二重らせん (ブルーバックス)

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本棚登録 : 508
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577922

作品紹介・あらすじ

共同発見者のフランシス・クリック、モーリス・ウィルキンスらとの出会いから、「多才な巨人」ライナス・ポーリングの猛追をかわして、二重らせん構造の発見にいたるまでの、その舞台裏をワトソン博士が赤裸々に綴った感動のドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 遺伝子構造におけるノーベル賞受賞までの競争をワトソンの視点から回想したもの。
    本書の執筆が開始されたのが既に受賞後5年が経過しており、当人の記憶違いや都合のいい解釈などが含まれている可能性について、原作者の序文にも触れられていましたが、その通りでしょう。
    この当時には遺伝子構造について、様々な仮説が学会で発表されており、誰が最初に真相に近づくのかは時間の問題だと思われていたようです。
    本書に出てくる研究者たちの中には、受賞者よりもはるかに才能に恵まれた天才(ワトソンも羨むくらい)たちが綺羅星の如く存在していたのにもかかわらず、なぜ彼らが受賞できたのかはやはり運と閃きだったような気がします。
    さらに大胆に言えば、(少なくともこのケースにおいては)鋭いナイフと鈍い鉈というもので例えれば、瞬時に正解にたどり着く切れ味抜群の鋭さよりも、普段の切れ味はよくないが一刀両断に一気に理論化できるコツコツ努力型が有利に働いたのでしょう。
    この受賞の影に隠れた功労者はロザリンドであることは間違いなく、受賞者の運とはすなわち彼女が近くにて、彼女のX線写真が入手できたからに他なりません。惜しくも、彼女は病気で37歳という若さで亡くなりましたが、さすがに著者も心苦しかったのか、エピローグで追悼しています・・
    蛇足ですが、本書では紳士的な英国スタイル(人の功績をむやみに盗まないフェアープレイ精神を遵守)と弱肉強食の米国スタイル(使えるものなら何でも利用するプラグマティズム的な目標優先型アプローチ)にも言及されており、ワトソンが米国人だった点も興味深い事実です。

  • 今世紀最大の生物学史上の成果といわれるDNAの二重らせん構造発見に至る、若き科学者による感動のストーリー。青春ドラマのような面白さに小説のようにのめり込むとともに、諦めることなく自分の好きなこと、大切にしていることに突き進む若きワトソンの姿勢から学ぶことは多い。

  • DNAの二重らせん構造モデルをクリックと共に提唱し、ノーベル賞を受賞したワトソン自身が綴った本『The double helix』(1968年刊)の日本語翻訳本です。二重らせん構造の発見までの経緯のみならず、科学の研究に対する向き合い方についても考えることができる一冊です。
    (生命工学科 B3)

    DNAの二重らせん構造を解明するまでの道のりを、当事者のワトソンが書いたもの。科学者が日々どのように考え感じて研究しているか、研究競争とはどんなものかよくわかる。描写の面白さから専門用語は気にならない。


  •    
       
    (2024.03.02)
    申し訳ないが、
    文庫版がブックオフで目についた。
    世界的名著だが、とっつきにくそうな
    先入観があった。

    [題名]『二重らせん』
    [著者]ジェームズ・D・ワトソン
    [訳者]江上不二夫+中村桂子
    [出版]講談社文庫(Y-467)
    [動機]理科系なら読んでおくべき
        と思った。

  • 中村桂子さんの本でご紹介。

  •  読後に調べたら、本書の内容は現在でも論争になっているらしい。1番の栄誉をとった人間が書いた本だから、鵜呑みにするのは危ないかもしれない。

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/465928

  • 「変わらないために変わり続ける」関連本。

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