- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062586399
作品紹介・あらすじ
ノーベルの遺言にはなかった経済学賞は、1969年に新設され、50年の歴史があります(他の賞は1901年創設)。英語では、The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel、つまり「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」が正式名称となります。他の賞に倣って、スウェーデンの王立科学アカデミーが受賞者の選考に当たっているので、「ノーベル経済学賞」に見えるが、ノーベル財団は、経済学賞の選考プロセスの中で、Not a Nobel Prizeという項目を立てて注意を喚起しているのです。また、ノーベル経済学賞が、左翼系の経済学者たちを排除しているという意味で「偏向」しているという批判もあります。
とはいえ、経済学賞の創設からほぼ半世紀、経済学は科学としても発展してきました。例えば、「期待」をどう経済モデルに組み込むべきか?、「合理的経済人」モデルから「限定合理性」へ、ゲーム理論による数学的分析の精緻化などです。90年代から現在にいたるまで、ノーベル経済学賞はその範囲を広げ、心理学、社会学など周辺領域の優れた研究にも与えられるようになり、総合的人間科学が対象となってきました。
本書では、半世紀に亘るノーベル経済学賞の歴史を振り返ることで、現代経済学のエッセンスをわかりやすく紹介します。
感想・レビュー・書評
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図書館で借りた。
ノーベル経済学賞の歴代受賞者と、世代の傾向について書かれている。ノーベル賞でも、様々なものがあるのが分かったが、やはり経済学はイマイチ理解が追いつかないのは、肝心の式が出てこないからだろうか。詳細をみるコメント1件をすべて表示-
Fiftyさんふふ〜(*´꒳`*)笑 肝心なのは経済を回すことだからかな?今度内容教えてください!ふふ〜(*´꒳`*)笑 肝心なのは経済を回すことだからかな?今度内容教えてください!2021/08/09
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これは抜群に面白かった
ノーベル経済学賞をとった学者とその学説を紹介しているが、良質な経済学史になっている
執筆者たちの意見も述べられており、批判的に読み進めることができる
経済学入門としてもおすすめ -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688383 -
どういう経済学者が受賞してきたか、受賞される理論はどのような変化があったのかを丁寧に考察している本。
大まかな理論解説とともに当時の状況や学者同士の関り、思想的対立などを踏まえて整理されているので、経済学理論がどのように発展してきたのか、どんな対立があったのかがとても分かりやすくなる良い本でした。 -
【投票者イチオシ】ノーベル賞というはるかな存在を物語ってくれて経済学という学問の紆余曲折の居間に興味を覚えました。https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001133477/?lang=0
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経済学の発展の歴史を学ぶことができる。
中でも印象に残った話はゲイリー・ベッカーの家族の経済学の話だ。女性の社会進出が進むことにより離婚率の上昇、未婚化の進行、少子化への道を辿るという話を経済的に論じていた。日本では少子高齢化が問題視されている中で女性の社会進出を推し進めている。傷口を自ら開く結果となっているのは皮肉なものである。