大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578271

感想・レビュー・書評

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  • 一般読者に向けて書かれた,超弦理論の解説書.
    最先端の理論を非常に明快に解説しており,素晴らしい.
    特に弦理論および超弦理論で扱う空間次元がそれぞれ25次元と9次元
    になることは,やや厳密性を書くとはいえ,数式で求めており,
    関心した.専門書にははるかに及ばないのでしょうが,
    一般人向けとしては,これ以上のものは望めないのではないだろうか.
    最先端の物理の世界を味わってみたい全ての人にお勧めです.

  • ニュートン力学、量子力学までは、何とかおぼろげながら理解できたつもりだが、全ての現象を説明できる統一理論の構築過程で出現した矛盾点を解消すべく、超弦理論が出てきたのだということだろう.でも、この様な難しいことを真剣に考えている科学者がいることも驚きだ.電磁場と金融市場の類似性の説明は明快だった.

  • ここで興味を持った
     Ucci Leipuccini, Monadology, Information, and Physics(togetterまとめ)

    http://togetter.com/li/490037

  • 超弦理論(超ひも理論の方が有名かも。)が10次元 時間を除けば9次元でしか成り立たないということは、他の啓蒙書に書かれていたけれど、その根拠を示しているものは見かけなかった。
    まさか、オイラーの公式 1+2+3+4+ ......=-1/12が関係していたとは!

  • 超弦理論に詳しくなりたくて、個人的に大傑作だと思う「重力とは何か」を書いた大栗先生の本ということもあり、喜び勇んで読んだのだが、ちょっと難しかった。
    素人にも分かるように色々と工夫されているのだが、理解が追いつかなかった。いつかもう一度チャレンジしてみたい。

  • この本を読んで驚いたのは「数式を癒やす」という表現、この分野の科学が「哲学」「神学」などに近づく理由が垣間見れたこと。さらには、基本的なコンセプトは仕事にも活かせそうだというところ。
    本書では数式はほとんど登場しないし、あってもかなり簡単なものに置き換えられている。実際には高度な論理を解いているはずで、その抽象化は半端ない。逆に言うと、この抽象化スキルが現代の数学と物理を推し進めているのだと理解する。故に「癒す」となどの我々が知っている算数や数学ではあり得ない表現を使うのだ。
    さらに驚くのは、何らかの基準や思い込みを捨てることで、この学問が発展しているという事実である。たまたま、マクロでは見えていた現象はミクロの確率の集まりでしかなく、量が多量だったために見えていたに過ぎないということらしい。
    私が現在使える道具は中学生までの数学、主に四則演算、確率統計の基礎、そして、初等幾何である。とはいえ、これだけの道具でも、問いを正しく設定すれば解ける問題は多い。思考停止に陥らず、考え続けることはやはり大事だ。物事の本質を問い続けることはやはり我々の本能なのだ。

  • また、ちょっと発作的に物理(数学)の本が読みたくなって、読めそうにない本を買ってしまった。量子論や相対論から始まり、弦理論そして2つの超弦理論革命、そして空間の話と続く。縦書きで数式をなるべく使わず、イメージしやすいように解説されているが、5章に入って、電磁場を金融市場に例えるあたりから置いて行かれた感じがする。それでも、なんとか超弦理論が9次元であるとかいう話が何を意味するのかは、なんとなく分かった気がする。しかし、あのオイラーの公式はどうなんだろう。1+2+3+・・・=-1/12 って。
    ??? 確かに式の変形は(中学生では無理です)高校生で十分に理解できる。でも、キツネにつままれたような。そんな式で、超弦理論が10次元だとか、9次元だとか、そんな議論をしていたのか。数学的につじつまが合うかどうかが最優先のようだ。まあ、朝永先生のくり込みの話がなんとなく分かったし、超弦理論の雰囲気も分かったので、これは読んで正解としておこう。

  • 正直、半分も理解できていない。おすすめしている書評をみたので、読んでみたのですが… でも、著者の先生は本当にわかりやすく、噛み砕いて説明してくださっているので、何回もよんで、分からないところは前に戻ったりすればきっと理解できると思います。やっていないだけで。
    ただ、分からないのに心をゆさぶられる内容でした。それは、今、私がいて、見て、感じている世界が、人間ならではの視点でしかとらえられていないということが分かったから。空間が3次元とか、時間は一定とか、それは当たり前ではないんだな、と。深すぎる内容で、自分がちっぽけな存在だと改めて実感。

  • 現代のキホーテにならないために、現代の(理論)物理学を簡単に知ることができる1冊です。超弦理論が必要とされた背景から、これからの課題までが、他の物に比べてわかりやすく書かれています。
    ただ、最低限の常識と、量子力学周りのわかりやすい本が1冊ほしい感じかも。

    空間の余剰次元って、イメージしにくいと思うのですが、自然現象を説明するのに必要な項目と思っていいと思うのです。
    例えば、普段の生活空間は、3次元的な広さだけを気にしているわけじゃないですよね?
    ここ暑いな~と感じたら、気温が高いとか、湿度が高いとか思うはずです。
    その気温や湿度のような説明が、3次元的な広がり以外にも、空間に必要となっているということなのです。
    また、気温が高いというのは、分子との衝突で受けるエネルギーとその頻度と言い換えれますよね。
    同様に、余剰次元についても、自然現象の振る舞いの説明でしかないため、別の説明をするなら、次元も変わっていくよね?ということなのです。

    あと、不思議な感じがするのは、次元の数の根拠となる
    ・1+2+3+…=-1/12
    の導出です。
    現代数学は、公理系…計算するための世界を定義することで、初めて成り立ちます。
    算数のように、実数平面上だけの世界もあります。
    ・1+2+3+…=∞(計算不可)
    範囲を複素平面まで拡張して、実数からは無理でも、虚数側から収束させれる世界もあります。
    ・1+2+3+…=ζ(-1)→-1/12

    どっちの世界を当てはめたらいいの?と思うのですが、自然の公理系はわからないため、当てはめて問題なく振舞う方が、より自然に近い世界と言えるのです。

    それで元の式を思い出してください。
    ・光子エネルギー=2+(D-1)(1+2+3+…) → 0
    元々、質量無限大の問題を解決するためのものと考えると、解の収束する世界が適切と推測できますよね?

    当てずっぽうじゃない?と思うかもです。
    だからこそ、証明がとっても大切な分野なのです。

  • 大栗先生による。とても分かりやすい。次元が確定する話とか、ゲージ対称性の話とか、単語や結果だけは聞いていたことが、中身のストーリーについても少しだけ理解が進んだのは嬉しい。

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著者プロフィール

カリフォルニア工科大学フレッド・カブリ冠教授/ウォルター・バーク理論物理学研究所所長
東京大学カブリIPMU主任研究員
米国アスペン物理学センター所長

「2018年 『素粒子論のランドスケープ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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