欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防 (ブルーバックス)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062579971

感想・レビュー・書評

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  • 38
    日本人がオリーヴオイルを使いすぎると
    生活習慣病になる

    39
    動脈硬化を防ぎたいなら
    オリーヴオイルの
    LDLコレステロールを増やしにくいという僅かな効果に目を奪われるより
    油そのものを控えるべき!

    40
    牛乳は必要ない

    日本人の骨粗鬆症の発症率はアメリカ白人の半分

    43
    日本人が赤ワインを飲んでも害のほうが多い

    44
    日本は心臓病の発症率が世界で最も低い
    フランスより低い

    94
    脳出血のリスクは
    飲酒で2.5倍に
    喫煙で2倍に

    タバコを毎日2箱以上吸う男性は
    脳出血と脳梗塞を合わせた発症率が
    2.2倍
    心筋梗塞の発症率が
    4倍以上になる

    酒飲んでタバコ吸えば、危険はさらに高まる

    120
    日本人の血管を守る、大豆と魚のパワー

    日本人が動脈硬化を起こしにくい理由は
    ★★★★★ HDLコレステロールが高いから

    EPAとDHAは
    アジ、イワシ、サバ、サンマに含まれる

    日本人は世界でも最もよく魚を食べ
    心臓病の発症率が低い民族

    127
    卵やイクラは心配ない

    133
    日系移民は、日本在住の日本人より心臓病の発症率が高い
    心臓病の発症には、遺伝的要素より、環境的要素のほうが大きく影響する

    日本は、昔も今も、心臓病の発症率が低い
    欧米白人と比べ、
    ★★★★★ HDLコレステロールが高いから

    136
    日本は先進国の中でも
    がんの死亡率が高い
    アメリカの1.5倍

    だが
    がんの死亡率が高い、ということは
    脳出血や、結核、他の病気で亡くなる人が少ない、ということを意味する
    また
    日本人の平均寿命が長いので、がんは加齢により発症するので、がんの死亡率が高くなっているだけのこと

    発展途上国では
    がんで死亡する前に、感染症を始めとする、他の病気で亡くなる人の割合が高い
    それらの病気は、日本では、治療されるので、死亡しない

    そのため
    がんのなりやすさを正確に計算するためには
    調査対象者の年齢を揃えて比較する必要がある

    年齢調整した統計データを見れば
    日本人の男女ともに
    がんの死亡率は明らかに下がってきている

    がんの「なりやすさ」を見ても
    1位デンマーク
    フランス
    オーストラリアと、続き

    6位アメリカ合衆国
    23位 英国

    48位が日本 下から3番めの低さ

    つまり、日本人は、欧米人と比べれば
    ガンになりにくい

    148
    ガンの70%は、予防できる

    1 肥満を改善する
    2 よく体を動かす
    3 カロリーの高い食品、甘い飲み物を避ける
    4 野菜など、植物性の食品をとる
    5 牛肉、豚肉、などの赤身の肉の摂取を控え
      ハム、ソーセージなどの加工肉は食べない
    6 お酒を控える
    7 塩分を控え、カビのはえた食品は避ける
    8 サプリメントに頼らない
    9 できるだけ母乳で育てる
    10 ガンになった人も、以上の助言に従う

    ガンは、生活習慣病に分類されている


    日本人に合わせた、がん予防法

    日本人を対象とした調査報告を集めて
    国立ガン研究センターが
    2011年に
    『日本人のためのガン予防法12カ条』を公表

    1 タバコは吸わない
    2 他人のタバコの煙を避ける
    3 お酒を控える
    4 バランスのとれた食生活を
    5 塩辛い食品を控える
    6 野菜や果物は、不足しないように
    7 適度に運動する
    8 適切な体重を維持する
    9 ウイルスや最近の感染予防と治療
    10定期的なガン検診を受ける
    11体に異常を感じたらすぐに受診する
    12正しいガン情報で、ガンを防ぐ

    158
    胃ガンの原因はピロリ菌

    昔は、井戸や川の水を使っていたので、日本人の殆どはピロリ菌に感染していた
    しかし、寿命が短かったので、胃ガンで死ぬ前に、現在なら治療できる他の病気で死んでいた。

    167
    日本人と欧米人では、胃の形が違う

    173
    発がん性物質の合成を抑える野菜のパワー

  • 2017年までの最新版。
    言うまでもなく
    科学的事実からの視点から展開する「予防策」。

    常識は常に変わる。
    健康について、常識リバイスのために必須であろう。

  • 日本人に合わせた生活習慣病予防
    日本人には炭水化物抜きは合わない
    長年の食生活によって胃の形も違う
    日本にいる日本人、日系アメリカ人(一世、二世)、アメリカ人…と、○○系△△人を比較して、遺伝子によるものなのか、環境要因が関係するのかが分かるところが面白い
    データってすごいなー
    そして和食もすごい

    がんを含む生活習慣病の予防について知ったら、
    今度は認知症予防について知りたくなる

  • 読んでおく必要がある本。

  • メインタイトルとサブタイトルが本来は逆で、内容的には「科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防ー欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」」が正しいと思うが、見た目でインパクトがあるようにあえて逆にしたんだと思う。内容は新しい知見で驚くほど充実しているし、非常にわかりやすい著者渾身の1冊になっている。各章の最後のまとめがエッセンスになっているので、時間がない人はそれだけ読んでも役に立つ。私は当初は流し読みをする予定だったが、内容がいいので熟読してしまった。

    以下、ためになった部分を抜粋。

    ・日本人のカルシウム摂取量は米国人の約半分だが、骨粗鬆症の発症率は米国白人のほうが2倍高い。これは遺伝的要因と食生活の違い(日本人は牛乳ではなく海藻、野菜、大豆、小魚からカルシウムを摂る)が影響している。

    ・日本人の4人に1人はカフェインを150mg摂取するだけで不安定な気持ちになる。

    ・日本人は炭水化物の摂取が減ると膵臓に負担がかかり、インスリンの分泌が減って糖尿病になりやすくなる。EPAとDHAの摂取は糖尿病の発症率が下がる。

    ・ナトリウムの摂取量を極端に減らすよりも、カリウムの摂取量を増やしたほうが降圧効果が得られる。日本人はカリウムの摂取量が少ないので2倍に増やす必要がある。

    ・厚生労働省はEPAとDHAが動脈硬化を防ぐだけではなく、糖尿病、乳がん、大腸がん、肝がん、認知症の一部などの発症率を下げる可能性があるとしてEPAとDHAあわせて1日1g摂取するように推奨している。

    ・大豆は女性の脳梗塞、心筋梗塞のリスクを下げるが、男性にはそのような効果は期待できない。

    ・日本人は動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸の摂取が多いと肥満、糖尿病、心筋梗塞のリスクが上がるが、少ないと脳出血や脳梗塞のリスクが上がる。

    ・日本人は十二指腸潰瘍になりやすい遺伝子を持つ人は胃がんになりにくい。

    ・牛肉などの赤肉を食べると胃がんや大腸がんのリスクが上がるが、抗酸化物質がそのリスクを下げる。

    ・大腸に悪玉菌がいると、脂肪を多く摂取したときに胆汁の分泌が増え、大腸がんが発生しやすくなる。脂肪は動物性でも植物性でも同じ。EPA,DHAは逆に大腸がんのリスクを下げる。

    ・食物繊維不足は大腸がんの原因の1つとされているが、大部分の日本人は大腸がんを予防できるだけの食物繊維を摂取できている。

    ・大豆製品に含まれるイソフラボンを十分に摂取すると、乳がんの発症率が3分の1になる。

    ・小児期の食生活が乳がんの発生に影響している。

    ・夜間勤務や不規則な生活は乳がんの発症率を上げる。

  • これは面白い!&ためになった!
    怪しげな自説を延々と述べるような書籍ではなく、最新~比較的新しい知見を、客観的にその妥当性を、押し付けがましくなく、分り易く説明してくれる。
    人種による差があるとは当然思っていたし、聞いてもいたが、こんなにも劇的な差があるとは知らなかった!
    遺伝的な素因は無視できないが、むしろ遺伝子中のどの部分が外的影響(生活・食事習慣など)によって活性化・抑制されるかの方が遥かに結果への影響が大きい!、というのも意外。
    当たり前だと思っていた常識感も、誤った過去の情報が元になっていることを知ったり、とにかく、即日から食事習慣を改めようと実践し始めた次第です。
    若い人にもお勧め! 決して健康が重大な心配事になる壮年・高齢者向けの書籍・情報じゃありません!

  • 一日本人として過ごしてきて漠然とした違和感を抱いてきたものを「やっぱりそうだったのか」と思わせてくれる良著。

    舶来物好きの私たち日本人は、何でもかんでも、欧米の真似をしたがりますが、元々人種が違い環境が違うわけで、欧米人にとって効能があるものでも日本人にはそうではない、或いはその逆ということがあるのだということが、よくわかりました。

  • 体の大きさと遺伝的な傾向から見た日本人向けの健康法、ということになるのかな。個別には遺伝子診断とか受けることになるのだろうけれど。集団としての話と個人としての向き不向きはまた別として、確かに数千年かけて島に適応しちゃった集団ではあるんだろうなあ。最近の日本人論はいろいろ面白いけれど、併せて読むといろいろ想像が膨らむ。
    個人的には割と菜食に寄せたたんぱくを魚と大豆を主とした豆に頼るあまり高負荷ではない運動多めの頭を使う生活、がそれほど悪くなさそうでちょっとほっとした。
    201912再読。

著者プロフィール

おくだ・まさこ
京都大学大学院医学研究科修了。内科医。京都大学博士(医学)。医学部卒業後、博士課程に進み基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人近くの診察/診療にあたる。海外医学文献と医学書の翻訳もおこなってきた。現在は産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。愛知県出身。著書に『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)など多数。


「2022年 『日本人の「遺伝子」からみた病気になりにくい体質のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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