- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062603331
作品紹介・あらすじ
遠い昔…そこに夢の楽園があった―――。 「美和」が売られて行く夜、亡くなった美和のお母さんが美しい火の玉になっておくり出した…。目に見えなくとも何かいる…。著者の原体験を描く感動の少年時代。
感想・レビュー・書評
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水木しげる追悼の意を込めて再読。
昔NHKでドラマをやっていたが、それが面白くて今でも鮮明に覚えている。
境港=鬼太郎ロードで賑わっているが、賑わう通りを一本脇に入ると、ついと鄙びた港町が現れる。あそここそが、しげーさんの故郷なのだと、久しぶりに読んで実感した。
1922年生まれのしげーさんが、12歳くらいの時の話だから、時は1934年とかその頃。この境港でも人身売買がされていたことが驚きだった。神戸の芸者置屋に売られて行く7歳の少女。東京から肺病で療養に来て亡くなっていく女の子。銀行で働く傍ら活動映写機を使って映画館を始めたり、「勉強なんて落第しない程度にやっておいたらええ、今は今でしか財産をいっぱい作ったらええ」と言うへたれだけど素敵なお父さん。
鬼太郎よりももっと現実的な世界だけに、リアルな時代を生きる人を感じられて面白い。
子どもだからってごまかさないで真剣に話してくれるのんのんばあと、しげーさんは十万億土で再会していることだろう。
それにしても、コテコテの境港弁は、鳥取歴弱冠2年の私にはまだまだ到底未知の言葉だでね。
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それはなあ
千草さんの魂がしげーさんの心に宿ったけん心が重たくなっちょるだがね。
でもしばらくするとその重たさにも慣れるけん。心配はいらんよ。
身体は物を食うて大きくなるけど
人の心はなあ いろんな魂が宿るけん 成長するんだよ
小さい頃からいろんな物を見たり触ったりしてきちょるだろ
石には石の魂があるし 虫には虫の魂があるけんなあ
そげんさまざまな魂が宿ったけんしげーさんはここまで成長したんですなあ
でも ときに宿る魂が大きすぎることがあってなあ
これから先はもっともっと重たい魂が宿るけんなあ
でもしげーさんの心もその重たさをもちこたえるぐらいに大きくなって
大人になっていくんだでね -
その悲しみは宝物だ。えけ思い出をもらったな。勉強なんか落第しない程度にしたらええ。それよりいまは今でしか作れん財産をいっぱい作ることだ。それがいつか役に立つ時がくるけんなあ。
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水木しげるの少年時代を綴った漫画。エッセイなどでよく出てくるのんのんばあが年は離れていても水木さんの友達のようでおかしい。ガキ大将をめぐる争いがすさまじく、よく死人が出なかったなと思う。水木さんが恋する女の子と常に悲しい別れになるのが切ない。昔は簡単に人が死んでいった。そういう時代に妖怪信仰があったのは自然なことなのだろう。水木さん一家も味わい深い。何度でも読み返したくなる名作。
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密かに水木先生の最高傑作と思ってます。
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生(き)そのままに表される、密度の濃い漫画。
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どこからどこまでが、フィクションでノンフィクションなのか不思議なお話
作者の水木しげるにとっては全て本当のことなんだろうなぁ、と
不思議体験をこんな日常茶飯事は大変だろうけど、妖怪にはやっぱりあってみたいなぁと童心に帰りました -
ほのぼのとした温かい気持ちになれる漫画。
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新刊(文庫・千葉2)
※蔵書?下北沢あるかも?
のんのんばあ、懐かしいです!
こんな風に年をとりたいと、ずうっと思っています。
水木さんの漫画は小さな頃から読んでい...
のんのんばあ、懐かしいです!
こんな風に年をとりたいと、ずうっと思っています。
水木さんの漫画は小さな頃から読んでいますが、ファンだと言ったら「ええ~!?」って女子に一斉にひかれたことがあります(笑)
時は移り、それが今や・・分からないものですよね。
久々に読んでみたくなりました。
素敵なレビュー、ありがとうございます!
nejidonさん、こんにちはー♡
のんのんばあ、ステキですねー[^-^]
変な枠がなくて、人の目を...
nejidonさん、こんにちはー♡
のんのんばあ、ステキですねー[^-^]
変な枠がなくて、人の目を気にしたり
見栄を張ったりすることなく、大切にすべきことを
大切にできるように教えてくれる優しい分別のある大人で
のんのんばあの1つ1つにじ~んとしますよね。
水木さんで引かれるんですか!?
水木さんの作品は鬼太郎ぐらいで、ほとんど
子供の頃は読んだこともなかったんですが
妖怪の本が大好きで、子供の頃からいろんな妖怪に夢中でした。
虫もホラーも大好きだし、女子の感覚からは
遠い…のかもしれません…[笑]
切ないお話も多かったけど、のんのんばあの小説も買ってあるので
これから読むのが楽しみです~っ[*Ü*]
nejidonさんもぜひぜひ妖怪の夏をご一緒しませんか~♡[笑]