完全解読 カント『純粋理性批判』 (講談社選書メチエ)

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著者 : 竹田青嗣
  • 講談社 (2010年3月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584623

完全解読 カント『純粋理性批判』 (講談社選書メチエ)の感想・レビュー・書評

  • 『純粋理性批判』のテクスト全体をわかりやすく要約するとともに、随所に著者自身による「章末解説」が設けた入門書です。

    ときおり、著者自身の実存的立場からカント哲学の意義を解釈している個所が含まれており、注意が必要です。たとえば著者は、カントの認識論が「実践的関心」を背景に持っており、「「善く生きたい」というわれわれの生の意欲こそ、世界とは何であるか、という認識の問いを支えている」と述べています。しかしこれは、認識論的なディスクールをエロス論的なディスクールに基礎づけることをめざす著者自身の欲望論の観点からカントの認識論を捉えなおしたものと考えるべきだと思います。

    カントは認識批判によって独断的形而上学を退けるとともに、純粋理性の領域に関する問いを、理論的認識から実践的認識へと転換しました。このことによってカントは、善悪無記の自然的世界を超え出て、私たちの自由に基づいた行為が「善い行為」であるのか、それとも「悪い行為」であるのかということを評価することを可能にしている超越論的な領野を切り開くことになりました。著者はこの事態を、世界の客観的なありようを認識することから、エロスの享受をめがける私たちの生の意欲へと視線を向け変えることだと捉え返し、みずからの立場からカント哲学の新たな意義を見いだそうとしているように思われます。

    著者の強みは、専門家にはとうていなしえないような達意平明の言葉で初心者を哲学的な問いの中核にまで連れ出してくれるところにあるのではないかと個人的には思っています。著者のフッサール解釈の誤りが専門家の目から見て誤りを含んだものであろうと、著者の本の意義はけっして失われることがないのは、そうした理由によるはずです。しかし本書は、カント自身の議論にできるだけ即して解説しようとした結果なのでしょうが、決して読みやすい文章とは言えないように感じます。

  • 私は、以前、カント哲学について全く分からず歯が立たなかったが、この著書などカントに関する本の解説書を読むことによって、だんだん自分として理解できたつもりでいます。
    この本は、カントの解説書として良好と思います。

    カントは、霊魂の不滅、自由、神が客観的事実として認めることはできないとはっきりと語っていることを、私自身再確認し、しっかりと肝に銘じておく必要を感じました。

    私は、以前からの自分の課題として、霊魂の不滅、自由、神が客観的事実として認めることができるかどうかを、宗教書や哲学書などいろいろと読み重ねましたが、結論は出ず、あるときは、「あるはずだ」、「やはり証明できない」などと迷いに迷っていました。しかし、カントの著書にたどり着いて、この問題に漸くピリオドを打つことができそうです。
     そして、カントが示唆しているように、認識論の次は、「道徳」の構築が大切ということなる。この問題を今後、自分自身の課題に入れる必要性を感じてならなくなりました。

    竹田氏のこの著作は、私にとって一つの一里塚になりました。ありがとうございます。

  • いろいろと批判があるようですが、すくなくとも私にとっては新しいものの見方・考え方を導いてくれたのでよかったと思います。

  • うおお難しい!哲学は書いてあることがちょっとでもわかんないと先に進めないから困る。カント先生は立派ですけど私はしばらく哲学はいいです!

  • 一回読んだけど難しくてなかなか理解できなかったw

  • ヘーゲル「精神現象学」もそうだったけれど、この完全解読シリーズは相当に難しくて、多少の誤解が混ざっても普通の入門書から入った方がいいと思う。

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完全解読 カント『純粋理性批判』 (講談社選書メチエ)の作品紹介

大好評、知の高峰を読み平らげるメチエ「完全解読」シリーズ第2弾。古代ギリシア以来の哲学をコペルニクス的に転回し、近代哲学の礎を築いたカント三批判書の第一書。「物自体」「カテゴリー」「アンチノミー」などのキー概念を中心に、難解でなる著作の理路を徹底的かつ平易に解読する。

完全解読 カント『純粋理性批判』 (講談社選書メチエ)はこんな本です

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