを、豊富な写真と図版で詳細に解説。

感想・レビュー・書評

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  • 浮力から復元力、スクリューや舵の科学。

    一見単純そうな船でも、当然というか、力学的にはかなりきちんと考えないと、危険なのだな。個人的には、スクリュー逆回転させて減速しても、タンカーだと2キロ近く走るし、舵も効かなくなるので、横に同じくらい流されてしまった事例。そりゃ、タイタニックはぶつかるし、海難事故がなくならないはずだと思った。

    高速双胴船がお気に入りで、色んな理論や説明の仕上げに、双胴船では、と来る。船名がナッチャンなんとかで、これが連発されるもんで、文面的には辟易。
    もっと思い切って、その船中心にまとめても良かったんじゃないかと思う。

  • 550-I
    閲覧新書

  • 船というか超高速カーフェリーナッチャンReraがいかに画期的かという内容ではあったが、多少なりとも船の構造が理解出来たはずだと思う。これに限らずブルーバックスはそろそろカラーページも折り込んで欲しい。

  • 日本の造船業は斜陽だと思っていたけれど、投入される最新技術には目をみはる。船は技術としてはもう終わりかなぁ、と素人ながらに思っていたのを反省。
    ウェーブピアサーに感動した。

  • RORO Roll on/Roll off ナッチャンRera 青函航路 時速77km

    浮力=ρgV 物体の水没面積と同じ体積の水の重さと同じ大きさの浮力が働く
    ρ=水の密度
    水圧(静水圧) 水に重さ 水圧=ρgz z=水深
    水中に1辺Amの立方体 下向きρgzA^2 上向きρg(z+A)A^2
    上下方向の力の差→浮力 ρgA^3 A^3は立方体の体積 アルキメデスの原理

    船の重さ 排水量 船が押しのけた水の量 船の重さと一致

    復原力
    ヨット→船底に突き出した重いキール
    船舶復原性規則 復原性に対する自由水影響

    トンの由来 酒樽の容積40立法フィート 2,240ポンド 1.13㎥ 1,016kg

    国際満載喫水線条約 満載排水量(貨物を運ぶ船)

    旅客船 積めるスペース V船内容積 国際総トン数=(0.2+0.02log_10 V)×V
    シンプソンの第1法則による排水量の計算法

    knotノット 地球の円周4万キロ 360°×60’ で割る→1時間に1,852m進む速さ
    結び目(ノット)を付けたロープを海に投げて紐が落ちるまでの時間で測った名残

    大西洋横断航路の客船 ブルーリボン

    ナッチャンRera ウェーブピアシング型(波浪貫通型)
    船の6方向の運動 前後→サージング 上下→ヒービング 左右→スウェイイング
    横揺れ→ローリング 船首揺れ→ヨーイング 縦揺れ→ピッチング

    一般に船首の水面上の形はフレアという朝顔形の広がり→波に突っ込んだ時に浮力→船首を持ち上げ波の打ち込みを防ぐ。

    高速 ポーポイジング(波のない海上で飛び跳ねてしまう)
    後ろからの波 ブローチング(波の下り斜面で波乗り状態→船の速度=波の速度→舵が効かない)→あせらずスピードを落とす。

    バウダイビング→船首(バウ)が波に突っ込み沈み込む→水面からデッキまでの高さ=シアーを高く 巡視船

    抵抗 造波抵抗(船を進めるためのエネルギーが波を造ることに浪費)→曳き波 バルバスバウ(球状船首)
    摩擦抵抗
    粘性圧力抵抗(造渦抵抗)

    表面岨度(凸凹度) 加水分解型のポリマー
    曳き波 クリティカルゾーンを避ける。
    3つの胴をもつトリマラン

    前後方向の傾斜→トリム ボートの発射時→船首が上がる。(船尾トリム)

    船が走り始める→船底で圧力低下→船底が沈むシンケージ
    船底をまわる流体は加速されるため動圧が増加し、その分だけ船底に働く圧力が下がる。
    ベルヌーイの式「1本の流線上で動圧と静圧の和は一定値になる」
    →さらにスピード→船首船底に生じるよどみ点(流れが当たって分岐し、速度が0)付近の働く圧力が船首を上げるモーメント

    トリムタブ 船尾のトランサム(平板状の船尾端)の最下点の板状のフラップ→角度を変えて、船尾を持ち上げる=船首を下げる。

    ホバークラフト エアクッション船

    腐食対策 アノード

    船の推進装置 人力の櫂(オール) 帆(セイル)
    スクリューの原理 前進速度vが低いほど、迎え角αが大きくなり揚力を増やせる。→プロペラは遅い流れの中で回転させた方が大きな推力

    可変ピッチプロペラ

    ナッチャンRera→ ウォータージェット

    操舵室 ブリッジ→動力船の登場時、大きな水車を橋の上で操船していた名残

    航海計器 磁気コンパス
    地球の地軸 方位偏差8°
    ジャイロコンパス(地球の重力を利用)→高速で回転するコマ→一定の方向を指し続ける。
    GPS 29個の人工衛星

    旋回性能 右旋回→面舵 左旋回→取舵
    針路安定性能(保針性能)

    止まる性能 クラッシュアスターン

    ビューフォート風力階級
    波の山から山の水平距離→波長 波の谷から隣の山までの垂直距離→波高
    波岨度=波高/波長 理論的限界は<1/7
    波長=1.56×(波周期)^2

    高い向い波で船が縦揺れ、上下揺れ→船首が水面上に出てしまい、叩きつけられる→スラミング

    非常食→たんぱく質の新陳代謝には水分が必要→水の乏しい状況ではかえって体に悪影響
    海上交通三法 右側通行(正面から船が来る。互いに右に転舵→相手の船が左)
    針路が交差する出会い→相手の船を右に見る船が回避行動をとる。

    海上衝突予防法 
    舷灯の色と配置→航海灯としてマストと船尾に白色灯 右に緑色灯 左に赤色灯
    →航海灯の見え方で自分の船に対してどちらの向きに進んでいるのかがわかる。

    揚力は翼面積に比例→2乗 機体の重さは体積に比例→3乗
    ジャンボジェット機の大きさの限界

  • 主として高速船「なっちゃん」の解説なので、タイトルは誤解を呼ぶ気がしますが、しかし内容的には非常に分かりやすかったので、損をした感じはしなかったです(むしろ読んで良かったと思っています)。

  • 読みやすく、分かりやすい文章で、1回読んだだけでもかなり理解が深まった気がします。

  • 現代の船がどのように動いているかを各章で要素要素解説している.
    内容は面白いがいまいちひきこまれないのは文章力のせいか.

  • 9784062575799 222p 2007・12・20 1刷

  • 船の名前が微妙ですよー。

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著者プロフィール

1950年生まれ。大阪府立大学工学部船舶工学科卒業。大阪府立大学名誉教授・特認教授、大阪経済法科大学客員教授。専門は、船舶工学、海洋工学、クルーズビジネスなど。船に関する啓蒙書を多数執筆し、雑誌などへの寄稿、テレビ出演も著書に著書に「船の最新知識」(ソフトバンククリエイティブ)「ダイナミック図解 船のしくみパーフェクト事典」「図解雑学 船のしくみ」(ナツメ社)「図解・船の科学」(講談社)など多数。

「2023年 『最新図解 船の科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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