ある豪農一家の近代 幕末・明治・大正を生きた杉田家 (講談社選書メチエ)
- 講談社 (2015年2月11日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062585972
作品紹介・あらすじ
越前一の豪農として知られた杉田家の父・仙十郎、息子・定一とその妻・鈴。
幕末期、仁政イデオロギーのもと大庄屋として地域を指導していた仙十郎。彼はなぜ「万機公論」「四民平等」の新政府に期待し、そして失望したのか。
自由民権運動に身を投じ、第一回衆議院選挙で国会議員となった定一を支えた杉田家の困窮。
英学の修得に情熱を燃やし、新島襄・八重夫婦との交流を深めた鈴が体現する新しい女性像。
従来の教科書的理解では、決してわからない日本の近代化の多面的な実相を描き出す。
感想・レビュー・書評
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明治の空気がわかった
自由民権運動を理解するのに、果たして何年かかるやら・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
杉田仙十郎・定一父子と、定一の妻・鈴の3人を軸に据え、幕末から大正までの杉田家の歴史を追う一書。「豪農」研究の一書としては、比較的長い期間を取り扱っていること、また「代替わり」に着目している点を興味深く読んだ。また、地域社会の維持に腐心する仙十郎に対し、息子・定一はそこに関心のないという対比も面白かった。
ただ、既存の豪農・名望家研究を(メチエというシリーズの制約もあるとは思うが)ほぼ無視している点は、それでいいのかという気はする。本書のもとになっている論文を見ていないので、もしかしたらそこで取り扱われているのかもしれないが。
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