満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘 (講談社選書メチエ)

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著者 : 川田稔
  • 講談社 (2010年9月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062584807

満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘 (講談社選書メチエ)の感想・レビュー・書評

  • 2010年刊。著者は名古屋大学大学院環境学研究科教授。◆本書の対象は満州事変時の政治動向だが、陸軍に押し切られる若槻内閣という通説に、一定の異議を唱える。単に内閣対陸軍(中堅幕僚)の構図だけでなく、浜口と永田鉄山の政治理念の異同、事変中の内閣の指導を丁寧に解説(3、5章)。統帥権を有し行動の掣肘を受けない陸軍に比べ、金は持つが、人事制度上陸相の罷免権のない若槻首相では、老練と言えども苦心の跡が散見。結局、民政党内からの倒閣(協力内閣運動)、内閣に協力的だった宇垣系を中央からの放逐し、陸軍は一夕会支配下に。
    そして、五一五事件、日中戦争へとなだれ込んでいく。

  • 満州事変おきる前後の話。
    若槻内閣と陸軍、さらにその中の一夕会中心とした中堅幕僚たちの、満州戦線を拡大せん、ここでとどめん、という攻防。

    浜口雄幸と永田鉄山を比較する章が印象的。
    第一次世界大戦を経て、次の戦争は、国の工業力で左右されるような長期の総力戦になり、軍人だけでなく一般国民の多くが犠牲になる、という見方は2人とも同じ。
    浜口雄幸はその悲惨な事態を避けるため、国際連合と軍縮条約はじめとするいくつもの列強との関係性の上で平和を保とうと努めた。
    一方、永田鉄山はその総力戦は不可避なものと判断し、資源を求めて蒙満進出を図り、一夕会を中心に陸軍を動かしていく。

    結局は派閥争いや個人の欲望もからみ、ほぼ一夕会の思惑通りの結末に。
    あとは当初の永田らの構想をも超えて事態は進展・暴走していく。

    朝鮮軍の無断越境を黙認、
    安達謙蔵内相が政友会との連立に固執したために若槻内閣が総辞職、
    さらにその後犬養毅を総理に選んだ西園寺公望や天皇側近の決断あたりが分岐点だったか。

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満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘 (講談社選書メチエ)の作品紹介

従来考えられていた以上に堅固だった戦前政党政治が、なぜ軍部に打破されたのか。そこには陸軍革新派による綿密な国家改造・実権奪取構想があった。最後の政党政治内閣首班、若槻礼次郎の「弱腰」との評価を覆し、満州事変を画期とする内閣と軍部の暗闘が若槻内閣総辞職=軍の勝利に至る八六日間を、綿密な史料分析に基づき活写する。

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