性欲の文化史 1 (講談社選書メチエ)

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  • 講談社 (2008年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584241

性欲の文化史 1 (講談社選書メチエ)の感想・レビュー・書評

  • 隠された文化史
    8つの「性」にまつわる学術的考察。
    個人的な興味として、『遊郭の形成と近代日本ー「囲い込み」と取締り』『女装男娼のテクニックとセクシュアリティ』『「胎内十月」の見世物を追って』『「人体模倣」における生と死と性』が面白い。

    「胎内十月」は必ずしもグロテスクな興味本位の見世物、と言うわけではなかったようだ。
    そもそも、そんな見世物があったということすら初めて知ったのだが。
    確かにここで述べられているように、女性の妊娠というものに対して、いわば教科書的な役割を果たしていたであろうことは想像に難くない。
    詳細は本文に譲るとして、人間の探究心が思われる。

    女装男娼は、筆者が女装者ということで個人の体験をはさみながら、考察している。
    途中でわいてくる疑問、「なぜ女装男娼は、客に女でないと気付かれなかったのか」に対する答えが興味深い。
    肛門を使用しての行為ではなかった、というのがここで明示されるが、私を含め多くの人がそうであると考えてはいまいか。
    そこには思い込みがある。
    AはAなのだからBである。この結論が正しいわけではないことに気づかされる。
    筆者の体験を挟むことが必要か否かは判断が分かれるところではあると思う。
    私自身も、あれば興味を惹かれるが、個人の体験を語ることに羞恥からの嫌悪とでも言うべき気持ちになった。

    人体模倣については「不気味の谷」(言葉は知っていた)をめぐる考察である。
    人形に対し、恐れや不安、親しみのポイントが明らかにされている点が興味深い。

    性の問題については興味がありながら隠されてきている。
    その隠しは一体誰のため、何のためであるのか。
    マイノリティの問題、女性史、政治史などと併せて考えてみると大変に面白く、難しいものである。

  • 様々な観点から日本における「性」の在り方を探った本。

  • 「性欲?」っていうのも多々あったけど、全体的に興味深かった。

    とくに、男子学生の禁欲と男娼のあれこれに引き込まれました。

  • 国際日本文化研究センター「性欲の文化史」研究会による論集です。

    私は「女装男娼のテクニックとセクシュアリティ」を執筆しました。
    女装男娼に関する学術論文としては日本初だと思います。

    他にも多彩な論考が目白押しです。
    お手にとっていただければ、うれしいです。
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    【内容】
    洋装下着を流行らせたのは、ほんとうに勤労女性だったのか?
    なぜ戦前の男子学生は「したくてもじっと我慢」でいなければならなかったのか?
    歴史の陰に、性あり。
    人間の本質を見ずして、ほんとうの歴史は語れないのだ!
    大本教から球体関節人形まで、「魏志倭人伝」の日本女性論から女装男娼まで、時代も地域も縦横無尽に論じ尽くす、珠玉の論考集。


    【目次】

    まえがき-文化のなかに性を読む(井上章一)
    1.遊廓の形成と日本文化-「囲い込み」と取り締り-(永井良和)
    2.性教育はなぜ男子学生に禁欲を説いたか-1910~40年代の花柳病言説-(澁谷知美)
    3.出口王仁三郎の恋愛観・男女観-『霊界物語』を中心として-(原 武史)
    4.日本女性は不淫不妬?-中華文人の日本風俗観察史-(唐 権)
    5.女装男娼のテクニックとセクシュアリティ(三橋順子)
    6.「胎内十月」の見世物を追って(川井ゆう)
    7.「人体模倣」における生と死と性(西村大志)
    8.兄妹性交の回避と禁止(露木玲・青木健一)
    あとがき(井上章一)

  • 男娼をテーマにした話と戦前の男子学生への禁欲のすすめが面白かった

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性欲の文化史 1 (講談社選書メチエ)の作品紹介

洋装下着を流行らせたのは、ほんとうに勤労女性だったのか?なぜ戦前の男子学生は「したくてもじっと我慢」でいなければならなかったのか?歴史の陰に、性あり。人間の本質を見ずして、ほんとうの歴史は語れないのだ!大本教から球体関節人形まで、「魏志倭人伝」の日本女性論から女装男娼まで、時代も地域も縦横無尽に論じ尽くす、珠玉の論考集。

性欲の文化史 1 (講談社選書メチエ)はこんな本です

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