サイエンス異人伝 科学が残した「夢の痕跡」 (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579087

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ博物館とアメリカのスミソニアン協会の属する博物館等に収められた数々の成果を、その発明者と関連する人々の話をまとめたものだが、面白い話しが満載だ.話の進め方が良い.例えば、有名なライト兄弟と熱気球を発明したモンゴルフィエ兄弟を対比して、かれらが持っていた基礎技術とそれに加えてアマチュアリズムを取り入れたところに成功の秘訣がある由.最後に出てくるプリンストン高等研究所とMITの比較も面白い.

  • 多くの史実の中で、ひとつだけ民俗学的考察に触れた章があり、非常に考えさせられた。和時計に対するクダリである。日本人は人間の好みを機械に押し付けるが、外国では機械のやり方に人間が合わせる。その背景には、日本人はモノに対する認識として「自然感覚」を持っているのに対し、西洋人はモノに神を宿らせて尊重する、という決定的な違いがある。確かに日本ではハイテク製品を秋葉の露店で売っていたり、高級デザートをコンビニで売っていたり、西洋人からしたら異常な光景に見えるだろう。某TV番組で、外国人が「日本のパンはパンではない」と指摘するコーナーがあった。西洋にとってパンはキリスト(神)から与えられた食事。したがって彼らにしてみれば、日本のパンはどちらかというとデザート。つまり根底にあるものが異なるから価値観も変わる。おそらくこれからもそうであろう。今後の文化、文明の展開を対比考察していくうえでも、なかなか面白い視点であると感じた。

  • やはりマニアック

著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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