琉球王国 -東アジアのコーナーストーン (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062582971

作品紹介・あらすじ

海の通商王国=琉球。その繁栄の糸口は明の倭寇対策にあった。国家の中枢に食い込み交易の実務を担う華僑たちの実像。「死旅」と呼ばれた中国皇帝への進貢の旅の実際、薩摩支配下での中国・日本「両属」を巧みに使い分けた生き残り政策など、新史料を駆使し新たな琉球像を提示する。

感想・レビュー・書評

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  •  琉球王国の総合史という側面もあるが、どちらかというと内政より対外関係史(貿易史)に重点が置かれている内容である。2~3章では中国との朝貢貿易の実態、4章では薩摩の理不尽すぎる要求と琉球侵攻、そして5章では薩摩支配化の中にあっても琉球が独立を保とうとしていたこと、6章では琉球処分と日中の外交戦および琉球の抵抗が描かれる。
     5章の薩摩の支配が始まった後(日本の影響が強まった後)、琉球王国は日本化していくどころかかえって中国化する道を戦略的に選んできた、というくだりがおもしろかった。しかし、その努力にもかかわらず、明治維新後の日本に琉球処分されてしまうくだりは涙なしには読めない。
     琉球王国史を理解する上でお勧めの良書だが、ただ一つ、琉球が和寇の「受け皿」であった点には納得できない。それに関する反論はブログに書いた。
    http://d.hatena.ne.jp/poppen38/20091214/1260782413

  • かつてアジアの海を縦横無尽に駆け巡った商人たちにより、繁栄した琉球王国。
    通商を担った華僑たちと、明の倭寇対策など、中世東アジアの海を舞台としたドラマです♪
    中国への朝貢は琉球に富をもたらしましたが、実際に北京にまで赴く使節にとっては「死旅」と呼ばれるほどのの過酷さでした。
    琉球王国の成立から、薩摩の侵略とそれに対する抵抗、日本と中国(明・清)双方のパワーバランスを利用した生き残り、近代の日本への編入など、琉球が辿った歴史を綴っています。
    琉球の氏姓制度や王室・貴族の形態についても知ることができます。

    ニン、トン♪

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著者プロフィール

現職:琉球大学法文学部教授
主要著書・論文:
赤嶺守(2004)『琉球王国―東アジアのコーナーストーン』講談社
赤嶺守(2003)「王国の消滅と沖縄の近代」豊見山和行編『琉球・沖縄の世界』吉川弘文館
赤嶺守(1999)「清時代の琉球漂流民送還体制について―乾隆25年の山陽西表船の漂着事例を中心に」『東洋史研究』58-3

「2013年 『中国と琉球 人の移動を探る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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