発達障害の子のビジョン・トレーニング 視覚を鍛えて読み書き・運動上手に! (健康ライブラリー)
- 講談社 (2011年9月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062596701
作品紹介・あらすじ
ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 健康ライブラリースペシャル》
【視覚を鍛えて読み書き・運動上手に!】
勉強や運動が苦手なのは見え方に原因あり!
ADHD、LDの子に多い視覚の障害。訓練しだいで物を上手に見る力がつき、自信が育つ。教育現場でも注目され始めた視覚支援のためのトレーニング法を徹底図解
ビジョン・トレーニングをすることで、
視覚機能が上手に使えるようになってくると、
勉強にも運動にもとりくみやすくなります。
子どものなかに、チャレンジ精神ができはじめ、
世界が広がっていきます。 ( 第5章より )
視覚機能がどんどん伸びる! いますぐ家庭で楽しくできるトレーニングを紹介
《見え方の違いに悩む子どもたち》
【Aくんの場合】 視力はよいのに読み書きが極端に苦手
【Bさんの場合】 距離感がつかめず、スポーツで失敗する
【Cくんの場合】 字や絵を書くときに線が大きくずれる ほか
《だから、すぐできるビジョン・トレーニング》
【遊び編1 追従性眼球運動】 動くおもちゃをタッチ&キャッチ
【遊び編2 跳躍性眼球運動】 頭を動かさずに眼をキョロキョロ
【遊び編3 両眼のチームワーク】 じーっと見つめてビーズを両眼視
【遊び編4 眼と体の協応】 大人のポーズを見てまねする
【遊び編5 視空間認知】 ブロックで見本の形を再現する
【トレーニング・ワークシート編】 ワークシートを自作して楽しむ
【ワークシート編1 追従性眼球運動】 グネグネした線を丁寧になぞる
【ワークシート編2 跳躍性眼球運動】 文字表を見て、特定の文字や単語を探す
【ワークシート編3 視空間認知】 点をつないで字や図をつくる
<本書の内容構成>
1.見え方の違いに悩む子どもたち
2.視覚機能を調べれば原因がわかる
3.発達障害の子の見る力を理解する
4.すぐできるビジョン・トレーニング
5.見えれば世界が広がり、自信がつく
感想・レビュー・書評
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ビジョントレーニングについて知りたくて手に取りました。
視覚機能には、眼球運動、視力・視野、形態認知・視空間認知、眼と体の協応があるとのこと。
専門家による見立てとトレーニングが得られたら良さそうですが、現時点においても専門家は少ないのでなかなか難しそうです。
活用がもっと広まるといいなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ビジョントレーニングは見え方に難しさを抱えている子以外にも実施したい。クラスで毎日2~3分でも行えば効果があるのではないだろうか。どんな効果かというと視写のスピードが速くなったり,書き写しの間違いが減ったり,ノートの字形がきれいになったり…である。とにかく,子供の目の動きから見えづらさを大人が感知ちなければならないと思った。
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発達障害の子においては、
視覚機能の弱さから、字を読んだり書いたり、
ボール遊びがうまくできず、自信をなくすことも多いそうです。
本書は視覚機能(視力や斜視などではない)について、
具体的なトレーニング方法を紹介し、改善を図るというもので、
これまで、発達障害の本を何冊か読みましたが、
非常に具体的であって、参考になる点が幾つもありました。
また、単純にトレーニングを提案するだけでなく、
その前提として、日本の視覚機能資格者の状況や、
視覚機能の基礎知識、発達障害の子の特性なども
事前に解説があるため、全体を通して、納得感もありました。
手元に置いておいて、参考にさせてもらいながら、
トレーニングプランを考えるのが良いと思いました。
第1章 見え方の違いに悩む子どもたち
第2章 視覚機能を調べれば原因が分かる
第3章 発達障害の子の見る力を理解する
第4章 すぐできるビジョン・トレーニング
第5章 見えれば世界が広がり、自信がつく -
学習のみならずボディイメージや運動にも関わるもうひとつの「目力」に文字通り「注目!」である。特別支援教育に関わる人たちは特に、ぜひ。
見え方のトレーニングを受けてはじめて、自分から遊園地の乗り物に「乗ってみたい!」と言い出した子どもがいる。それまでは、怖い怖いと言って嫌がっていたそうだ。
視覚認知の課題を持つ子が多いことは感じていたが、最近になって発達検査時などによく観察していると、なるほど眼球運動が苦手であったり視力はいいのにやたら目を近づける子などが気になるようになってきた。
その中に、見え方の相談やトレーニングを受けることでとても発達のバランスがよくなってくる子がいて、最近は作業療法や言語療法に併せて積極的に紹介するようにしている。
自分自身が見え方の問題(外斜視)を抱えていることもあり、ものの見え方が生活に影響する実感はあったはずなのだけど、眼球運動の苦手さについては案外ピンときていなかった。
本書には、ビジョントレーニングの理論とともに、家庭や学校など生活の中で楽しくできる実践がたくさん紹介されており、かなりお役立ちの一冊だと思う。 -
「発達障害」つながりで図書館から借りてきて読みました。
視力は問題なくても視覚機能がうまく発達していないことに由来する症状もあると言うことを紹介するのがメインな本、かな。家庭でできるトレーニングも幾つか。
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視覚障害ではなく視覚機能につまずきのある状況についてわかりやすく解説してある。大雑把であるがチェック表もある。トレーニングについてはその種類とやり方が示してるが、具体的なワークシートはほとんどない。
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図書館で借りて読み。借りるのは二回目。
非公開メモ参照。
結構ためになるかも。
「発達障害の子の読み書き遊び・コミュニケーション遊び 感覚統合をいかし、適応力を育てよう2 (健康ライブラリー)」と重なってる内容も多いように思った。
発達障害というと、微細運動・粗大運動、つまり手指の不器用さや運動の不器用さに注目されがちだけど、目と体の協調、右目と左目の協調、焦点の調節と目の動きの協調、この辺に着目したアプローチも大切なんだろうな。 -
視覚機能とは、入力(視力・両眼のチームワーク・眼球運動)、情報処理(理解・記憶・操作・空間の認識・イメージする)、出力(見たものに対して適切に体を動かす)の三つの機能をいうそうだ。
いわゆる発達障害に当たる子の中には視覚機能が弱い子がおり、本書の目的は、直接的には視覚機能を強化すること、その結果として間接的には、勉強面や対人関係の問題を緩和していくことだという。
視覚機能・発達障害についての説明も図解で分かりやすく、トレーニングの種類や取り組み方も丁寧に書かれている。欲をいえば、トレーニングの種類やワークシートの量がもう少し多ければ嬉しいが、ビジョン・トレーニングについての入門書として、非常によくまとまっていると思う。
発達障害の子でなくとも、視覚機能を鍛えることで生活しやすくなりそうだ。日常の遊びの中に取り入れてみたい。