- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062577311
作品紹介・あらすじ
宇宙の全体を調べてみると目に見える物質は5パーセントにも満たなくて残りの約96パーセントは正体不明の暗黒物質と暗黒エネルギーだというのです。その正体を突き止めていくうちに不可思議な現象にぶち当たることに…。宇宙は多次元で、いくつも存在するとしたら。今までの宇宙の概念をくつがえす最新宇宙論入門。
感想・レビュー・書評
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宇宙全体の観測可能な物質は全体の5%以下であり、残りの約96%は正体の分かっていない暗黒物質、暗黒エネルギーとなっている。この謎だらけの宇宙について、何が分かっていて分かっていないかを整理しながら丁寧に解説した本。
暗黒物質があることは知っていましたが、銀河の回転運動から予測されたとは知りませんでした。また、量子力学の多世界解釈や多次元宇宙論などの解釈を読んで、この考え行き着く発想力の豊かさに驚かされました。
宇宙研究に対しての知識が深まり、謎めいた宇宙に好奇心をくすぐられる良書でした。 -
宇宙はなぜ膨張しているのだろう。膨張し続けるエネルギーはどこから生まれるのだろう。凄いことをわかりやすく教えてくれる。
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面白い。
宇宙のことが書いてて、特にいいのは、なんでそれが分かったのかを書いてくれてる。
どの星になんの原子があるのかは、光のプリズムの黒い線を見ればわかるとか、普通は恒星から離れたら回転速度が遅くなるがそうならないものがあるから、暗黒物質が存在するとか、根拠の部分もちゃんと書いてあるところが面白い!
が、とにかく難しい。、
後半は挫折した。、悔しい。
とりあえず超ひも理論を使えばうまいこと説明できることは分かった。 -
20世紀における宇宙論の到達点がビッグ・バン理論であるのなら、本書はそれを前提としながら21世紀の宇宙論がどんな風になっているかを語りおろした、現代宇宙論入門書。広大な宇宙において、その構成比率で物質はわずか5%しかなく、大部分は暗黒物質と暗黒エネルギーで満たされているとう導入からして驚きであり、多元宇宙論・多次元宇宙論といったロマン溢れる内容が現代物理学によって提唱されつつあるという話は理解できずとも心躍らさせられずにはいられない。重力は電磁気力と違い、多次元にも影響を及ぼす力なんて仮説とかもう胸熱。
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宇宙の話は面白い。
でもわけわかんねぇw
凡人には理解できない世界。だけど面白い。
なんかねー、全部だまされてるような気分になるんだよねー。 -
古の天文学から最新宇宙論までを優しい言葉でカバーしています。
タイトルの「宇宙は本当にひとつなのか」に触れるのは最後。
他の章は丁寧な説明による土台作りです。
小さな新書サイズの本ですが、とても充実した一冊でした。 -
私たちはわかったつもりなっていたが、実はなぁ~んにもわかっていなかったということがよくわかる(つまり「無知の知」)。
我々が”科学”としてわかっていることなんて、ごくごくわずかなものであるということさえ知っていれば、人は謙虚になれるだろう。
科学は万能であると驕る人こそ、畏れることをもっと知るべきである。 -
中国の故事に杞憂というのがある。空が落ちてこないかを心配する男を笑う話だが、この杞憂を真面目に考えている学問がある。それが理論物理学者の考える宇宙に関する理論である。この分野の学問では、宇宙の始まりから、今後の運命までを理論的に解明しようとする。
近年、宇宙にはまだ人間がその本質を理解しえていない暗黒物質なるもがあることが分かってきたと言う。暗黒というだけにそれは何もないのではなく、確かにあるのだが分からないものなのだ。この存在を認めると宇宙のさまざまな現象が理解できると言うのだ。
さらに興味深いのは本書のタイトルにもなっている多元宇宙論だ。宇宙は10次元の世界からできており、宇宙はその発生の際はさまざまな可能性をもって生み出されていく、しかし3次元空間を保つことができる可能性のある宇宙はかなり限られている。私たちがいる宇宙のようなものが他にもいくつも生み出されている可能性はあるのであり、実は宇宙は一つではないというのである。
理論の積み重ねからできた摩訶不思議な話であるが、どれもが真剣に研究されている結果でありSFではないのが面白い。
本書はサブタイトルに「最新宇宙論入門」とあるように一般に向けた啓蒙書であるが、あとがきにこの分野の学問をミュージシャンにたとえ、学問が好きになればどれだけでも学問に打ち込めブレークスルーの機会も生まれるだろうし、自分が学者でなくとも、この分野へ関心をもつ人が増えれば研究者にもやりがいが生まれ、よりたかい研究心を持つことができるだろうといったことが書かれている。
確かに本書はきわめて分かりやすく書かれているとはいえ、肝心な点が直感的に理解できない。何を言っているのか本当に理解できないうちに、それを前提とした理論がさらに積み重なっていく感じがどうしても否めないのである。別の言い方をすれば、それこそがこの分野の特徴であり、魅力なのかもしれない。